W-ZERO3

ウィルコム W-ZERO3 (WS003SH/WS004SH)
W-ZERO3 (WS004SH) ガンメタリック
キャリア ウィルコム
製造 シャープ
発売日 2005年12月14日(WS003SH)
2006年6月22日(WS004SH)
概要
OS Windows Mobile 5.0 for Pocket PC
CPU インテル PXA270 プロセッサ 416MHz
音声通信方式 W-SIMに依存
データ通信方式 W-SIMに依存、またはIEEE 802.11b
形状 スライド式
サイズ 130 × 70 × 26 mm
質量 220 g
連続通話時間 5時間
連続待受時間 200時間
充電時間 3.5時間
内部メモリ フラッシュメモリ(データフォルダ)
SDRAM 64MB
外部メモリ miniSD
日本語入力 Microsoft IME
赤外線通信機能 なし
Bluetooth なし
メインディスプレイ
方式 タッチパネルモバイルASV液晶
解像度 640×480(VGA) 216ppi
サイズ 3.7インチ
表示色数 65536色
サブディスプレイ
なし
メインカメラ
画素数・方式 約133万画素CMOS
サブカメラ
なし
カラーバリエーション
ブラック
(WS003SH)
シャンパンシルバー
(WS003SH)
ガンメタリック
(WS004SH)
パールホワイト
(WS004SH)
■テンプレート / ■ノート
■ウィキプロジェクト

W-ZERO3(ダブリュー・ゼロスリー)はシャープウィルコム(現:ワイモバイル)・マイクロソフトの3社が共同開発し、ウィルコム向けに供給された携帯情報端末(PDA)、スマートフォンPHS。また、そのシリーズ機やシリーズ全般を指す場合もある。

本稿では主に、大型の液晶を搭載した狭義でのW-ZERO3(WS003SH,WS004SH)について解説する。

シリーズ機として他に、ダイヤルキーを搭載し小型化したW-ZERO3 [es](WS007SH)、及びその後継機Advanced/W-ZERO3 [es](WS011SH)、Advanced/W-ZERO3 [es]の後継機WILLCOM 03(WS020SH)などがある。これらについては各記事を参照のこと。

概要

名前の由来は、「W」はウィルコムの英語表記「WILLCOM」、搭載OSである「Windows Mobile」、 無線LANとPHS端末機能を表す「Wireless」のそれぞれの頭文字を、「ZERO」は携帯電話PCも超えた新たなものを作り上げていくという意味を、「3」は「第3のコミュニケーションと、PHS通信、PHSボイス、無線LANという3WAYコミュニケーション」の意味で名づけられた。

iPhone登場前の時代、従来型の携帯電話がシェアの殆どを占める中、異色の携帯電話として注目された。

基本的にはPocket PCの後継OSであるWindows Mobileを搭載したPDAである。また、通信機能を内蔵したスマートフォンでもあり、PHS端末としての音声通話機能、Eメール送受信機能やライトメール機能も併せ持っている。また、NetBSDが移植[1]されている。

PDAとしての大きな特徴として、タッチパネル液晶画面の他、入力デバイスとしてバネ付きスライド機構のQWERTY配列キーボードを搭載している。通常、キーボードは本体下部に格納されており、下部を右にずらすことで現れる。また、Microsoft ActiveSyncを使ってパソコンとデータを同期することができる。

主な通信機能はW-SIMおよび内蔵型無線LANIEEE 802.11b準拠)によって提供される。付属のUSBケーブルを用いてパソコン本体と接続することにより、W-ZERO3をモデムとして利用することも可能。

ブラウザはInternet Explorer Mobileがプリインストールされているほか、ウィルコムの公式ポータルサイトであるCLUB AIR-EDGEより、Opera for W-ZERO3が無償で提供されている。また、Microsoft Office Mobileがプリインストールされており、データの閲覧だけでなく編集も可能である。

そのほかにも、個人・企業で開発されているWindows Mobile対応アプリケーションをAIR-EDGEやPC経由でインストールすることができ、自分好みの仕様にすることも可能である。このようなソフトウェア面でのカスタマイズの自由さも、W-ZERO3の人気の理由のひとつであった。

時代に先駆けたスマートフォンであったが、更に洗練されたiPhoneが発売されると、W-ZERO3は時代遅れとなった。

端末

WS003SH

2005年12月14日発売。初代W-ZERO3。キーボード搭載のスマートフォンとして、その発表と同時に注目を集めた。シャープ製端末はDDIポケット時代には供給実績が無く、ウィルコム初である。予約受付開始日には店頭に200人以上が並び[2]、予約で初回出荷分が満了するなど、発売即日に完売する店舗が続出した。ウィルコムストアも注文が殺到したためにサーバが異常に繋がりにくくなり、抽選販売が行われる[3]など、長らく低迷が伝えられていたPDA業界では久々のスマッシュヒットとなる機種となった。発売後6か月足らずで販売台数15万台を達成した[4]。設定カラーは当初「ブラック」(B)のみで、2006年3月に「シャンパンシルバー」(S)が追加発売された。

WS004SH

2006年6月22日発売。ブランドはWS003SHと同じW-ZERO3。WS003SHのハイスペック版として、内蔵フラッシュメモリを256MBに増強し、Windows Mobile 5.0の最新版のセキュリティ関連のアップデートが加えられた。そのほか電子辞書ソフトウェアの「DicLand」をプリインストールし、Eメールや、ライトメール用のアプリケーションが改良されたモデル。設定カラーはガンメタリック、パールホワイトの2色である。

WS007SH

2006年7月27日発売。ブランドはW-ZERO3 [es](ダブリュ・ゼロスリー・エス)。液晶のサイズを2.8インチに抑えると共にダイヤルキーを搭載し、スタイルもより携帯電話に近い物としたモデル。

詳細は「WS007SH」を参照

WS011SH

2007年7月19日発売。ブランドはAdvanced/W-ZERO3[es](アドバンスト・ダブリュ・ゼロスリー・エス、略称「アドエス」)。Windows Mobile 6.0搭載、WS007SHの後継機として液晶の大型化しつつ筐体の小型化、WS007SHで省かれた無線LAN機能が復活、Xcrawl(エクスクロール)、赤外線通信などの新たな機能が追加されたモデル。

詳細は「WS011SH」を参照

WS020SH

2008年6月27日発売。ブランドはWILLCOM 03(ウィルコム ゼロスリー)。Windows Mobile 6.1搭載、WS011SHの後継機として全長の小型化、ワンセグチューナーやBluetoothの追加、メインカメラの高画素化、イルミネーションキーの採用といった改良が加えられているモデル。

詳細は「WS020SH」を参照

WS027SH

2010年1月28日発売。ブランドはHYBRID W-ZERO3(ハイブリッド・ダブリュ・ゼロスリー)。Windows Mobile 6.5搭載、「W-OAM typeG」対応W-SIMと「W-CDMA(3.5G)」(WILLCOM CORE 3G)対応によるデータ通信に両対応している。また、PHS方式W-SIMモジュールを抜いてサードパーティオプションのGSM方式W-SIMモジュールを刺すことで海外のGSM方式エリアでの通信も利用できる。GSM用のSIMカードスロットは本体側に用意してある。

詳細は「WS027SH」を参照

各機種の比較

機種名 W-ZERO3 W-ZERO3 [es] Advanced /
W-ZERO3 [es]
WILLCOM 03 HYBRID
W-ZERO3
WS003SH WS004SH WS007SH WS011SH WS020SH WS027SH
発売日 2005年
12月14日
2006年
6月22日
2006年7月27日 2007年7月19日 2008年6月27日 2010年1月28日
OS Windows Mobile 5.0[※ 1] Windows
Mobile 6[※ 2]
Windows
Mobile 6.1[※ 3]
Windows
Mobile 6.5[※ 4]
CPU Intel PXA270 416MHz Marvell PXA270 520MHz Qualcomm MSM7200A、
ARM11 528MHz
画面 種類 モバイルASV液晶タッチパネル、バックライト付)
解像度 640×480ドット 800×480ドット 480×800ドット 480×854ドット
大きさ 3.7 2.8型 3型 3.5型
色数 65,536色 262,144色
FlashROM 合計 128MB 256MB 128MB 256MB 512MB
ユーザーエリア 不明 197MB[※ 5] 60MB 155MB[※ 6] 135MB[※ 7] 不明
SDRAM(ワークエリア) 64MB 128MB 256MB
通信機能 PHS W-SIM W-OAM対応W-SIM W-OAM typeG対応W-SIM
ワイヤレスLAN IEEE802.11b - IEEE802.11b/g
赤外線通信 - IrDA1.2/IrMC1.1/IrSS IrDA1.2 /IrMC1.1
Bluetooth - Bluetooth 2.0
W-CDMA - W-CDMA
800/2100MHz、
HSDPA 7.2Mbps、
HSUPA 5.7Mbps、
カードスロット miniSDカードスロット microSDカードスロット
W-SIMスロット
- FOMAカードスロット
接続端子 USB端子
(miniBコネクター)
USB端子
(miniABコネクター)
USB端子
(microABコネクター)
イヤホンマイク端子(平型)
- 赤外線通信ポート
- 卓上ホルダ
接続端子
-
電源 リチウムイオン充電池、ACアダプター
連続通話時間 5時間 7時間 6時間 5時間
連続待受時間 200時間[※ 8] 500時間[※ 8]
300時間[※ 9]
420時間[※ 8]
250時間[※ 9]
400時間[※ 10]
200時間[※ 11]
テレビ機能 - ワンセグ -
カメラ有効画素数 133万画素 131万画素 200万画素[※ 12] 500万画素[※ 13]
日本語入力システム Microsoft IME Microsoft IME、ATOK Microsoft IME、
ケータイShoin[※ 14]
Microsoft IME、
ケータイShoin[※ 15]
外形寸法(本体閉時、
突起部除く/最薄部)
70×130×26mm 56×135×21mm 50×135×17.9mm 50×116×17.9mm 53×120×16.9mm
質量(充電池含む) 220g[※ 16] 175g[※ 16] 157g 135g 158g
  1. ^ Microsoft Windows Mobile 5.0 software for Pocket PC 日本語版
  2. ^ Microsoft Windows Mobile 6 Classic 日本語版
  3. ^ Microsoft Windows Mobile 6.1 Classic 日本語版
  4. ^ Microsoft Windows Mobile 6.5 Professional 日本語版
  5. ^ 出荷時の空き容量は169MB
  6. ^ 出荷時の空き容量は107MB
  7. ^ 出荷時の空き容量は60MB
  8. ^ a b c 電波状態ランプ消灯時
  9. ^ a b 電波状態ランプ点灯時
  10. ^ W-CDMA OFF時
  11. ^ W-CDMA ON時
  12. ^ オートフォーカス付
  13. ^ 手ブレ補正、オートフォーカス対応
  14. ^ ケータイShoin6 for WS020SH
  15. ^ ケータイShoin for WS027SH
  16. ^ a b スタイラス含む

関連項目

脚注

  1. ^ “NetBSD/hpcarm News”. 2020年9月30日閲覧。
  2. ^ ITmedia +D モバイル:「W-ZERO3」予約に行列、200人
  3. ^ ITmedia +D モバイル:「W-ZERO3」予約でウィルコムストアがパンク
  4. ^ W-ZERO3の販売台数は15万台、夏モデルは別の機会に - ケータイWatch

外部リンク

  • W-ZERO3シリーズ公式サイト (シャープ)
  • WS003SH(ウィルコム)
  • WS004SH(ウィルコム)
  • WS007SH(ウィルコム)
  • WS011SH(ウィルコム)
  • WS020SH(ウィルコム)
  • WS027SH(ウィルコム)
WILLCOMの通信端末
WILLCOM CORE XGP
WILLCOM CORE 3G
(FOMAハイスピード網)
WILLCOM CORE 3G
(3G ハイスピード網)
WILLCOM CORE 3G
(ULTRA SPEED網)
WILLCOM CORE 3G
(3G音声通話対応のULTRA SPEED網)
WILLCOM CORE 3G
(ULTRA SPEED網およびAXGP対応端末)
データ通信端末
TWO LINK DATA専用データ端末
音声端末(2004年以前)
  • RZ-J90
  • KX-HS100
  • KX-HS110
  • PS-C1
  • PS-C2
  • DL-B01
  • DL-M10
音声端末(2005年~2011年)
音声端末(2011年以降)
  • WX01NX
  • TWX01NX-DE
  • WX01TJ
安心だフォン
  • KX-AP201
  • AP-K302
  • AP-K303
  • WX01A
その他モジュール系端末
  • WX04A
  • WX07A
W-SIM
  • RX410IN
  • RX420AL
  • RX420IN
  • RX430AL
W-SIM STYLE:
(ウィルコムブランド)
W-SIM STYLE:
(その他)
  • つないでイーサ / OSX-1
  • みっけ! GPS
  • NS001U
  • CM-G100
端末納入メーカー
エイビット (ALおよびA)
バンダイ (B)
バッファロー (BF)
デル (DL)
ハギワラシスコム (HA)
華為技術日本 (HW)
本多エレクトロン→ネットインデックス (H→INおよびNX)
日本無線 (JおよびJR)
京セラ (KおよびKR)
ケーイーエス→アスモ→ネットインデックス(KE)
九州松下電器→パナソニック コミュニケーションズ→パナソニック システムネットワークス (KX)
NECインフロンティア (N)
セイコーインスツル (S)
三洋電機 (SA)
シャープ (SH)
東芝 (T)
テクニッコジャパン→TJC(TJ)
ユーティースターコムジャパン (UT)
ZTEジャパン (ZTおよびZ)
 
富士通 (F)
HTC (HT)

hTc Z - HT1100 - HT-01A(HTC Touch Pro) - HT-02A(HTC Touch Diamond)

NEC (N)
東芝 (T)

T-01A(dynapocket) - T-01B(dynapocket)

サムスン電子 (SC)
オプトエレクトロニクス
 
HTC (HT)

E30HT(HTC Touch Pro)

東芝/富士通東芝→富士通モバイル (T/TS)

IS02(TSI01・dynapocket)- IS12T(TSI12・Windows Phone) - E31T(ビジネスケータイ)

 
HTC (HT)

SoftBank X01HT - SoftBank X02HT - SoftBank X03HT - SoftBank X04HT(HTC Touch Diamond) - SoftBank X05HT(HTC Touch Pro)

東芝 (T)

SoftBank X01T - SoftBank X02T(dynapocket)

 
シャープ

EM・ONE(S01SH) - S01SHII

HTC (HT)

EMONSTER - S12HT - S21HT(HTC Touch Diamond) - S22HT

 
シャープ

WS003SH - WS004SH - WS007SH - WS011SH - WS020SH - WS027SH

東芝
 
日本国外の携帯電話会社から提供される端末
サムスン電子
HTC (HT)
ソニー・エリクソン

Xperia X1 - Xperia X2

 
携帯電話会社から提供されない端末
デジタルオーディオプレーヤー
デジタルメディアプレーヤー
マイクロソフト
スマートフォン
サードウェーブ

Diginnos Mobile DG-W10M

ジェネシス

WPJ40-10

トリニティ

NuAns NEO

パナソニック

TOUGHPAD FZ-E1

ヒューレット・パッカード

HP Elite x3

プラスワン・マーケティング

KATANA 01 - KATANA 02

マウスコンピューター
ヤマダ電機

EveryPhone

VAIO

VAIO Phone Biz

PDA
カシオ

カシオペア

コンパック/ヒューレット・パッカード
東芝
NEC
ゲーム機
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