坂井政市

さかい まさいち

坂井 政市
生誕 (1889-08-17) 1889年8月17日
明治22年8月17日)
長野県北安曇郡美麻村高地[1][2]
(現在の長野県大町市美麻)
死没 (1970-04-22) 1970年4月22日(80歳没)
昭和45年4月22日)
国籍 日本の旗 日本
職業 実業家政治家
栄誉 紺綬褒章
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坂井 政市(政一)(さかい まさいち、1889年(明治22年)8月17日 – 1970年(昭和45年)4月22日)は、日本実業家。1905年長野県北安曇郡美麻村にて木材業を創業。1924年に土木建築請負業を兼業。1944年法人設立、1946年に社名変更、坂井興業株式会社を設立、専務取締役社長を務める[3]

来歴

長野県出身。長野県北安曇郡美麻村で木材業を営んでいた[4]が、同郡大町へ移転。製材業・建設材販売業・土木建設請負業を開業[5]。1943年(昭和18年)、紺綬褒章(第6462号)を受章[6]。長野県中小企業団体中央会常任理事[7]、大町町会議員、大町町会議長[8]などを歴任。

主な業績

  • 坂井政市は、大町木材(株)[9]や坂井林業(株)[10]など次々に木材業の会社を設立し、さらに1944年に坂井興業(株)を展開し運営する。1940年には、長野県の多額納税者[11]。当初資本金は18万円であった[12]が、1948年には百万円に増資している[13]
  • 1952年には、坂井興業は木材・製材業において、年販売素材4千石、板角材1万石、枕木2千石、木箱仕組板2千石を記録。また建設業において、年工事高2千7百万円の売り上げがあった[13]。本社(2821番地)以外に工場(2828番地)を持ち、主要設備として製材機11台を所有。従業員は42名[13]
  • 営業に関しては、本社・工場以外に、出張所として、長野出張所(長野市岡田町261番地)、東京出張所(東京都墨田区大平町1の12)を持ち、事業拡張を行っていた[14]
  • 1960年には、坂井興業は資本金350万円(7万株)、年施工高1億2千万円、工場主要設備も30機械、建物面積2,402平方メートルとなる成長を見せた[15]が、その後倒産。
  • 大町町会議員、大町町会議長として、入会地問題に取り組んだ[16]
  • 坂井政市は、先祖から受け継いだ地である美麻村高地の高地神社に、1943年(昭和18年)に寄進の記念碑を建てている。そこに記載されていることからわかるのは、彼が高地神社の鳥居・社名標・玉垣を寄付したことである。それらは石造(大理石)であることから今に残り、神楽殿や本殿や奥の院などの木造建物が朽ち果てた現在でも、かつての高地地区の繁栄を伝えている[17][18][19]
  • 1943年には、大町町役場建設資金の一部を寄付している[20]。また、1946年(昭和21年)には、美麻村高地分校の新築資金に対して寄付を行なっている[21]。同年12月23日に催された新築落成式の写真が、写真集『美麻村の百年』に残されている。

外部リンク

  • 国会図書館デジタル・コレクション-坂井政市
  • 国会図書館デジタル・コレクション-坂井政一

脚注

  1. ^ 美麻村地誌-国会図書館デジタルコレクション
  2. ^ 美麻村誌(民俗編)1999年(平成11年)12月20日発行デジまち2024年3月12日閲覧
  3. ^ 『信濃産業大観』(信濃毎日新聞社刊、1952年 P.392)
  4. ^ 美麻村誌(民俗編)1999年(平成11年)12月20日発行 P.111によれば、美麻村高地の保屋にて、4、5名の従業員を雇っていたとの記述がある。デジまち2024年3月12日閲覧
  5. ^ 『土木学会名簿昭和28年度版』(土木学会、1953年)建設大臣認可(ホ)No.1879
  6. ^ 『官報』(4945号、1943年7月8日)、『紺綬褒章名鑑:賞勲局資料集(昭和17年〜昭和22年)』総理府賞勲局編 1987年)
  7. ^ 『中小企業組合総覧』(全国中小企業団体中央会刊、1960年)
  8. ^ 『信毎年鑑』(信濃毎日新聞社調査出版部編、1951年)P.518
  9. ^ 『日本林材要覧昭和18年版』(林業新聞社 木材経済研究所編、1943年)
  10. ^ 『全国林材業者総覧昭和31年度版』(林材新聞社刊、1956年)
  11. ^ 『大衆人事録 第13版』帝国秘密探偵社 1940年 (長野県の項 p.11)
  12. ^ 『中部日本会社要覧』(中部経済新聞社刊、1948年)
  13. ^ a b c 信濃毎日新聞社『『信濃産業大観』』 産業編〈北安曇郡〉、1952年。https://dl.ndl.go.jp/pid/2464340/1/202 
  14. ^ 『土木学会名簿昭和34年度版』(土木学会、1959年)建設大臣認可(ホ)No.1879
  15. ^ 『帝国銀行・会社要録 第41版』帝国興信所 1960年 長野県の項10頁
  16. ^ 『信毎年鑑』(信濃毎日新聞社調査出版部編、1951年)
  17. ^ 高地神社跡訪問 大町市美麻高地 シケタのボっち探検 YouTube20240228閲覧
  18. ^ 北信州探検日記20240228閲覧
  19. ^ 美麻村誌(民俗編)1999年(平成11年)12月20日発行 P.213、デジまち2024年3月12日閲覧
  20. ^ 『官報』(4945号、1943年7月8日)
  21. ^ 『美麻村の百年 - 村制施行百周年記念写真集』記念事業実行委員会編、美麻村役場発行、1989年、p.214