スピロ・アグニュー

スピロ・アグニュー
Spiro Agnew
1972年
生年月日 (1918-11-09) 1918年11月9日
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
メリーランド州ボルチモア
没年月日 (1996-09-17) 1996年9月17日(77歳没)
死没地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
メリーランド州の旗 メリーランド州バーリン
出身校 ジョンズ・ホプキンズ大学
ボルチモア大学ロー・スクール
所属政党 共和党
称号 文学士(ジョンズ・ホプキンズ大学)
法学士(ボルチモア大学ロー・スクール)
配偶者 ジュディ・アグニュー
子女 4人
サイン

在任期間 1969年1月20日 - 1973年10月10日
大統領 リチャード・ニクソン

在任期間 1967年1月25日 - 1969年1月7日
副知事 無し

ボルチモア郡
3代目郡長
在任期間 1962年12月 - 1966年12月
州知事 ジョン・ミラード・タウズ
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スピロ・セオドア・アグニュー英語: Spiro Theodore Agnew, 1918年11月9日 - 1996年9月17日)はアメリカ合衆国政治家。3代目ボルチモア郡長、55代目メリーランド州知事リチャード・ニクソン政権で39代目副大統領を歴任した。

生涯

1918年11月9日にメリーランド州ボルチモアで誕生する。父親のセオドア・スピロス・アグニューはギリシャ移民[1][2]で、母親のマーガレット(カーター)エカーズはバージニア州出身であった。母親のエカーズは未亡人であり、2人の連れ子を伴ってセオドアと再婚した[3]

アグニューは、ボルチモアのフォレストパーク・シニア高校に通い、1937年ジョンズ・ホプキンズ大学に入学した。大学では化学を3年間学び、その後アメリカ陸軍に入隊、第二次世界大戦ではヨーロッパ戦線に従軍した。彼はフランスおよびドイツでの功績でブロンズスターメダルを受章している。

ヨーロッパに向けて出発する前に、アグニューは保険会社に勤務していたエリノア・ジュドファインドと1942年5月27日に結婚した。2人はパメラ、ジェームズ・ランド、スーザン、キンバリーの4人の子供をもうけた。

復員したアグニューはボルチモア大学ロー・スクールで法律を学んだ。夜間に勉学に勤しみ、昼は食料品店の店員や、保険勧誘員として働いた。1947年に学位を受け、弁護士を開業するため郊外に移り住む。1949年6月、メリーランド州司法試験に合格、法廷弁護士の資格を得る。その後ボルチモア郡郡長を経て、1967年からメリーランド州知事を1期務めた。

ニクソン政権の副大統領

1969年よりリチャード・ニクソン政権下で副大統領を務めた。ニクソンがアイゼンハワー政権のホワイトハウスで果たした役割と同様であり、アグニューは「ニクソンのニクソン」と呼ばれた。 アグニューはニクソン政権の中で、大統領が望んだ役割を果たした。

ニューオーリンズではアグニューは、デモ参加者による暴力を容認するリベラルなエリートを非難した。

一方で、正副大統領改選の年である1972年の初めより、アグニューが郡長および州知事時代に受注者から金品を受け取っていた疑いが浮上し、ボルチモアを管轄する連邦地方検察が捜査に入る。

アグニューが捜査を知ったのは再選直後である1973年2月であり、8月1日にジョージ・ビール連邦地方検事が正式に脱税および汚職についての捜査を通告する。これに対してアグニューは「私に対してあれこれ非難があるが、事実無根だ。仮に起訴されたとしても、私は辞めない![4]」と強気に出ていた。しかし10月10日に脱税容疑について争わない(不抗争)とする司法取引を行い、副大統領職を辞任。

この件はウォーターゲート事件捜査のさなかであったが、アグニュー辞任から10日後の10月20日に所謂「土曜日の夜の虐殺」が起こったことも重なり、ニクソン政権は追い込まれることとなる。

なお後任の副大統領はニクソンによって、共和党下院院内総務だったジェラルド・R・フォードが指名され、11月27日に上院で承認12月6日に下院で承認されて正式に就任した。

副大統領辞任後の1974年、アグニューは倫理欠如という理由で法曹資格剥奪の裁判所命令を受ける。1981年には、アグニューが受け取ったとするリベートを州に返納せよという民間人が起こした訴訟が原告勝訴となり、利子込みの約25万ドルを州に支払うこととなった。この判決では、リベートの授受は副大統領在任時まで続いていたと認定されている[5]

1996年に77歳で死去した。

参照

  1. ^ Senate - Art & History - Spiro T Agnew, 39th Vice President
  2. ^ Spiro T. Agnew - Encyclopedia Britannica (accessed 2007-10-13)
  3. ^ "Agnew, Spiro" New World Encyclopedia Aug. 22, 2007
  4. ^ "I am innocent of the charges against me. I will not resign if indicted!"
  5. ^ Agnew Told to Pay State $248,735 for Funds He Accepted ワシントンポスト (1981年4月28日)

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、スピロ・アグニューに関連するカテゴリがあります。
  • United States Congress. "スピロ・アグニュー (id: A000059)". Biographical Directory of the United States Congress (英語).
  • Spiro Agnew - Find a Grave(英語)
  • Excellent Agnew biography on U.S. Senate website
  • Spiro Agnew biography on New World Encyclopedia website
  • University of Maryland's repository for all things Spiro Agnew
  • Papers of Spiro T. Agnew at the University of Maryland Libraries
  • The Archives of Maryland collection of speeches, messages and other public papers during Agnews governorship 1967-69
公職
先代
ヒューバート・ハンフリー
アメリカ合衆国副大統領
1969年1月20日 - 1973年10月10日
空位
次代の在位者
ジェラルド・フォード
先代
J・ミラード・トウズ
メリーランド州知事
1967年1月27日 - 1969年1月9日
次代
マーヴィン・マンデル
先代
クリスチャン・H・カール
ボルチモア郡郡長
1962 - 1966
次代
デイル・アンダーソン
党職
先代
ウィリアム・E・ミラー
共和党副大統領候補
1968, 1972
次代
ボブ・ドール
先代
フランク・スモール・ジュニア
メリーランド州知事
共和党候補

1966
次代
スタンリー・ブレア
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国副大統領
※ 名前の後ろの年号は就任年を表す
  1. アダムズ 1789年
  2. ジェファーソン 1797年
  3. バー 1801年
  4. クリントン 1805年
  5. ゲリー 1813年
  6. トンプキンズ 1817年
  7. カルフーン 1825年
  8. ヴァン・ビューレン 1833年
  9. R・ジョンソン 1837年
  10. タイラー 1841年
  11. ダラス 1845年
  12. フィルモア 1849年
  13. キング 1853年
  14. ブレッキンリッジ 1857年
  15. ハムリン 1861年
  16. A・ジョンソン 1865年
  17. コルファクス 1869年
  18. ウィルソン 1873年
  19. ウィーラー 1877年
  20. アーサー 1881年
  21. ヘンドリックス 1885年
  22. モートン 1889年
  23. スティーブンソン 1893年
  24. ホーバート 1897年
  25. ルーズベルト 1901年
  26. フェアバンクス 1905年
  27. シャーマン 1909年
  28. マーシャル 1913年
  29. クーリッジ 1921年
  30. ドーズ 1925年
  31. カーティス 1929年
  32. ガーナー 1933年
  33. ウォレス 1941年
  34. トルーマン 1945年
  35. バークリー 1949年
  36. ニクソン 1953年
  37. L・ジョンソン 1961年
  38. ハンフリー 1965年
  39. アグニュー 1969年
  40. フォード 1973年連邦議会による承認
  41. ロックフェラー 1974年連邦議会による承認
  42. モンデール 1977年
  43. G・H・W・ブッシュ 1981年
  44. クエール 1989年
  45. ゴア 1993年
  46. チェイニー 2001年
  47. バイデン 2009年
  48. ペンス 2017年
  49. ハリス 2021年
関連項目 : アメリカ合衆国副大統領 - アメリカ合衆国の歴史 - ホワイトハウス - アメリカ合衆国大統領 - アメリカ合衆国次期副大統領
植民地 (1632年-1776年)
  • L・カルバート(英語版)
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