駐日ドイツ大使館

駐日ドイツ連邦共和国大使館
Deutsche Botschaft Tokio
地図
所在地日本の旗 日本
住所東京都港区南麻布4丁目5番地10号
座標北緯35度39分2.9秒 東経139度43分30.8秒 / 北緯35.650806度 東経139.725222度 / 35.650806; 139.725222座標: 北緯35度39分2.9秒 東経139度43分30.8秒 / 北緯35.650806度 東経139.725222度 / 35.650806; 139.725222
大使クレーメンス・フォン・ゲッツェ
ウェブサイト駐日ドイツ連邦共和国大使館
駐日ドイツ大使館の管轄区域(赤)/在大阪・神戸ドイツ総領事館の管轄区域(緑)

駐日ドイツ大使館(ちゅうにちドイツたいしかん、ドイツ語: Deutsche Botschaft Tokio)は、ドイツ連邦共和国日本に設置している大使館である。

ドイツ国旗
ドイツ大使館表札と掲示板
ドイツ大使館と有栖川宮記念公園
ドイツ大使公邸は大使館の高台にある
ドイツ大使公邸表札

詳細

2021年10月21日より、クレーメンス・フォン・ゲッツェ特命全権大使を務めている[1]

北海道東北地方関東甲信越・静岡県を管轄する(西日本大阪の大阪・神戸総領事館が管轄している)。敷地内には大使館と総領事館が設置されており、小中学生を対象にした絵画コンテストや修学旅行生の大使館訪問の受け入れなど、様々な活動を行っている。

歴史

設立

1863年1月に横浜市に設けられ、その後1865年に現在の東京都港区高輪に移設した。当時は公使館であり、1897年ジョサイア・コンドルの設計で千代田区に移され、現在の国立国会図書館東京本館の位置にあった。

両大戦間

1914年から始まった第一次世界大戦時には、後の日独開戦時に国交断絶により閉鎖された館員は抑留されたものの、ドイツの敗北により終結し、戦後まもなく再開した。

その後、1933年政権を獲得したナチ党ヨアヒム・フォン・リッベントロップ外相は、日本との連携を重視し、1936年には日独防共協定を結んだ上、第二次世界大戦に突入した後の1940年には、日独伊三国同盟を締結したことで、ますます関係が密接化していった。そのような中でヘルベルト・フォン・ディルクセンやオイゲン・オットが駐日大使を務めた。

オット大使は「フランクフルター・ツァイトゥング」の特派員で、ナチ党員のリヒャルト・ゾルゲを私的(その後公的)顧問としていたが、1941年10月に所謂「ゾルゲ事件」でゾルゲが逮捕された後、1942年11月に大使を解任された。

再度の閉鎖

日本が太平洋戦争に突入した後、1944年夏まで東京で活動していたが、連合軍の空襲の可能性が出てきたことにより、一部の通信班を残してハインリヒ・ゲオルク・スターマー大使らは、足柄下郡箱根町宮ノ下の富士屋ホテルに、残りは河口湖畔の富士ビューホテルと[2]世田谷区成城に分離疎開した[3]

1945年4月30日アドルフ・ヒトラー自殺に際して、都内に残った大使館員は、恐らく世界の公的機関として唯一の追悼式を行い、ヒトラーの死を悼んだが、当時の日本政府の反応は冷淡で、外務省の儀典課長を参列させたのみで、弔電や半旗の掲揚などは行わなかった[4]。その後5月9日フレンスブルク政府が無条件降伏し、連合国によって行われたベルリン宣言により、ドイツに中央政府は存在せず、全土が連合国の統治下に入る旨が決定した。

降伏から1か月後の6月8日、日本政府は「ドイツ政府はもはや存在しない」として、ドイツ大使館並びにドイツ領事館の職務執行停止を正式に通告した[5]ことで、駐日ドイツ大使及び外交官としての地位を喪失した。なおこの際に日本政府は「独逸国大使」のスターマー宛に、5月25日東京大空襲で焼失した[6]旧ドイツ大使館の跡地を外務省の管理下に移すことを通知している[7]

その後スターマー大使以下旧大使館員は、富士屋ホテルと河口湖に全員軟禁されたが、旧大使館付警察武官兼SD代表のヨーゼフ・マイジンガーは、この様な状況にも拘らず、反ナチ的な活動をする旧大使館員の動向を特高に伝えるなどしたため、フランツ・クラブフ(ドイツ語版)ら旧大使館員たちは、もはや法的な根拠のないマイジンガーの行動を停止させようとして、日本の外務省に抗議した[4][8]。しかしマイジンガーは特高との個人的関係で動いており、外務省の管轄外であった。

分裂と再統一

8月15日に日本も降伏し、第二次世界大戦が終結、マイジンガーは河口湖で連合国により逮捕された。1946年に入ると旧大使館員は連合国によってドイツに戻された。

大戦後のドイツ分裂を受け、その後の日本と西ドイツ東ドイツとの国交樹立以降は、両国の大使館に別れた(東ドイツ大使館は港区赤坂に設けられた)。しかし1990年ドイツ再統一以降は、東ドイツ大使館を吸収する形で「再統一」された。

所在地

脚注

  1. ^ 駐日ドイツ大使の信任状捧呈 | 外務省
  2. ^ 荒井訓 & 2010-3, p. 271.
  3. ^ エルヴィン・リッケルト『戦時下のドイツ大使館』中央公論社、1998年
  4. ^ a b 『戦時下のドイツ大使館』P.159 エルヴィン・リッケルト 中央公論社
  5. ^ 「21.独逸大使館及領事館職務執行停止ニ関スル件」 アジア歴史資料センター Ref.B14090613800 
  6. ^ ドイツ連邦共和国大使館 建物と庭園
  7. ^ 「20.独逸国大使館防空壕及大使館焼跡ニ関スル件」 アジア歴史資料センター Ref.B14090613700 
  8. ^ 荒井訓「終戦前滞日ドイツ人の体験(2) : 「終戦前滞日ドイツ人メモワール聞取り調査」」『文化論集』第16巻、早稲田商学同攻會、2000年3月、288頁、ISSN 0918-4589。 

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、駐日ドイツ大使館に関連するカテゴリがあります。
  • 駐日ドイツ大使館(日本語)(ドイツ語)
  • 駐日ドイツ大使館 (@germanyinjapan) - X(旧Twitter)
  • “ドイツ連邦共和国大使館 建物と庭園” (PDF). 在日ドイツ連邦共和国大使館 (2013年3月). 2017年9月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年8月16日閲覧。(日本語)
  • Young Germany Japan − ドイツ発ライフスタイル・ガイド by ドイツ大使館
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