クルードラゴン・レジリエンス

「レジリエンス」
Crew-1に向けてB1061と組み合わされる「レジリエンス」
種類 有人宇宙カプセル
種別 ドラゴン2
開発者 スペースX
製造番号 C207
飛行履歴
最初の飛行 スペースX Crew-1
2020年11月16日(UTC[1]
打ち上げ場所 ケネディ宇宙センターLC-39A
ISS dockings 2回[注釈 1]
状態 改修に向けて待機中
C208(英語版) »

クルードラゴン「レジリエンス」 (ドラゴン C207)はスペースXによって製造されたクルードラゴン宇宙機で、NASA商業乗員輸送プログラム(英語版)の下で製造された。2020年11月、同機はCrew-1ミッションの一部として、国際宇宙ステーションへの軌道へと打ち上げられた。クルーの指示によって、「レジリエンス」は2020年11月17日04:01 UTCに自律的にステーションにドッキングし、初めての実運用でのクルードラゴンのドッキングと、商業乗員輸送プログラムでのドッキングを成し遂げた。このミッションでは、すでにステーションにいた3名に加わる4名の第64次長期滞在メンバーを輸送した[1][2]

「レジリエンス」は2021年5月2日のCrew-1ミッションの完了に伴って地球に帰還し、2021年9月16日に打ち上げられるインスピレーション4ミッションに向けて改修作業が開始された[3][4][5]

来歴

当初、クルードラゴンC207は、Crew-1ミッションの後に飛行する予定だったが、クルードラゴンの飛行中脱出テスト(英語版)で再飛行する予定だったC204カプセル(英語版)が、スタティックファイアテスト中の異常によって破壊されたことから、Crew-1ミッションに割り当てられた[6]Demo-2ミッションで使用される予定だったC205宇宙機(英語版)は、破壊された宇宙機に替わって飛行中脱出テストで使用された。Crew-1ミッションで使用される予定だったC206がDemo-2ミッションに振り替えられた。

2020年5月1日、スペースXはC207宇宙機が製造中であり、宇宙飛行士も訓練課程にあると述べた[7]。クルードラゴンC207は2020年8月18日にフロリダにあるスペースXの処理施設に到着した[8][9]

2020年9月29日のNASAでの記者会見で、ミッションコマンダーのマイケル・ホプキンス(英語版)はC207が「レジリエンス」と名付けられたことを明らかにした[10]。トランク(非与圧の貨物収納部)は2020年10月2日にケープ・カナベラルでカプセルに取り付けられ、固定された[11]

「レジリエンス」の1回目の打ち上げは、ケネディ宇宙センターLC-39Aで2020年11月16日(UTC)にファルコン9に搭載されて行われ、6か月間のミッションに向けてNASAの宇宙飛行士マイケル・ホプキンス(英語版)ヴィクター・グローヴァー(英語版)シャノン・ウォーカーJAXAの宇宙飛行士野口聡一を国際宇宙ステーションへ輸送した[1]

通常は国際宇宙ステーションへのドッキングに使用される国際標準ドッキング機構インスピレーション4ミッションに向けてPMMA製のドーム型窓にに置き換えられた。これによってISSのキューポラモジュール同様に宇宙および地球の360度の展望を得ることができる[12]

飛行

ミッション パッチ 打ち上げ日時 (UTC) 着陸日時 (UTC) クルー 期間 要約 結果
Crew-1 2020年11月16日 00:27:17[1] 2021年5月2日 06:56:33[13]
167日間 長期ミッション:完了。第64次/第65次長期滞在の4人のクルーをISSへ輸送。クルードラゴンおよび商業乗員輸送プログラムの初の実運用飛行。 成功
インスピレーション4 2021年9月16日[14] 00:02:56 2021年9月18日 23:07
  • アメリカ合衆国の旗 ジャレッド・アイザックマン(英語版)
  • アメリカ合衆国の旗 シアン・プロクター(英語版)
  • アメリカ合衆国の旗 ヘイリー・アルセノー(英語版)
  • アメリカ合衆国の旗 クリストファー・センブロスキ(英語版)
3日間[15] セント・ジュード・チルドレンズ・リサーチ病院(英語版)の資金を調達するためにジャレッド・アイザックマン(英語版)が契約した宇宙旅行ミッション。スペースXによって打ち上げられた、初めての全員が民間人の宇宙飛行[14] 成功

関連項目

  • CST-100:ボーイングスターライナー

注釈

  1. ^ ISSの1つのドッキングポートから別のポートへの移動を含む

脚注

  1. ^ a b c d Corbett, Tobias; Barker, Nathan (2020年11月15日). “With Resilience, NASA and SpaceX begin operational Commercial Crew flights”. NASASpaceFlight.com. https://www.nasaspaceflight.com/2020/11/crew1-launch/ 
  2. ^ “Commercial Crew Program status”. NASA. (2020年11月16日). https://blogs.nasa.gov/commercialcrew/   この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  3. ^ Chang, Kenneth (2021年5月2日). “スペースX Makes First Nighttime Splashdown With Astronauts Since 1968” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2021/05/02/science/spacex-nasa-landing.html 2021年9月12日閲覧。 
  4. ^ “twitter.com/inspiration4x/status/1436353258726035462” (英語). Twitter. 2021年9月12日閲覧。
  5. ^ “スペースX prepares to send first all-civilian crew into orbit” (英語). Reuters (2021年9月13日). 2021年9月17日閲覧。
  6. ^ Gebhardt, Christ (2019年5月29日). “NASA briefly updates status of Crew Dragon anomaly, スペースX test schedule”. NASASpaceFlight.com. 2020年6月11日閲覧。
  7. ^ @スペースX (2020年5月1日). "Once Demo-2 is complete, and the スペースX and NASA teams have reviewed all the data for certification, スペースX will launch Crew Dragon's first six-month operational mission (Crew-1) later this year. The Crew-1 spacecraft is in production and astronaut training is well underway". X(旧Twitter)より2020年6月11日閲覧
  8. ^ Groh, Jamie (2020年8月23日). “SpaceX Crew Dragon capsule arrives in Florida for next NASA astronaut launch”. teslarati.com. Teslarati. 2020年8月24日閲覧。
  9. ^ Sempsrott, Danielle (2020年8月21日). “Preparations Continue for SpaceX First Operational Flight with Astronauts”. blogs.nasa.gov. NASA. 2020年8月24日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  10. ^ @ChrisG_NSF (2020年9月29日). "Crew-1 has named their Dragon..." X(旧Twitter)より2021年9月28日閲覧
  11. ^ “NASA, SpaceX Crew-1 Launch Update”. blogs.nasa.gov. NASA. 2020年10月10日閲覧。  この記述には、アメリカ合衆国内でパブリックドメインとなっている記述を含む。
  12. ^ Howell, Elizabeth (2021年3月30日). “SpaceX's Dragon spaceship is getting the ultimate window for private Inspiration4 spaceflight”. space.com. https://www.space.com/spacex-crew-dragon-cupola-window-inspiration4 2021年7月8日閲覧。 
  13. ^ “Crew-1 Makes Nighttime Splashdown, Ends Mission”. NASA (2021年5月2日). 2021年5月2日閲覧。
  14. ^ a b “SpaceX announces first "free flyer" human spaceflight”. Ars Technica (2021年2月1日). 2021年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月1日閲覧。
  15. ^ “To Get on This SpaceX Flight, You Don't Have to Be Rich, Just Lucky” (2021年2月1日). 2021年2月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年2月1日閲覧。

外部リンク

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