国籍別による宇宙飛行の年表

国籍別による宇宙飛行の年表: Timeline of space travel by nationality

ソビエト連邦によって初の有人宇宙飛行が成し遂げられてから、38カ国の国民が宇宙飛行を行った。このリストでは、それらの国にとって初の宇宙飛行ミッションとその日付を列挙した。38人中、女性は3人である。

なお、これら宇宙飛行士の国籍は打上げ時の国籍であり、日付は全て協定世界時(UTC)に依存する。

太字で国名が書かれているものは、自国の能力によって宇宙飛行を行った国である。

国民が宇宙へ行った年代別の地図(2008年4月)
# 名前 飛行 日付 (UTC)
1960年代
1 ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦[注釈 1] ユーリ・ガガーリン ソビエト連邦の旗 ボストーク1号[注釈 2] 1961年4月12日
2 アメリカ合衆国の旗 アメリカ[注釈 3] アラン・シェパード アメリカ合衆国の旗 MR-3 1961年5月5日
1970年代
3 チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア[注釈 4] ウラジミル・レメック ソビエト連邦の旗 ソユーズ28号 1978年3月2日
4 ポーランドの旗 ポーランド ミロスワフ・ヘルマシェフスキ ソビエト連邦の旗 ソユーズ30号 1978年6月27日
5 東ドイツの旗 東ドイツ[注釈 5] ジークムント・イェーン ソビエト連邦の旗 ソユーズ31号 1978年8月26日
6 ブルガリアの旗 ブルガリア ギオルギー・イワノフ ソビエト連邦の旗 ソユーズ33号 1979年4月10日
1980年代
7 ハンガリーの旗 ハンガリー ファルカシュ・ベルタラン ソビエト連邦の旗 ソユーズ36号 1980年5月26日
8 ベトナムの旗 ベトナム ファム・トゥアン ソビエト連邦の旗 ソユーズ37号 1980年7月23日
9 キューバの旗 キューバ アルナルド・タマヨ・メンデス ソビエト連邦の旗 ソユーズ38号 1980年9月18日
10 モンゴル国の旗 モンゴル ジェクテルデミット・グラグチャ ソビエト連邦の旗 ソユーズ39号 1981年3月22日
11 ルーマニアの旗 ルーマニア ドゥミトール・プルナリウ ソビエト連邦の旗 ソユーズ40号 1981年5月14日
12 フランスの旗 フランス ジャン=ルー・クレティエン ソビエト連邦の旗 ソユーズT-6 1982年6月24日
13 西ドイツの旗 西ドイツ[注釈 5] ウルフ・メルボルト アメリカ合衆国の旗 STS-9 1983年11月28日
14 インドの旗 インド ラケッシュ・シャルマ ソビエト連邦の旗 ソユーズT-11 1984年4月3日
15 カナダの旗 カナダ マーク・ガーノー(英語版) アメリカ合衆国の旗 STS-41-G 1984年10月5日
16 サウジアラビアの旗 サウジアラビア スルタン・アウ=サウド アメリカ合衆国の旗 STS-51-G 1985年6月17日
17 オランダの旗 オランダ ウッボ・オッケルス(英語版) アメリカ合衆国の旗 STS-61-A 1985年10月30日
18 メキシコの旗 メキシコ ロドルフ・ネリー・ヴェラ(英語版) アメリカ合衆国の旗 STS-61-B 1985年11月26日
19 シリアの旗 シリア ムハンマド・ファーリス ソビエト連邦の旗 ソユーズTM-3 1987年7月22日
20 アフガニスタン共和国の旗 アフガニスタン アブドゥルアフド・ムハンマド ソビエト連邦の旗 ソユーズTM-6 1988年8月29日
1990年代
21 日本の旗 日本 秋山豊寛[注釈 6][注釈 7] ソビエト連邦の旗 ソユーズTM-11 1990年12月2日
22 イギリスの旗 イギリス ヘレン・シャーマン[注釈 6] ソビエト連邦の旗 ソユーズTM-12 1991年5月18日
23 オーストリアの旗 オーストリア フランツ・フィーベック ソビエト連邦の旗 ソユーズTM-13 1991年10月2日
24 ロシアの旗 ロシア[注釈 1] アレクサンドル・カレリ
アレクサンドル・ヴィクトレンコ
ロシアの旗 ソユーズTM-14 1992年3月17日
25 ベルギーの旗 ベルギー ディルク・フリム アメリカ合衆国の旗 STS-45 1992年3月24日
26 イタリアの旗 イタリア フランコ・マレルバ(英語版) アメリカ合衆国の旗 STS-46 1992年7月31日
27 スイスの旗 スイス クロード・ニコリエ アメリカ合衆国の旗 STS-46 1992年7月31日
28 ウクライナの旗 ウクライナ[注釈 1] レオニド・カデニューク アメリカ合衆国の旗 STS-87 1997年11月19日
29 スペインの旗 スペイン ペドロ・デュケ アメリカ合衆国の旗 STS-95 1998年10月29日
30 スロバキアの旗 スロバキア[注釈 4] イヴァン・ベラ ロシアの旗 ソユーズTM-29 1999年2月20日
2000年代
31 南アフリカ共和国の旗 南アフリカ マーク・シャトルワース[注釈 6][注釈 8] ロシアの旗 ソユーズTM-34 2002年4月25日
32 イスラエルの旗 イスラエル [注釈 9] イラン・ラモーン アメリカ合衆国の旗 STS-107 2003年1月16日
33 中華人民共和国の旗 中国 楊利偉 中華人民共和国の旗 神舟5号 2003年10月15日
34 ブラジルの旗 ブラジル マルコス・ポンテス ロシアの旗 ソユーズTMA-8 2006年3月30日
35 イランの旗 イラン [注釈 10] アニューシャ・アンサリ[注釈 6][注釈 11][1] ロシアの旗 ソユーズTMA-9 2006年9月18日
36 スウェーデンの旗 スウェーデン クリステル・フォーグレサング アメリカ合衆国の旗 STS-116 2006年12月10日
37 マレーシアの旗 マレーシア シェイク・ムザファ・シュコア ロシアの旗 ソユーズTMA-11 2007年10月10日
38 大韓民国の旗 韓国 李素妍 ロシアの旗 ソユーズTMA-12 2008年4月8日
2010年代
39 デンマークの旗 デンマーク アンドレアス・モーゲンセン(英語版) ロシアの旗 ソユーズTMA-18M 2015年9月2日
40 カザフスタンの旗 カザフスタン[注釈 1] アイディン・アイムベトフ(英語版)
41 アラブ首長国連邦の旗 アラブ首長国連邦 ハザ・アル・マンスーリ(英語版) ロシアの旗 ソユーズMS-15 2019年9月25日
2020年代
42 オーストラリアの旗 オーストラリア[注釈 12] Chris Boshuizen[注釈 6][2] アメリカ合衆国の旗 Blue Origin NS-18 2021年10月13日
43 ポルトガルの旗 ポルトガル[注釈 12] マリオ・フェレイラ(英語版)[注釈 6] アメリカ合衆国の旗 Blue Origin NS-22 2022年8月4日
44 エジプトの旗 エジプト[注釈 12] Sara Sabry[注釈 6] アメリカ合衆国の旗 Blue Origin NS-22 2022年8月4日

脚注

  1. ^ a b c d ソ連の憲法によれば、初の宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンはソ連とロシア・ソビエト連邦社会主義共和国両方を市民権を保有していた。1991年、ソ連はアルメニアアゼルバイジャンベラルーシエストニアグルジアカザフスタンキルギスラトビアリトアニアモルドバロシアタジキスタントルクメニスタンウクライナウズベキスタンに解体された。解体当時、セルゲイ・クリカレフとアレクサンドル・ヴォルコフはミール宇宙ステーションにソ連の市民として周回軌道上にいた。彼らはロシア市民として地球に帰還している
  2. ^ 国際航空連盟(FAI)のルールによると、ボストークミッションは真の宇宙飛行ではないという。搭乗者のガガーリンは宇宙船から出てパラシュートによって着陸したからである。FAIのルールを満たしたソ連初の宇宙飛行ミッションはボスホート1号である(参考文献: “FAI Astronautic Records Commission - Sporting Code Section 8” (PDF). Fédération Aéronautique Internationale. 2006年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2006年4月9日閲覧。)しかしこのような議論に関わらず、 FAIはユーリイ・ガガーリンが世界初の宇宙飛行者であることを認めている(参考文献: “FAI Award: The Yuri A. Gagarin Gold Medal”. Fédération Aéronautique Internationale. 2007年10月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年10月10日閲覧。
  3. ^ シェパードの宇宙飛行は弾道飛行だった。軌道に投入された初のアメリカ人は1962年2月20日のジョン・グレンである
  4. ^ a b 1993年、チェコスロバキアチェコスロバキアに解体した。
  5. ^ a b 1978年、イェーン自身と東ドイツの関係各省が「東ドイツ市民初」ではなく、「ドイツ人初」と公言した。1990年、東ドイツは西ドイツと合併しドイツとなり、ウルフ・メルボルトはドイツ統一後の1992年1月22日に宇宙飛行を行った(彼自身は2度目)。しかし、今日の統一ドイツにおいてもイェーンのフライトがドイツ人初だと考えられている
  6. ^ a b c d e f g 商業的な非政府系の宇宙旅行者。秋山、シャーマンを除き観光客(スペースツーリスト)である。
  7. ^ 国家機関の宇宙飛行士ではなく、民間人(ジャーナリスト)として宇宙へ行った。宇宙機関NASDA)の宇宙飛行士として宇宙へ行った初の日本人は1992年の毛利衛である。
  8. ^ 民間人宇宙旅行者で初めて宇宙へ行ったアフリカ人。イギリスとの二重市民権を持っている
  9. ^ ラモーンは宇宙へ行った初のイスラエル人であるが、大気圏再突入時に死亡した。これはFAIルールの下では完全な宇宙飛行ではない。
  10. ^ イランの法律によればアンサリはイラン国民と認識されるが、彼女はアメリカ国民でもあり、アメリカとロシアは彼女にイラン的なシンボルの着用を禁止した。
  11. ^ 初の女性民間宇宙旅行者
  12. ^ a b c 周回軌道に乗らない弾道飛行である。

備考

上記のリストは打上げ時におけるその人物の国籍によって記載されている。これと異なる基準によっては以下の人物が含まれる場合がある。

  • パーヴェル・ポポーヴィチ(初飛行:1962年8月12日)は宇宙にいった初のウクライナ生まれの人物。当時ウクライナはソ連の一部だった。
  • マイケル・コリンズ(初飛行:1966年7月18日)はイタリア生まれでアメリカの両親を持つ。飛行時はアメリカ市民だった。
  • ウィリアム・アンダース(初飛行:1968年12月21日)はアメリカ国民で、宇宙に行った初の香港生まれの人物。
  • ウラジーミル・シャタロフ(初飛行:1969年1月14日)は宇宙に行った初のカザフスタン生まれの人物。当時カザフスタンはソ連の一部だった。
  • Bill Pogue(初飛行:1973年11月16日)は宇宙に行った初のインディアンと主張している。John Herringtonも参照。
  • ピョートル・クリムク(初飛行:1973年12月18日)は宇宙に行った初のベラルーシ生まれの人物。当時ベラルーシはソ連の一部だった。
  • ウラジーミル・ジャニベコフ(初飛行:1978年3月16日)は宇宙に行った初のウズベキスタン生まれの人物。当時ウズベキスタンはソ連の一部だった。
  • Paul D. Scully-Power(初飛行:1984年10月5日)はオーストラリア生まれだが、宇宙飛行時はアメリカ国民だった。
  • エリソン・オニヅカ(初飛行:1985年1月24日)はアメリカで生まれたが、日系アメリカ人3世である。
  • Taylor Gun-Jin Wang(初飛行:1985年4月29日)は中国生まれで、中国人の両親を持つが、宇宙飛行時はアメリカ国民だった。
  • Lodewijk van den Berg(初飛行:1985年4月29日)はオランダ生まれだが、宇宙飛行時はアメリカ国民だった。
  • Patrick Baudry(初飛行:1985年6月17日)はフランス領Cameroun(現在はカメルーンの一部)で生まれたが、宇宙飛行時はフランス国民だった。
  • シャノン・ルシッド(初飛行:1985年6月17日)は中国生まれで、ヨーロッパ系アメリカ人の両親を持つが、宇宙飛行時はアメリカ国民だった。
  • フランクリン・チャン=ディアス(初飛行:1986年1月12日)はコスタリカ生まれだが、宇宙飛行時はアメリカ国民だった。
  • ムサ・マナロフ(初飛行:1987年12月21日)は宇宙に行った初のアゼルバイジャン生まれの人物。当時アゼルバイジャンはソ連の一部だった。
  • アナトリー・ソロフィエフ(初飛行:1988年6月7日)は宇宙に行った初のラトビア生まれの人物。当時ラトビアはソ連の一部だった。
  • トクタル・アウバキロフ(初飛行:1991年10月2日)は宇宙に行った初のカザフ民族。
  • James H. Newman(初飛行:1993年9月12日)はアメリカ国民で、太平洋諸島信託統治領(現ミクロネシア連邦)で生まれた。
  • Frederick W. Leslie(初飛行:1995年10月20日)はアメリカ国民で、パナマ運河地帯(現パナマ)で生まれた。
  • アンディ・トーマス(初飛行:1996年5月19日)はオーストラリア生まれだが、宇宙飛行時はアメリカ市民だった。
  • Carlos I. Noriega(初飛行:1997年5月15日)はペルー生まれだが、宇宙飛行時はアメリカ市民だった。
  • Bjarni Tryggvason(初飛行:1997年8月7日)はアイスランド生まれだが、宇宙飛行時はカナダ国民だった。
  • Salizhan Sharipov(初飛行:1998年1月22日)はキルギス(当時キルギス・ソビエト社会主義共和国)生まれだが、宇宙飛行時はロシア国民だった。Sharipovはウズベクの家系に生まれた。
  • Philippe Perrin(初飛行:2002年6月5日)はモロッコ生まれだが、宇宙飛行時はフランス国民だった。
  • John Herrington(初飛行:2002年11月24日)はアメリカ国民で、初の部族公認(tribal registered)のインディアンチカソー)である。上記のBill Pogueも参照。
  • フョードル・ユールチキン(初飛行:2002年10月7日)はグルジア(当時グルジア・ソビエト社会主義共和国)で生まれたが、宇宙飛行時はロシア市民だった。ポントス人の子孫。
  • Joseph M. Acaba(初飛行:2009年3月15日)はアメリカで生まれたが、プエルトリコ系の両親を持つ。

参考文献

  1. ^ "Lift-off for woman space tourist (http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/5355022.stm)". BBC News 2006-9-18. Retrieved October 28, 2009.
  2. ^ “'It's not tourism for me': Meet Australia's next space traveller”. https://www.smh.com.au/national/it-s-not-tourism-for-me-meet-australia-s-next-space-traveller-20210927-p58v0r.html 2022年6月20日閲覧。 

関連項目

外部リンク

  • Current Space Demographics, compiled by William Harwood, CBS News Space Consultant, and Rob Navias, NASA.
宇宙開発に関連した一覧と年表
宇宙飛行
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