1989年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月3日に開幕した。アメリカンリーグの第21回リーグチャンピオンシップシリーズ(英語: 21st American League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、同日から8日にかけて計5試合が開催された。その結果、オークランド・アスレチックス(西地区)がトロント・ブルージェイズ(東地区)を4勝1敗で下し、2年連続14回目のリーグ優勝および13回目のワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、アスレチックスが7勝5敗と勝ち越していた[1]。この年途中、ブルージェイズは本拠地球場をエキシビション・スタジアムからスカイドームへ移している。今シリーズ第3戦は球場史上初めてのポストシーズン試合であり[2]、開催都市の歴史上最多の観客を集めた野球の試合となった[3]。この試合はブルージェイズが勝利したものの、他の試合は全てアスレチックスが制した。シリーズMVPには、第2戦で4盗塁を決め第4戦で2点本塁打を2本放つなど、5試合で打率.400・2本塁打・5打点・OPS 1.609・8盗塁という成績を残したアスレチックスのリッキー・ヘンダーソンが選出された。1シリーズ8盗塁はポストシーズン新記録である[注 1][4]。このあとアスレチックスは、ワールドシリーズでもナショナルリーグ王者サンフランシスコ・ジャイアンツを4勝0敗で下し、15年ぶり9度目の優勝を成し遂げた。
試合結果
1989年のアメリカンリーグ優勝決定戦は10月3日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月03日(火) | 第1戦 | トロント・ブルージェイズ | 3-7 | オークランド・アスレチックス | オークランド・アラメダ・ カウンティ・コロシアム | |
10月04日(水) | 第2戦 | トロント・ブルージェイズ | 3-6 | オークランド・アスレチックス |
10月05日(木) | | 移動日 | |
10月06日(金) | 第3戦 | オークランド・アスレチックス | 3-7 | トロント・ブルージェイズ | スカイドーム |
10月07日(土) | 第4戦 | オークランド・アスレチックス | 6-5 | トロント・ブルージェイズ |
10月08日(日) | 第5戦 | オークランド・アスレチックス | 4-3 | トロント・ブルージェイズ |
優勝:オークランド・アスレチックス(4勝1敗 / 2年連続14度目) |
第1戦 10月3日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
トロント・ブルージェイズ | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 1 |
オークランド・アスレチックス | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 2 | X | 7 | 11 | 0 |
- 勝:デーブ・スチュワート(1勝) 敗:デーブ・スティーブ(1敗)
- 本塁打
TOR:アーニー・ウィット1号ソロ
OAK:デーブ・ヘンダーソン1号ソロ、マーク・マグワイア1号ソロ - 審判
[球審]デーブ・フィリップス
[塁審]一塁: ダン・モリソン、二塁: デイル・フォード、三塁: デリル・カズンズ
[外審]左翼: リック・リード、右翼: スティーブ・パレルモ - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後5時26分 試合時間: 2時間52分 観客: 4万9435人 気温: 65°F(18.3°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第2戦 10月4日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
トロント・ブルージェイズ | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | 5 | 1 |
オークランド・アスレチックス | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 3 | 1 | 0 | X | 6 | 9 | 1 |
- 勝:マイク・ムーア(1勝) 敗:トッド・ストットルマイヤー(1敗) S:デニス・エカーズリー(1S)
- 本塁打
OAK:デーブ・パーカー1号ソロ - 審判
[球審]ダン・モリソン
[塁審]一塁: デイル・フォード、二塁: デリル・カズンズ、三塁: リック・リード
[外審]左翼: スティーブ・パレルモ、右翼: デーブ・フィリップス - 試合開始時刻: 太平洋夏時間(UTC-7)午後0時10分 試合時間: 3時間20分 観客: 4万9444人 気温: 66°F(18.9°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第3戦 10月6日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
オークランド・アスレチックス | 1 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 8 | 1 |
トロント・ブルージェイズ | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | 3 | 0 | X | 7 | 8 | 0 |
- 勝:ジミー・キー(1勝) 敗:ストーム・デービス(1敗)
- 本塁打
OAK:デーブ・パーカー2号ソロ
- 審判
[球審]デイル・フォード
[塁審]一塁: デリル・カズンズ、二塁: リック・リード、三塁: スティーブ・パレルモ
[外審]左翼: デーブ・フィリップス、右翼: ダン・モリソン - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後7時22分 試合時間: 2時間54分 観客: 5万268人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第4戦 10月7日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
リッキー・ヘンダーソンが3回表と5回表に2点本塁打を放ち、アスレチックスの6得点中4打点を稼ぐ(2分1秒) |
3回表、ホセ・カンセコのソロ本塁打でアスレチックスが3点目を挙げる(55秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
オークランド・アスレチックス | 0 | 0 | 3 | 0 | 2 | 0 | 1 | 0 | 0 | 6 | 11 | 1 |
トロント・ブルージェイズ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 2 | 0 | 5 | 13 | 0 |
- 勝:ボブ・ウェルチ(1勝) 敗:マイク・フラナガン(1敗) S:デニス・エカーズリー(2S)
- 本塁打
OAK:リッキー・ヘンダーソン1号2ラン・2号2ラン、ホセ・カンセコ1号ソロ
- 審判
[球審]デリル・カズンズ
[塁審]一塁: リック・リード、二塁: スティーブ・パレルモ、三塁: デーブ・フィリップス
[外審]左翼: ダン・モリソン、右翼: デイル・フォード - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後1時20分 試合時間: 3時間29分 観客: 5万76人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第5戦 10月8日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
9回裏、デニス・エカーズリーがジュニオール・フェリックスを空振り三振に仕留めて試合終了、アスレチックスのリーグ連覇が決定(1分33秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
オークランド・アスレチックス | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 4 | 4 | 0 |
トロント・ブルージェイズ | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 3 | 9 | 0 |
- 勝:デーブ・スチュワート(2勝) 敗:デーブ・スティーブ(2敗) S:デニス・エカーズリー(3S)
- 本塁打
TOR:ロイド・モスビー1号ソロ、ジョージ・ベル1号ソロ - 審判
[球審]リック・リード
[塁審]一塁: スティーブ・パレルモ、二塁: デーブ・フィリップス、三塁: ダン・モリソン
[外審]左翼: デイル・フォード、右翼: デリル・カズンズ - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後4時35分 試合時間: 2時間52分 観客: 5万24人
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
脚注
注釈
出典
- ^ "1989 Oakland Athletics Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年4月3日閲覧。
- ^ M.E. Anderson, "The SkyDome, a/k/a Rogers Centre, turns 25," Sporting News, June 5, 2014. 2021年4月3日閲覧。
- ^ Mike Tully, UPI National Baseball Writer, "Blue Jays 7, Athletics 3," UPI Archives, October 9, 1989. 2021年4月3日閲覧。
- ^ Malcolm Moran, "Dazzling, Daring A's Win Crown," The New York Times, October 9, 1989. 2021年4月3日閲覧。
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1989 American League Championship Series - IMDb(英語)
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オークランド・アスレチックス |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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フィラデルフィア野球殿堂 | |
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アスレチックス球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(09回) | |
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ワールドシリーズ敗退(05回) | |
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リーグ優勝(15回) | |
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傘下マイナーチーム | |
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トロント・ブルージェイズ |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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リーグ優勝(2回) | |
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