令状のカナリア

令状のカナリア英語: warrant canary)は主にウェブサービスの契約書などにおける表記の一つで、国家などからのデータ提出要求を受けていないことを記すものである[1]

この名称は炭鉱において酸素欠乏による事故を防ぐために置かれるカナリアに由来する[2]

意義

多くの場合、国家などからのデータ提出要求を受けた際にその事実を顧客や第三者に公開することは違法となりうる。しかしユーザーのデータを秘密裏に提供することとなるためプライバシー侵害という点で見た際に大きな問題となる。これにサービス提供者が対抗するための手段として令状のカナリアを用いる[3]

例えばAppleの透明性レポートには2013年上半期まで以下のような表記が存在していた。

アップルは米愛国者法第215条に基づく(政府からのユーザ情報提示)命令を一度も受けていない。かかる命令が下れば、当社は断固戦う。

令状のカナリアを削除した主なプロバイダー

脚注

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  1. ^ a b Panzarino, Matthew (2013年11月6日). “Apple、愛国者法によるデータ要求に「炭鉱のカナリア」作戦で対抗”. TechCrunch. 2020年6月9日閲覧。
  2. ^ a b c “アップルの透明性レポートから消えた2行の意味”. Gizmodo. 2020年6月9日閲覧。
  3. ^ Opsahl, Kurt (2014年4月10日). “Warrant Canary Frequently Asked Questions”. 電子フロンティア財団. 2020年6月9日閲覧。
  4. ^ “2019年上半期2019透明性レポートおよび「令状のカナリア(warrant canary)」に関する最新情報”. Cloudflare (2019年12月21日). 2020年6月9日閲覧。
  5. ^ Coldewey, Devin (2016年4月1日). “Reddit’s missing ‘warrant canary’ suggests classified data requests from feds”. TechCrunch. 2020年6月9日閲覧。
  6. ^ “Episode 1: Riseup, Technological Centralization & Snitching”. 2017年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月21日閲覧。

関連項目