ネギダール

ネギダール、ネギダル、アムグニ・ツングース
элькан бэйенин
総人口
567人
居住地域
ロシアの旗 ロシア
言語
ロシア語ネギダール語
宗教
正教シャーマニズム
関連する民族
エヴェンキエヴェン

ネギダールロシア語: Негидальцы英語: Negidals)は、ツングース系民族の一つで、主にロシア国内の極東連邦管区アムグン川アムール川沿岸に居住する。「ネギダル」とも表記されるほか、「アムグニ・ツングース」という名称もある。

ツングース諸語[1]の中でもエヴェンキ語に近いネギダール語という言語を持つ[注釈 1]2002年全ロシア国勢調査によると、ロシア国内に567人が暮らし、そのうち147人がネギダール語を話している。

近年は、一部にロシア人との混血が進んでいる。

概要

2010年のロシア国勢調査によるネギダール居住の集落

かつてはアムール川の河口地域と左岸支流のアムグン川流域に広く住んでいた。1989年には約500人ほどで、アムグン川でサケ・マス猟を中心とした漁撈生活を送る。 自分たちを「土地の人」という意味の、エルカン・ヴェイェニン(Elk’an beyenin)、エレケム・ヴェイェ(Elekem beye)と呼ぶ。ネギダールという呼称は、エヴェンキ語のngegida(nge=山の麓、海岸、gida=側)からきた。エヴェンキ族は、この呼び名をネギダール族だけではなく、ナーナイ族やウリチ族に対しても使った[1]

歴史

ネギダール族の起源は、ニヴフ(ギリヤーク)族やナーナイ族ウリチ族と混血したエヴェンキ族と考えられる[1]。ネギダールの、ロシアにおける人口推移は以下のとおり。

生活

19世紀にアムール川流域とサハリンで最初の学術調査を行ったL.シュレンクは、漁撈に携わるニヴフ族が、夏は魚の集まる海や川のそばに暮らし、冬は悪天候を避けられる地に移動すると述べている。夏と冬と分けて住むとはいえ、どちらも定住地である。このように夏冬で住処を変える生活は、ネギダール族をはじめ、ウリチ族、オロチ族、ナーナイ族にもみられ、樺太アイヌサハリンアイヌ)も行っている[2]

ネギダール族の居住域(2010年コンサスより)

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ ネギダール語は、ツングース諸語のなかでも北ツングース語群に属す。

出典

参考文献

  • 荻原, 真子、三上, 次男『東北アジアの民族と歴史』山川出版社〈民族の世界史 3〉、1989年。ISBN 4-634-44030-X。 

関連項目

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