1999年の野球において、メジャーリーグベースボール(MLB)優勝決定戦の第95回ワールドシリーズ(だい95かいワールドシリーズ、95th World Series)は、10月23日から27日にかけて計4試合が開催された。その結果、ニューヨーク・ヤンキース(アメリカンリーグ)がアトランタ・ブレーブス(ナショナルリーグ)を4勝0敗で下し、2年連続25回目の優勝を果たした。
両リーグの最高勝率球団どうしがシリーズで対戦するのは、1995年の地区シリーズ導入以降では、同年以来4年ぶり[3]。両チームのシリーズでの対戦は、1996年以来3年ぶり4回目である。そのシリーズ第3戦から続くヤンキースのワールドシリーズ連勝記録は、今シリーズ全勝によって12に伸びた。これは、1927年初戦から1932年最終戦にかけてのヤンキースに並ぶ、史上最長タイ記録である[4]。シリーズMVPには、第2戦を除く3試合の救援登板全てでイニングをまたいで交代完了を記録し、4.2イニングで1勝2セーブ・防御率0.00という成績を残したヤンキースのマリアノ・リベラが選出された。
両チームの過去の対戦
過去94回のシリーズのなかで、ヤンキースとブレーブスの対戦は3度ある。最初の対戦は1957年で、このときはブレーブスが4勝3敗でヤンキースを下した。翌1958年と1996年は、いずれもヤンキースが制した。1950年代の2度の対戦時は、ブレーブスはジョージア州アトランタではなくウィスコンシン州ミルウォーキーを本拠地にしていた。
1997年から始まったレギュラーシーズン中のインターリーグでは、3年間で計10試合が組まれており、その結果は5勝5敗の五分である[5]。この年は7月15日から17日にかけて、ヤンキースの本拠地ヤンキー・スタジアムで3連戦が行われ、ブレーブスが2勝1敗で勝ち越した。今シリーズは史上初めて、レギュラーシーズンで実現したカードの再戦となった[6]。ブレーブスのケビン・ミルウッドは、この3連戦の結果を踏まえ「優勝のチャンスは十分にあると思う」と自信をのぞかせた[7]。
試合結果
1999年のワールドシリーズは10月23日に開幕し、途中に移動日を挟んで5日間で4試合が行われた。日程・結果は以下の通り。
日付 | 試合 | ビジター球団(先攻) | スコア | ホーム球団(後攻) | 開催球場 |
10月23日(土) | 第1戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 4-1 | アトランタ・ブレーブス | ターナー・フィールド | |
10月24日(日) | 第2戦 | ニューヨーク・ヤンキース | 7-2 | アトランタ・ブレーブス |
10月25日(月) | | 移動日 | |
10月26日(火) | 第3戦 | アトランタ・ブレーブス | 5-6x | ニューヨーク・ヤンキース | ヤンキー・スタジアム |
10月27日(水) | 第4戦 | アトランタ・ブレーブス | 1-4 | ニューヨーク・ヤンキース |
優勝:ニューヨーク・ヤンキース(4勝0敗 / 2年ぶり25度目) |
第1戦 10月23日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
4回裏、チッパー・ジョーンズのソロ本塁打でブレーブスが先制(39秒) |
ヤンキース先発投手オーランド・ヘルナンデスは7イニングを10奪三振1失点に抑える(1分46秒) |
8回表無死満塁、デレク・ジーターの左前打でヤンキースが同点に追いつく(38秒) |
次打者ポール・オニールの右前打でヤンキースが2点を勝ち越し(40秒) |
ヤンキースの抑え投手マリアノ・リベラが8回裏途中から登板、4アウトセーブを挙げてヤンキースが先勝(59秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 4 | 6 | 0 |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 | 2 |
- 勝:オーランド・ヘルナンデス(1勝) 敗:グレッグ・マダックス(1敗) S:マリアノ・リベラ(1S)
- 本塁打
ATL:チッパー・ジョーンズ1号ソロ - 審判
[球審]ランディ・マーシュ(NL)
[塁審]一塁: ロッキー・ロー(AL)、二塁: スティーブ・リプリー(NL)、三塁: デリル・カズンズ(AL)
[外審]左翼: ジェリー・デービス(NL)、右翼: ジム・ジョイス(AL) - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時5分 試合時間: 2時間57分 観客: 5万1342人 気温: 49°F(9.4°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第2戦 10月24日
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
ニューヨーク・ヤンキース | 3 | 0 | 2 | 1 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 14 | 1 |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 5 | 1 |
- 勝:デビッド・コーン(1勝) 敗:ケビン・ミルウッド(1敗)
- 審判
[球審]ロッキー・ロー(AL)
[塁審]一塁: スティーブ・リプリー(NL)、二塁: デリル・カズンズ(AL)、三塁: ジェリー・デービス(NL)
[外審]左翼: ジム・ジョイス(AL)、右翼: ランディ・マーシュ(NL) - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時5分 試合時間: 3時間14分 観客: 5万1226人 気温: 54°F(12.2°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第3戦 10月26日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
9回表無死一塁、代走オーティス・ニクソンの盗塁を捕手ジョー・ジラルディの送球が阻止(47秒) |
ヤンキースの抑え投手マリアノ・リベラが、9回表・10回表の2イニングを無失点に封じる(56秒) |
延長10回裏、チャド・カーティスのソロ本塁打でヤンキースがサヨナラ勝利(1分37秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | R | H | E |
アトランタ・ブレーブス | 1 | 0 | 3 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 14 | 1 |
ニューヨーク・ヤンキース | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 | 0 | 1x | 6 | 9 | 0 |
- 勝:マリアノ・リベラ(1勝1S) 敗:マイク・レムリンジャー(1敗)
- 本塁打
NYY:チャド・カーティス1号ソロ・2号ソロ、ティノ・マルティネス1号ソロ、チャック・ノブロック1号2ラン - 審判
[球審]スティーブ・リプリー(NL)
[塁審]一塁: デリル・カズンズ(AL)、二塁: ジェリー・デービス(NL)、三塁: ジム・ジョイス(AL)
[外審]左翼: ランディ・マーシュ(NL)、右翼: ロッキー・ロー(AL) - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時20分 試合時間: 3時間16分 観客: 5万6794人 気温: 62°F(16.7°C)
詳細: Baseball-Reference.com
第4戦 10月27日
映像外部リンク |
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MLB.comによる動画(英語) |
ヤンキースの先発投手ロジャー・クレメンスは7.2イニングを1失点に抑える(3分13秒) |
8回裏、ジム・レイリッツのソロ本塁打でヤンキースがリードを3点に広げ直す(58秒) |
9回表一死、ヤンキースのマリアノ・リベラがライアン・クレスコのバットを1打席で3本折る(1分4秒) |
リベラが次打者キース・ロックハートを左飛に打ち取り試合終了、ヤンキースの優勝が決定(1分58秒) |
| 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | R | H | E |
アトランタ・ブレーブス | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 5 | 0 |
ニューヨーク・ヤンキース | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | X | 4 | 8 | 0 |
- 勝:ロジャー・クレメンス(1勝) 敗:ジョン・スモルツ(1敗) S:マリアノ・リベラ(1勝2S)
- 本塁打
NYY:ジム・レイリッツ1号ソロ - 審判
[球審]デリル・カズンズ(AL)
[塁審]一塁: ジェリー・デービス(NL)、二塁: ジム・ジョイス(AL)、三塁: ランディ・マーシュ(NL)
[外審]左翼: ロッキー・ロー(AL)、右翼: スティーブ・リプリー(NL) - 試合開始時刻: 東部夏時間(UTC-4)午後8時20分 試合時間: 2時間58分 観客: 5万6752人 気温: 52°F(11.1°C)
詳細: Baseball-Reference.com
脚注
- ^ "World Series Television Ratings," Baseball Almanac. 2020年2月5日閲覧。
- ^ Mark Newman, "In throwback, top two teams meet in Series / Matchup ends modern drought of regular-season champs exiting playoffs early," MLB.com, October 20, 2013. 2020年2月5日閲覧。
- ^ Jeff Jacobs; Courant Staff Writer, "FROM RUTH TO CLEMENS, MONUMENTAL DYNASTY," Hartford Courant, October 28, 1999. 2020年2月5日閲覧。
- ^ "Head-to-Head Records," Baseball-Reference.com. 2021年5月14日閲覧。
- ^ Ross Newhan, "Even the Shea-Hate Kid Won’t Try to Buck Bronx," Los Angeles Times, October 21, 1999. 2020年2月5日閲覧。
- ^ Chris Broussard, "A Hated Man in Queens, Rocker Is a Fan of the Bronx," The New York Times, October 20, 1999. 2020年2月5日閲覧。
外部リンク
- MLB.com Postseason History(英語)
- Baseball Almanac(英語)
- Baseball-Reference.com(英語)
- 1999 World Series - IMDb(英語)
- 動画共有サイト "YouTube" にMLB公式アカウントが投稿した試合映像
- 第4戦:1999 World Series, Game 4: Braves @ Yankees
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カテゴリ |
ニューヨーク・ヤンキース 1999年のワールドシリーズ ロースター |
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ニューヨーク・ヤンキース |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ワールドシリーズ優勝(27回) | |
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ワールドシリーズ敗退(13回) | |
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リーグ優勝(40回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | |
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アトランタ・ブレーブス |
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球団 | |
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歴代本拠地 | |
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文化 | |
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永久欠番 | |
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ブレーブス球団殿堂 | |
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ワールドシリーズ優勝(04回) | |
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ワールドシリーズ敗退(06回) | |
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リーグ優勝(18回) | |
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できごと | |
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傘下マイナーチーム | - グウィネット・ストライパーズ(AAA級)
- ミシシッピ・ブレーブス(AA級)
- ローム・ブレーブス(High-A級)
- オーガスタ・グリーンジャケッツ(Low-A級)
- フロリダ・コンプレックスリーグ・ブレーブス(Rookie級)
- ドミニカン・サマーリーグ・ブレーブス(Rookie級)
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