池波志乃

いけなみ しの
池波 志乃
本名 中尾 志津子(なかお しずこ)
旧姓:美濃部(みのべ)
生年月日 (1955-03-12) 1955年3月12日(69歳)
出生地 東京都荒川区
国籍 日本の旗 日本
民族 日本人
血液型 A
職業 女優エッセイスト
ジャンル 映画テレビドラマ
活動期間 1974年1996年2007年
配偶者 中尾彬(1978年 ‐ )
著名な家族 5代目古今亭志ん生(祖父)
10代目金原亭馬生(父)
事務所 古舘プロジェクト
主な作品
テレビドラマ
高原へいらっしゃい』〈1976年版〉
騎馬奉行
あ・うん
映画
丑三つの村
テンプレートを表示

池波 志乃(いけなみ しの、戸籍名:中尾 志津子、旧姓:美濃部、1955年3月12日 - )は、東京都荒川区出身の女優タレントエッセイスト

有限会社オフィスSHINO代表取締役。古舘プロジェクト所属。血液型A型。俳優・中尾彬の後妻として知られる。父は10代目金原亭馬生、祖父は5代目古今亭志ん生、叔父は3代目古今亭志ん朝。甥(妹の息子)は金原亭小駒

来歴・人物

高校を中退、俳優小劇場養成所入所を経て新国劇に入団。「池波志乃」と言う芸名は新国劇の研究生当時に父馬生が名づけ、新国劇の座付作家でもあった池波正太郎の許可を得たものである[1]

大竹まこと風間杜夫と同時期に俳優小劇場の養成所に所属しており、彼らには妹のようにかわいがってもらった。彼らが養成所を辞める時に一緒に辞めようとしたが、「お前は残れ」と説得され養成所に残った。

女優としての活動は、1974年沖田総司」「鳩子の海」から本格化。妖艶で日本的、しかも婀娜な色っぽさと品格のよさを同時に押し出せる得がたい女優で主に脇役として芝居を引き締める演技・役どころをこなした。

1978年に中尾彬と結婚。夫・中尾との間に子はないが、料理(作る方も食べる方も)・美術(諸分野だが特に日本画)と共通の趣味と強い絆で結ばれた夫婦として知られる。

親族に酒豪が多かったためか、自身も酒豪であり、「女性芸能人では太地喜和子と並ぶ」と噂されたほどだった。

1982年、父が死去した時には叔父3代目古今亭志ん朝は「女優だったら泣くんじゃないよ」と言いながら迷惑をかけた兄馬生の死に志ん朝自身が泣いていた。

1983年、『丑三つの村』での大胆な演技が話題となった[2]

1990年代半ばより演劇活動に距離を置いたことを機に事実上芸能活動停止状態。これは前後して池波が急激な体重の減少で健康が優れなくなったことと、素の自己像と芝居で演じる人物像との間のギャップに苦悩し、新たな芝居の仕事を入れなくなったからとの旨を後年中尾がテレビ番組で明かした。

料理に関してはかなりの腕前で、中尾がカレーが食べたいと言えばインドカレーを作り、朝鮮料理が食べたいと言えばその料理をきちんと用意しているという。また、食卓に夕食の手書きメニューを池波が作ることでも知られる(但し、時間稼ぎのためと本人が発言している)。中尾と中尾鍋と呼ばれる白菜バラを使用した鍋料理を考案し、テレビ番組で度々紹介されている。

夫・中尾に「遊んでいきなさい」とお金を渡すことがある。これは、遊びに行って欲しくないためにあえてお金を渡している。また、中尾に「でも」「だって」と口答えはしない。中尾が怒るところを見るのが嫌なためで、逆に、ほとぼりが冷めて中尾の機嫌がいい時には笑いながら反撃する。こうした池波の人柄を、女性に厳しい意見が多いことで知られる細木数子から絶賛された。池波自身も「子供を育てることができなかったが、夫・中尾彬を育てることができた。」と語っている。

推理小説好きとしても知られ、芸能活動停止後も数多くの書評や文庫解説を記している。

現在は中尾と永年の棲家である台東区池之端の自宅で暮らす。また2001年頃からは沖縄(中尾所有のアトリエあり)にも長期滞在していた。

2006年9月フィッシャー症候群という病に倒れる。この時、「長い髪の毛はありえない」として自らの意思で丸坊主になったというエピソードがある。さらに2007年3月に中尾が急性肺炎で倒れた際、誰にも見舞いをさせなかった。これは治療・静養に専念させたかったことと芸能人として情けない姿を見せたくなかったためであるという。

近年はほとんどテレビ等出る機会がなかったが、著書「食物のある風景」プロモーションのため、2007年3月23日毎日放送の関西ローカル番組「ちちんぷいぷい」にゲストとして出演。この番組の準レギュラーでもある夫と共に久々の共演をする。その2日後には同局制作の全国ネット番組「知っとこ!」にも番組途中からゲスト出演した。

以降、テレビ出演などで、再びメディアに顔を見せている。また、最近では「オフィスShino」という会社を経営するなど実業家の顔を見せている。

若い頃は周囲からよく嵯峨美智子に似ているといわれたエピソードを、後年になってトーク番組で話していた。

アメリカのプロレス団体WWEのファン。中尾とは結婚前に「食事前に必ず直筆のお品書きを書く。」、「チャンネルを回す(リモコンでチャンネルをあわす)のは全て妻の役目とする。」、「どんなことがあっても食事は用意し、中尾が寝るまでに寝てはならず、中尾に寝顔を見せてはいけない。」等のルールがあるのだが、WWEの放送がある日にこれらの決まりごとは全て放送前に済ませ集中して見るという徹底振り。

夫婦それぞれの病気・母の死去などを経て終活に関心が向き、2013年に夫と共に遺言書を作成。中尾のデザインによる墓の建立、千葉のアトリエ(現在は更地)と沖縄のマンションの売却、大量の本・写真・衣服などの処分を行った[3]

2019年のNHK大河ドラマいだてん〜東京オリムピック噺〜』で、自らの祖母である美濃部りんの役を演じ、20年近く休業していた女優に復帰[4]

出演

映画

テレビドラマ

ほか、土曜ワイド劇場など、2時間ドラマ出演多数

バラエティ

  • 千客万来!中尾家deごはん(2020年4月5日 - 11月1日、BS-TBS)

CM

ラジオ

  • 池波志乃のおじゃまします。、池波志乃のちょっとお料理(1986年 - 1989年、ニッポン放送)

著書

  • マイク岡田熱写館1『熱い疾走 池波志乃物語』(1982年、愛宕書房)
  • 『池波志乃の 酒肴とびっきり―粋にふたり酒を楽しむ本 』(1983年12月、主婦と生活社)ISBN 9784391107210
  • 『志乃の男泣かせの一品料理 - さり気ない料理にこそ男心はしびれる』(1984年5月、実日新書)ISBN 9784408300634
  • 『いい女でいるのも肩がこる―新・女の甲斐性』(1984年11月、主婦と生活社)ISBN 9784391108149
  • 『うちの手料理―二人で楽しむ料理とお酒』(1991年、講談社、ISBN 9784062047814)*中尾彬との共著
  • 『食物のある風景』 (2007年、徳間書店、ISBN 978-4-19-862302-9、2013年5月、徳間文庫、ISBN 9784198936853)
  • 『終活夫婦』(2018年4月、講談社)ISBN 9784062210492 *中尾彬との共著

関連書籍

  • 山下勝利 著『今を盛りのいい女列伝 30代色香研究』(1983年、アシーネ、1986年6月、旺文社文庫
  • 中尾彬 著 『食魔夫婦』(1987年12月、新潮社)ISBN 9784103681014
  • 塩田丸男 著『美女・美食ばなし』(1988年11月、集英社文庫)ISBN 9784087494075
  • 一龍斎貞丈 著『貞丈のお笑い芸界銘々伝』(1990年9月、JDC)ISBN 9784890081059
  • 中尾彬 著 『カミさんの食卓』(1999年11月、朝日新聞社)ISBN 978-4022574701
  • 落語ファン倶楽部 編 『落語大看板列伝―枝雀・文治・柳昇・馬生・小さん』(2009年11月、白夜書房)ISBN 9784861915666
  • 石井徹也 編著『十代目金原亭馬生―噺と酒と江戸の粋』(2010年5月、小学館)ISBN 9784093878777
  • 『十代目 金原亭馬生 東横落語会CDブック』(2021年、小学館)ISBN 9784094801286 *解説書に三姉妹の対談有。

脚注

  1. ^ 重金敦之 (2009年12月). “朝日ビジュアルシリーズ『週刊 池波正太郎の世界』書棚と本棚 23 特別編 いつの時代にも変わらない男女の「優しさ」”. 一冊の本. 朝日新聞出版. 2019年11月15日閲覧。
  2. ^ 週刊アサヒ芸能 2012年6月28日特大号 熟裸身を堪能する映画ベスト10
  3. ^ 五十嵐佳子『表紙の人 インタビュー』主婦の友社 ゆうゆう12月号、2018年11月1日、6-9頁。 
  4. ^ “《2019年大河ドラマ》出演者発表 第3弾!そして、番組のタイトル題字はあの人に…!! いだてん 〜東京オリムピック噺(ばなし)〜”. NHKオンライン. NHK (2018年3月30日). 2018年3月30日閲覧。
  5. ^ “NHK特集 びんぼう一代~五代目 古今亭志ん生~”. NHKアーカイブス. 2021年4月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年4月10日閲覧。
  6. ^ “中尾彬&池波志乃夫妻を起用した「買取福ちゃん」 新テレビCMが放映開始!”. @Press (2021年6月23日). 2021年8月11日閲覧。

関連項目

外部リンク

典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • ISNI
  • VIAF
国立図書館
  • 日本