ウラシル

ウラシル
ウラシル
(ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン)
一般情報
IUPAC名 ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン
分子式 C4H4N2O2
分子量 112.09
形状 無色固体
CAS登録番号 [66-22-8]
性質
融点 335 °C(分解)
pKa 9.38

ウラシル (uracil) はリボ核酸を構成している 4種類の主な塩基のうちのひとつ。ピリミジン塩基である。IUPAC名ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン (pyrimidin-2,4(1H,3H)-dione)。分子量は 112.09、CAS登録番号は [66-22-8]。右図の構造のほか、互変異体として、ヒドロキシピリミジノン構造、2,4-ジヒドロキシピリミジン構造をとることができる。

ウラシルから誘導されるヌクレオシドウリジンである。二本鎖リボ核酸ではアデニンと2つの水素結合を介して塩基対を形成している。塩基配列では U と略記される。

核酸を構成する 5種類の主な塩基(ウラシル、アデニングアニンシトシンチミン)のうち、ウラシルはリボ核酸 (RNA) 中に主に存在し、デオキシリボ核酸 (DNA) にはほとんど存在しない。DNA 中ではウラシルの代わりに、5位にメチル基が置換したチミンが存在している。

ウラシルの 5位にフッ素が導入されたフルオロウラシル (5-FU) は抗がん剤として使われている。

関連物質

核酸の構成要素
核酸塩基

プリン (アデニングアニン、プリン類縁体) · ピリミジン (ウラシル、チミンシトシン、ピリミジン類縁体)

ヌクレオシド
リボヌクレオシド
デオキシリボヌクレオシド
ヌクレオチド
(ヌクレオシド一リン酸)
リボヌクレオチド

AMPGMP、m5UMP、UMPCMP

デオキシリボヌクレオチド

dAMPdGMPdTMPdUMPdCMP

環状ヌクレオチド

cAMPcGMP、c-di-GMP、cADPR

ヌクレオシド二リン酸

ADPGDP、m5UDP、UDPCDP  · dADPdGDPdTDP、dUDP、dCDP

ヌクレオシド三リン酸

ATPGTP、m5UTP、UTPCTP  · dATPdGTPdTTP、dUTP、dCTP

プリン代謝
同化

R5PIMP: R5P · PRPP · PRA · GAR · FGAR · FGAM · AIR · CAIR · SAICAR · AICAR · FAICAR

IMP→AMP: アデニロコハク酸

IMP→GMP: キサンチル酸

異化
ピリミジン代謝
同化

カルバモイルリン酸 · カルバモイルアスパラギン酸 · 4,5-ジヒドロオロト酸 · オロト酸 · オロチジン-5'-一リン酸 · ウリジル酸

異化

ウラシル: ジヒドロウラシル · 3-ウレイドプロピオン酸 · β-アラニン
チミン: ジヒドロチミン · β-ウレイドイソ酪酸 · 3-アミノイソ酪酸

典拠管理データベース: 国立図書館 ウィキデータを編集
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