1974年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第71回ワールドシリーズ(だい71かいワールドシリーズ、71st World Series)は、10月12日から17日にかけて計5試合が開催された。その結果、オークランド・アスレチックス(アメリカンリーグ)がロサンゼルス・ドジャース(ナショナルリーグ)を4勝1敗で下し、3年連続8回目の優勝を果たした。
両チームの対戦はシリーズ史上初めて。また、カリフォルニア州を本拠地とする球団どうしの対戦も初めてだった[3]。アスレチックスのシリーズ3連覇は、1936年〜1939年および1949年〜1953年のニューヨーク・ヤンキースに次ぐ、史上2球団目・3例目の記録である[4]。シリーズMVPには、第5戦の最後を2イニング無失点で締めて優勝決定のセーブを挙げるなど、4試合9.1イニングで1勝2セーブ・防御率1.93という成績を残したアスレチックスのローリー・フィンガーズが選出された。
MLBにおいて指名打者(DH)制度は、1973年にアメリカンリーグでのみ導入された。しかしワールドシリーズでは、同年から1975年までの3年間、DH制は一切採用されていない[5]。その結果、今シリーズ第4戦ではアスレチックスの先発投手ケン・ホルツマンが本塁打を放った[6]。ワールドシリーズでの投手による本塁打は、このあとは2008年シリーズ第4戦のジョー・ブラントンまで34年間途絶えることとなる。
試合結果
1974年のワールドシリーズは10月12日に開幕し、途中に移動日を挟んで6日間で5試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月12日(土) | 第1戦 | オークランド・アスレチックス | 3-2 | ロサンゼルス・ドジャース | ドジャー・スタジアム | |
10月13日(日) | 第2戦 | オークランド・アスレチックス | 2-3 | ロサンゼルス・ドジャース |
10月14日(月) | | 移動日 | |
10月15日(火) | 第3戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 2-3 | オークランド・アスレチックス | オークランド・アラメダ・ カウンティ・コロシアム |
10月16日(水) | 第4戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 2-5 | オークランド・アスレチックス |
10月17日(木) | 第5戦 | ロサンゼルス・ドジャース | 2-3 | オークランド・アスレチックス |
優勝:オークランド・アスレチックス(4勝1敗 / 3年連続8度目) |
第1戦 10月12日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
2回表、先頭打者レジー・ジャクソンの本塁打でアスレチックスが先制(46秒) |
5回表一死三塁、バート・キャンパネリスのスクイズが成功しアスレチックスが2点目を挙げる(38秒) |
8回表、ジャクソンの右飛で三塁走者サル・バンドーがタッチアップするも、右翼手ジョー・ファーガソンが好返球で得点を阻止し併殺に(1分10秒) |
ローリー・フィンガーズが5回裏一死から9回裏二死まで4.1イニング1失点の好救援で勝利投手に(1分10秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
オークランド・アスレチックス | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 6 | 2 |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 11 | 1 |
- 勝:ローリー・フィンガーズ(1勝) 敗:アンディ・メサースミス(1敗) S:キャットフィッシュ・ハンター(1S)
- 本塁打
OAK:レジー・ジャクソン1号ソロ
LAD:ジミー・ウィン1号ソロ - 審判
[球審]トム・ゴーマン(NL)
[塁審]一塁: ビル・カンケル(AL)、二塁: ダグ・ハーヴェイ(NL)、三塁: ドン・デンキンガー(AL)
[外審]左翼: アンディ・オルセン(NL)、右翼: ロン・ルチアーノ(AL) - 昼間試合 試合時間: 2時間43分 観客: 5万5974人
詳細: Baseball-Reference.com
第2戦 10月13日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
9回表、同点の一塁走者ハーブ・ワシントンをマイク・マーシャルが牽制でアウトに仕留める(1分52秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
オークランド・アスレチックス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 6 | 0 |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | X | 3 | 6 | 1 |
- 勝:ドン・サットン(1勝) 敗:ヴァイダ・ブルー(1敗) S:マイク・マーシャル(1S)
- 本塁打
LAD:ジョー・ファーガソン1号2ラン - 審判
[球審]ビル・カンケル(AL)
[塁審]一塁: ダグ・ハーヴェイ(NL)、二塁: ドン・デンキンガー(AL)、三塁: アンディ・オルセン(NL)
[外審]左翼: ロン・ルチアーノ(AL)、右翼: トム・ゴーマン(NL) - 昼間試合 試合時間: 2時間40分 観客: 5万5989人
詳細: Baseball-Reference.com
第3戦 10月15日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 2 | 7 | 2 |
オークランド・アスレチックス | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | X | 3 | 5 | 2 |
- 勝:キャットフィッシュ・ハンター(1勝1S) 敗:アル・ダウニング(1敗)
- 本塁打
LAD:ビル・バックナー1号ソロ、ウィリー・クロフォード1号ソロ
- 審判
[球審]ダグ・ハーヴェイ(NL)
[塁審]一塁: ドン・デンキンガー(AL)、二塁: アンディ・オルセン(NL)、三塁: ロン・ルチアーノ(AL)
[外審]左翼: トム・ゴーマン(NL)、右翼: ビル・カンケル(AL) - 夜間試合 試合時間: 2時間35分 観客: 4万9347人
詳細: Baseball-Reference.com
第4戦 10月16日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
3回裏、先発投手ケン・ホルツマンが先制ソロ本塁打を放ち自らを援護(1分7秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 7 | 1 |
オークランド・アスレチックス | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 | X | 5 | 7 | 0 |
- 勝:ケン・ホルツマン(1勝) 敗:アンディ・メサースミス(2敗) S:ローリー・フィンガーズ(1勝1S)
- 本塁打
OAK:ケン・ホルツマン1号ソロ - 審判
[球審]ドン・デンキンガー(AL)
[塁審]一塁: アンディ・オルセン(NL)、二塁: ロン・ルチアーノ(AL)、三塁: トム・ゴーマン(NL)
[外審]左翼: ビル・カンケル(AL)、右翼: ダグ・ハーヴェイ(NL) - 夜間試合 試合時間: 2時間17分 観客: 4万9347人
詳細: Baseball-Reference.com
第5戦 10月17日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
7回裏、ジョー・ルディのソロ本塁打でアスレチックスが1点を勝ち越し(58秒) |
8回表、先頭打者ビル・バックナーの中前打を中堅手ビル・ノースが後逸し、バックナーは三塁進塁を狙うも中継プレイに刺される(1分5秒) |
ローリー・フィンガーズがバックナーのあと8回表、そして9回表と無失点で締めて試合終了、アスレチックスの優勝が決定(1分53秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ロサンゼルス・ドジャース | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 2 | 5 | 1 |
オークランド・アスレチックス | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | X | 3 | 6 | 1 |
- 勝:ブルームーン・オドム(1勝) 敗:マイク・マーシャル(1敗1S) S:ローリー・フィンガーズ(1勝2S)
- 本塁打
OAK:レイ・フォッシー1号ソロ、ジョー・ルディ1号ソロ - 審判
[球審]アンディ・オルセン(NL)
[塁審]一塁: ロン・ルチアーノ(AL)、二塁: トム・ゴーマン(NL)、三塁: ビル・カンケル(AL)
[外審]左翼: ダグ・ハーヴェイ(NL)、右翼: ドン・デンキンガー(AL) - 夜間試合 試合時間: 2時間23分 観客: 4万9347人
詳細: Baseball-Reference.com
脚注
- ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2019年9月17日閲覧。
- ^ Joseph Durso, Special To the New York Times, "THE WORLD SERIES; Gibson Crashes Athletics' Victory Party," The New York Times, October 16, 1988. 2019年9月17日閲覧。
- ^ Sam McPherson, "Great Moments In Baseball History: The 1974 A’s Beat Dodgers To Win Third Straight World Series Title," CBS Sacramento, May 21, 2015. 2019年9月17日閲覧。
- ^ John Cronin, "The Historical Evolution of the Designated Hitter Rule," Society for American Baseball Research, 2016. 2019年9月17日閲覧。
- ^ Matt Kelly and Manny Randhawa, "Every pitcher who went deep in postseason / Woodruff latest to achieve feat with blast off Kershaw in NLCS," MLB.com, October 12, 2018. 2020年12月12日閲覧。
外部リンク
- MLB.com Postseason History(英語)
- Baseball Almanac(英語)
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1974 World Series - IMDb(英語)
- 動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿した試合映像
- 第1戦:1974 World Series, Game 1: Athletics @ Dodgers
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カテゴリ |
オークランド・アスレチックス 1974年のワールドシリーズ ロースター |
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| 選手 01 ディック・グリーン 02 アンヘル・マングアール 03 ハーブ・ワシントン 04 ビル・ノース 06 サル・バンドー 09 レジー・ジャクソン 10 レイ・フォッシー 12 ラリー・ヘイニー 13 ブルームーン・オドム 14 ヴァイダ・ブルー | | |
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オークランド・アスレチックス |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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フィラデルフィア野球殿堂 | |
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アスレチックス球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(09回) | |
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ワールドシリーズ敗退(05回) | |
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リーグ優勝(15回) | |
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傘下マイナーチーム | |
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ロサンゼルス・ドジャース |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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永久欠番 | |
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ワールドシリーズ優勝(07回) | |
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ワールドシリーズ敗退(14回) | |
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リーグ優勝(24回) | |
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できごと | |
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