FIVBランキング

FIVBランキング(英語表記: FIVB World Ranking)は、国際バレーボール連盟(FIVB)が発表するランキング[1]である。

概要

FIVBや傘下にある各大陸連盟が主催・主管する世界選手権を始めとする公式競技会、オリンピックの本大会と予選トーナメント、大陸選手権並びに各大陸連盟が主催する最低4チームが参加する試合を対象に、その成績をポイント化し、大きな大会の出場国・地域を決める際の参考にする仕組みである。

シニア(成人)のランキングについては2019年1月からの試合結果を対象として2020年2月に新たな仕組みが導入された。

ランキングはシニア[2]のほかユース(U21)[3]及びジュニア(U19)[4]の3カテゴリーで集計する。若手世代は引き続き単純加点方式で算定する。

シニアランキング

2020年以降の算定方式

新しいFIVBシニアランキング(シニア)では従前の単純加点方式とポイントの有効期限を廃止し、1試合ごとに統計に基づいてポイントが変動する仕組みに改められた。計算にあたっては、次のことが考慮される。

  • 世界ランキングスコア(WRスコア)は、「イロレーティング」を応用した仕組みによりチームの現在の強さとランキングでの位置を反映する。
  • 各試合の前に、両チームのWRスコアが比較される。スコアが高いチームが強いチームとして認識されるため、対戦相手よりも優れたパフォーマンスを発揮することが期待される。
  • 両チームの現在のWRスコアに基づいて、アルゴリズムにより試合のセットカウントごとの結果6種類(勝-負:3-0/ 3-1/ 3-2/ 2-3/ 1-3及び0-3)全ての確率と予想結果を計算する。次に、試合の実際の結果が計算された予想結果と比較される。
  • チームが期待(=最も確率が高いと予想された結果)を上回るパフォーマンスを発揮した場合、チームは世界ランキングポイント(WRポイント)を獲得し、WRスコアが更新される。チームのパフォーマンスが期待より低い場合、チームはWRポイントを失う。一方のチームが獲得した(失った)ポイント数と同じポイントが、もう一方のチームでは失われる(獲得される)。
    • 実力差(試合前のWRスコアの差)によっては、3-1の勝利(敗戦)でもWRポイントを失う(獲得する)ことが有り得る。[5]
  • 実際の試合結果が予想された結果に近ければ得られる(失われる)WRポイント数は少なくなり、遠ければ得られる(失われる)WRポイント数は多くなる。
    • 1試合あたり、最大(オリンピックの場合)で+25~-25のポイントを得る(失う)。

実際の計算上の注意

FIVBは、公式サイトで計算方法を公開している。それによると、計算にあたっては以下の値が必要になる。

  • 対戦する両チームのポイント(WRスコア)。その差を8(標準スケーリング係数)で乗じ、1000で割った値が両チームの戦力差となる。
  • 過去10年間の試合結果から算定した、2つの同じ強さの対戦相手との試合結果の平均を示す正規分布のカットポイント。C1からC5までの5つの値が必要となり、C3は中央値として0となる。
    • この値が判らなければ、全ての計算が出来なくなる重要な値である。
  • 予想される試合結果の指数(SSV)。3-0の勝利を+2、3-1の勝利を+1.5、3-2の勝利を+1として、+2~-2の数値で表現される。
  • 大会により得られる(失われる)ポイントに乗じられる係数(ウェート、MWF)

これらを計算式に当て嵌め、試合結果に基づいて移動するWRスコアの値を算定する。複数スポーツが集まる大会、親善試合等はWRスコアに反映されない。

男子

2023年9月24日現在のランキング[6]
順位 変動[a] 国・地域名 ポイント
1 増減なし  ポーランド 418.42
2 増減なし  アメリカ合衆国 378.90
3 増減なし  イタリア 366.02
4 増減なし  日本 337.28
5 増減なし  ブラジル 334.34
6 増減なし  アルゼンチン 318.81
7 増減なし  フランス 306.80
8 増減なし  スロベニア 302.65
9 増減なし  セルビア 268.94
10 増減なし  オランダ 246.68
11 増減なし  イラン 243.55
12 増減なし  キューバ 209.65
13 増減なし  カナダ 197.87
14 増減なし  トルコ 195.46
15 増減なし  ウクライナ 193.73
16 増減なし  ドイツ 189.76
17 増減なし  カタール 181.45
18 増減なし  チュニジア 177.54
19 増減なし  エジプト 164.44
20 増減なし  チェコ 160.63

女子

2023年9月25日現在のランキング[7]
順位 変動[a] 国・地域名 ポイント
1 増減なし  トルコ 397.46
2 増加1  アメリカ合衆国 358.62
3 増加1  ブラジル 352.55
4 減少2  セルビア 350.86
5 増減なし  イタリア 338.97
6 増減なし  中華人民共和国 329.65
7 増減なし  ポーランド 327.89
8 増加1  ドミニカ共和国 308.86
9 減少1  日本 305.09
10 増減なし  オランダ 287.94
11 増減なし  カナダ 265.66
12 増減なし  ドイツ 228.36
13 増減なし  タイ 222.00
14 増減なし  ベルギー 199.57
15 増減なし  フランス 184.99
16 増加3  プエルトリコ 177.67
17 増減なし  アルゼンチン 177.17
18 減少2  チェコ 171.96
19 増加1  ウクライナ 171.30
20 減少2  ブルガリア 165.39

ジュニアランキング

男女20位までのランキングを記す。

男子

2017年1月現在のランキング[8]
順位 国・地域名
1 ロシアの旗 ロシア
2 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
3 中華人民共和国の旗 中国
4 ブラジルの旗 ブラジル
5 イタリアの旗 イタリア
6 トルコの旗 トルコ
7 ポーランドの旗 ポーランド
8 カナダの旗 カナダ
9 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
10 スロベニアの旗 スロベニア
11 イランの旗 イラン
11 エジプトの旗 エジプト
13 キューバの旗 キューバ
14 日本の旗 日本
15 モロッコの旗 モロッコ
15 ウクライナの旗 ウクライナ
17 フランスの旗 フランス
18 大韓民国の旗 韓国
18 コロンビアの旗 コロンビア
20 チリの旗 チリ
20 グアテマラの旗 グアテマラ

女子

2017年1月現在のランキング[9]
順位 国・地域名
1 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
2 ブラジルの旗 ブラジル
3 日本の旗 日本
4 イタリアの旗 イタリア
5 セルビアの旗 セルビア
6 ペルーの旗 ペルー
7 ロシアの旗 ロシア
8 中華人民共和国の旗 中国
9 トルコの旗 トルコ
10 エジプトの旗 エジプト
11 キューバの旗 キューバ
11 ブルガリアの旗 ブルガリア
13 プエルトリコの旗 プエルトリコ
14 チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズ・タイペイ
15 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
15 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
15 アルジェリアの旗 アルジェリア
18 メキシコの旗 メキシコ
19 タイ王国の旗 タイ
19 ケニアの旗 ケニア

ユースランキング

男女20位までのランキングを記す。

男子

2017年1月現在のランキング[10]
順位 国・地域名
1 ポーランドの旗 ポーランド
2 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
3 イランの旗 イラン
4 イタリアの旗 イタリア
5 ロシアの旗 ロシア
6 ブラジルの旗 ブラジル
7 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
8 中華人民共和国の旗 中国
9 キューバの旗 キューバ
10 トルコの旗 トルコ
11 日本の旗 日本
12 メキシコの旗 メキシコ
13 エジプトの旗 エジプト
13 ドイツの旗 ドイツ
15 チュニジアの旗 チュニジア
16 ブルガリアの旗 ブルガリア
16 チャイニーズタイペイの旗 チャイニーズ・タイペイ
18 チリの旗 チリ
19 コロンビアの旗 コロンビア
19 モロッコの旗 モロッコ

女子

2017年1月現在のランキング[11]
順位 国・地域名
1 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
2 イタリアの旗 イタリア
3 中華人民共和国の旗 中国
4 トルコの旗 トルコ
5 セルビアの旗 セルビア
6 ロシアの旗 ロシア
7 ドイツの旗 ドイツ
8 日本の旗 日本
9 ブラジルの旗 ブラジル
10 アルゼンチンの旗 アルゼンチン
11 エジプトの旗 エジプト
12 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
13 ベルギーの旗 ベルギー
14 ペルーの旗 ペルー
15 ポーランドの旗 ポーランド
16 メキシコの旗 メキシコ
16 タイ王国の旗 タイ
18 大韓民国の旗 韓国
19 マダガスカルの旗 マダガスカル
20 モーリシャスの旗 モーリシャス

大会ごとのポイント一覧

シニア(2020年1月以前の計算方法)

[12]

FIVB主催大会のポイント
最終
順位
世界選手権 WCH 夏季五輪 WC WGP WL 大陸選手権
(男) (女) (男・女) (男・女) (女) (男) (男・女)
1位 100 100 100 100 50 30
2位 90 90 90 90 45 26
3位 80 80 80 80 40 22
4位 70 70 70 70 35 18
5位 62 62 45
(5位タイ)
50 30 14
6位 56 56 40 25 10
7位 50 50 30 15 5
(7位タイ)
8位 45 45 25 12
9位 40 40 15
(9位タイ)
5 10 3
(9位タイ)
10位 36 36 5 8
11位 33 33 5
(11位タイ)
5 7
12位 30 30 5 6
13-14位 25
(13位タイ)
25
(13位タイ)
4(13位)、3(14位) 2
(13位タイ)
15-16位 2(15位)、1(16位)
17-18位 20
(17位タイ)
19-20位 20
(19位タイ)
21-22位
23-24位


FIVB主催大会(予選)のポイント
種類 世界選手権
(男・女)
夏季五輪
(男・女)
プレーオフ 10-15
3次ラウンド 12
2次ラウンド 8-11
1次ラウンド 5-8
大陸予選 1-3
世界最終予選 1-3

アンダーエイジ(ジュニア・ユース)

世界選手権及びその大陸予選
順位 ポイント
1位 100
2位 90
3位 80
4位 70
5位 60
6位 50
7位 40
8位 30
9位 25
10位 20
11位 18
12位 15

大陸選手権及びその予選
順位 ポイント
1位 30
2位 26
3位 22
4位 18
5位 14
6位 10
7-8位 5
9-12位 3
13位以下 2

ポイントの有効期限

シニア(2020年1月以前の計算方法)

ポイントの有効期限は下記の通り[13]

ジュニア・ユース

ジュニア及びユースのポイント有効期限は次の通り[15]

脚注

  1. ^ “Rankings”. www.fivb.com. 2023年9月30日閲覧。
  2. ^ volleyballworld.com. “The Official FIVB women’s Volleyball World Ranking.” (英語). volleyballworld.com. 2023年9月30日閲覧。
  3. ^ “RankingMenUnder21”. www.fivb.com. 2023年9月30日閲覧。
  4. ^ “RankingBoysUnder19”. www.fivb.com. 2023年9月30日閲覧。
  5. ^ “FIVB World Ranking - Examples”. volleyballworld.com. 2023年9月30日閲覧。
  6. ^ “The Official FIVB Men’s Volleyball World Ranking.”. FIVB. 2023年9月25日閲覧。
  7. ^ “The Official FIVB women’s Volleyball World Ranking.”. FIVB. 2023年9月25日閲覧。
  8. ^ “FIVB World Ranking - Men U21”. FIVB. 2017年7月26日閲覧。
  9. ^ “FIVB World Ranking - Women U20”. FIVB. 2017年7月26日閲覧。
  10. ^ “FIVB World Ranking - Boys U19”. FIVB. 2017年7月26日閲覧。
  11. ^ “FIVB World Ranking - Girls U18”. FIVB. 2017年7月26日閲覧。
  12. ^ FIVB公式サイト - FIVB VOLLEYBALL WORLD RANKINGS(英語)
  13. ^ 日本バレーボール協会. “FIVB世界ランキング算出システム”. 2014年7月22日閲覧。
  14. ^ a b c ただし本戦の出場権を得た場合には、ポイントは加算されない。
  15. ^ FIVB. “FIVB VOLLEYBALL WORLD RANKINGS”. 2014年10月19日閲覧。

関連項目

外部リンク

  • FIVB公式サイト - FIVB VOLLEYBALL WORLD RANKINGS(英語)
  • JVA公式サイト - FIVB世界ランキング
  • Stay Foolish - (旧)FIVBランキングについてまとめてみる
世界 (FIVB)
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