1993年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)のポストシーズンは10月5日に開幕した。ナショナルリーグの第25回リーグチャンピオンシップシリーズ(英語: 25th National League Championship Series、以下「リーグ優勝決定戦」と表記)は、翌6日から13日にかけて計6試合が開催された。その結果、フィラデルフィア・フィリーズ(東地区)がアトランタ・ブレーブス(西地区)を4勝2敗で下し、10年ぶり5回目のリーグ優勝およびワールドシリーズ進出を果たした。
両球団がリーグ優勝決定戦で対戦するのはこれが初めて。この年のレギュラーシーズンでは両球団は12試合対戦し、6勝6敗の五分だった[1]。フィリーズは、前年は東地区最下位に沈んでいたが、今季は一転してリーグを制した。地区最下位の翌年にリーグ優勝は、1991年のミネソタ・ツインズとブレーブスに次ぎ、今回のフィリーズが3球団目である[2]。一方のブレーブスは、1942年から1944年にかけてのセントルイス・カージナルス以来となるナショナルリーグ3連覇を達成することはできなかった[3]。シリーズMVPには、第1戦と第5戦の2度の先発登板でいずれも8.0イニングを投げ、責任投手となることはなかったものの防御率1.69を記録したフィリーズのカート・シリングが選出された。しかしフィリーズは、ワールドシリーズではアメリカンリーグ王者トロント・ブルージェイズに2勝4敗で敗れ、13年ぶり2度目の優勝を逃した。
試合結果
1993年のナショナルリーグ優勝決定戦は10月6日に開幕し、途中に移動日を挟んで8日間で6試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月06日(水) | 第1戦 | アトランタ・ブレーブス | 3-4x | フィラデルフィア・フィリーズ | ベテランズ・スタジアム | |
10月07日(木) | 第2戦 | アトランタ・ブレーブス | 14-3 | フィラデルフィア・フィリーズ |
10月08日(金) | | 移動日 | |
10月09日(土) | 第3戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 4-9 | アトランタ・ブレーブス | アトランタ・フルトン・ カウンティ・スタジアム |
10月10日(日) | 第4戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 2-1 | アトランタ・ブレーブス |
10月11日(月) | 第5戦 | フィラデルフィア・フィリーズ | 4-3 | アトランタ・ブレーブス |
10月12日(火) | | 移動日 | |
10月13日(水) | 第6戦 | アトランタ・ブレーブス | 3-6 | フィラデルフィア・フィリーズ | ベテランズ・スタジアム |
優勝:フィラデルフィア・フィリーズ(4勝2敗 / 10年ぶり5度目) |
第1戦 10月6日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
4回裏、ピート・インカビリアのソロ本塁打でフィリーズが同点に追いつく(49秒) |
フィリーズ先発投手カート・シリングが8回表、この日10個目の三振をフレッド・マグリフから奪う(19秒) |
10回表、キム・バティステの二塁打で二塁走者ジョン・クルックが生還しフィリーズがサヨナラ勝利(1分43秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | H | E |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 3 | 9 | 0 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1x | 4 | 9 | 1 |
- 勝:ミッチ・ウィリアムス(1勝) 敗:グレッグ・マクマイケル(1敗)
- 本塁打
PHI:ピート・インカビリア1号ソロ - 審判
[球審]ブルース・フローミング
[塁審]一塁: フランク・プーリ、二塁: テリー・テイタ、三塁: ジム・クイック
[外審]左翼: ジェリー・クロフォード、右翼: ジョー・ウェスト - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時10分 試合時間: 3時間33分 観客: 6万2012人 気温: 66°F(18.9°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第2戦 10月7日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
3回表、ブレーブス一塁走者オーティス・ニクソンが盗塁を試みるも捕手ダレン・ドールトンの送球でアウトに(33秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
アトランタ・ブレーブス | 2 | 0 | 6 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 1 | 14 | 16 | 0 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 3 | 7 | 2 |
- 勝:グレッグ・マダックス(1勝) 敗:トミー・グリーン(1敗)
- 本塁打
ATL:フレッド・マグリフ1号2ラン、ジェフ・ブラウザー1号ソロ、デイモン・ベリーヒル1号3ラン、テリー・ペンドルトン1号ソロ
PHI:デーブ・ホリンズ1号2ラン、レニー・ダイクストラ1号ソロ - 審判
[球審]フランク・プーリ
[塁審]一塁: テリー・テイタ、二塁: ジム・クイック、三塁: ジェリー・クロフォード
[外審]左翼: ジョー・ウェスト、右翼: ブルース・フローミング - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時10分 試合時間: 3時間14分 観客: 6万2436人 気温: 68°F(20°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第3戦 10月9日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1 | 1 | 4 | 10 | 1 |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 4 | 0 | X | 9 | 12 | 0 |
- 勝:トム・グラビン(1勝) 敗:テリー・マルホランド(1敗)
- 本塁打
PHI:ジョン・クルック1号ソロ
- 審判
[球審]テリー・テイタ
[塁審]一塁: ジム・クイック、二塁: ジェリー・クロフォード、三塁: ジョー・ウェスト
[外審]左翼: ブルース・フローミング、右翼: フランク・プーリ - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後3時5分 試合時間: 2時間44分 観客: 5万2032人 気温: 81°F(27.2°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第4戦 10月10日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 8 | 1 |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 10 | 1 |
- 勝:ダニー・ジャクソン(1勝) 敗:ジョン・スモルツ(1敗) S:ミッチ・ウィリアムス(1勝1S)
- 審判
[球審]ジム・クイック
[塁審]一塁: ジェリー・クロフォード、二塁: ジョー・ウェスト、三塁: ブルース・フローミング
[外審]左翼: フランク・プーリ、右翼: テリー・テイタ - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時30分 試合時間: 3時間33分 観客: 5万2032人 気温: 60°F(15.6°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第5戦 10月11日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
9回表、先頭打者ダレン・ドールトンの本塁打でフィリーズが3点差に突き放す(48秒) |
延長10回表、レニー・ダイクストラのソロ本塁打でフィリーズが勝ち越し(43秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | H | E |
フィラデルフィア・フィリーズ | 1 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4 | 6 | 1 |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 | 0 | 3 | 7 | 1 |
- 勝:ミッチ・ウィリアムス(2勝1S) 敗:マーク・ウォーラーズ(1敗) S:ラリー・アンダーセン(1S)
- 本塁打
PHI:ダレン・ドールトン1号ソロ、レニー・ダイクストラ1号ソロ
- 審判
[球審]ジェリー・クロフォード
[塁審]一塁: ジョー・ウェスト、二塁: ブルース・フローミング、三塁: フランク・プーリ
[外審]左翼: テリー・テイタ、右翼: ジム・クイック - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後3時10分 試合時間: 3時間21分 観客: 5万2032人 気温: 62°F(16.7°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
第6戦 10月13日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
3回裏、ダレン・ドールトンの2点二塁打でフィリーズが先制(53秒) |
次打者ジム・アイゼンライクの飛球を左翼手ロン・ガントがスライディングキャッチしてイニング終了(31秒) |
5回裏、デーブ・ホリンズの2点本塁打でフィリーズが点差を3点に広げる(44秒) |
6回裏、ミッキー・モランディーニの2点三塁打でフィリーズが6点目を奪う(35秒) |
セブンス・イニング・ストレッチで指揮者が『私を野球に連れてって』を指揮していたところ、上の席の観客に指揮棒を奪われる(44秒) |
9回表、ミッチ・ウィリアムスが代打ビル・ペコタを空振り三振に仕留めて試合終了、フィリーズのリーグ優勝が決定(1分59秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 2 | 0 | 0 | 3 | 5 | 3 |
フィラデルフィア・フィリーズ | 0 | 0 | 2 | 0 | 2 | 2 | 0 | 0 | X | 6 | 7 | 1 |
- 勝:トミー・グリーン(1勝1敗) 敗:グレッグ・マダックス(1勝1敗) S:ミッチ・ウィリアムス(2勝2S)
- 本塁打
ATL:ジェフ・ブラウザー2号2ラン
PHI:デーブ・ホリンズ2号2ラン - 審判
[球審]ジョー・ウェスト
[塁審]一塁: ブルース・フローミング、二塁: フランク・プーリ、三塁: テリー・テイタ
[外審]左翼: ジム・クイック、右翼: ジェリー・クロフォード - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時10分 試合時間: 3時間4分 観客: 6万2502人 気温: 50°F(10°C)
詳細: MLB.com Gameday / Baseball-Reference.com
脚注
- ^ "1993 Philadelphia Phillies Schedule," Baseball-Reference.com. 2021年4月28日閲覧。
- ^ George F. Will, "The Man Who Freed the Baseball Players," Baltimore Sun, November 22, 1993. 2021年4月28日閲覧。
- ^ Mark Maske, "WITH SWINGS BIG AND SMALL, PHILLIES FELL BRAVES," The Washington Post, October 14, 1993. 2021年4月28日閲覧。
外部リンク
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1993 National League Championship Series - IMDb(英語)
- 動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿した試合映像
- 第6戦:1993 NLCS, Game 6: Braves @ Phillies
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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フィリーズ球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(2回) | |
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ワールドシリーズ敗退(6回) | |
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リーグ優勝(8回) | |
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傘下マイナーチーム | |
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アトランタ・ブレーブス |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ブレーブス球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(04回) | |
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ワールドシリーズ敗退(06回) | |
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リーグ優勝(18回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | - グウィネット・ストライパーズ(AAA級)
- ミシシッピ・ブレーブス(AA級)
- ローム・ブレーブス(High-A級)
- オーガスタ・グリーンジャケッツ(Low-A級)
- フロリダ・コンプレックスリーグ・ブレーブス(Rookie級)
- ドミニカン・サマーリーグ・ブレーブス(Rookie級)
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