野村哲郎

野村 哲郎
のむら てつろう
農林水産大臣就任より公表された肖像
(2022年)
生年月日 (1943-11-20) 1943年11月20日(80歳)
出生地 日本の旗 日本鹿児島県姶良郡隼人町(現在の霧島市
出身校 ラ・サール高等学校卒業
前職 衆議院議員秘書
鹿児島県農業協同組合中央会参事
所属政党 自由民主党(茂木派
公式サイト 参議院議員 野村哲郎(のむらてつろう)

内閣 第2次岸田第1次改造内閣
在任期間 2022年8月10日 - 2023年9月13日

選挙区 鹿児島県選挙区
当選回数 4回
在任期間 2004年7月 - 現職
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野村 哲郎(のむら てつろう、1943年11月20日 - )は、日本政治家。自由民主党所属の参議院議員(4期)。鹿児島県霧島市(旧姶良郡隼人町)出身。

農林水産大臣(第67代)、農林水産大臣政務官(福田康夫改造内閣・麻生内閣)、参議院決算委員長、同政府開発援助等に関する特別委員長、同農林水産委員長自由民主党政務調査会長代理などを歴任[1]。甥は野村の第一秘書[2]

経歴

1962年ラ・サール高等学校卒業。1966年中馬辰猪衆議院議員秘書となる。1969年、鹿児島県農業協同組合中央会に入職。経営監査部長、参事、常務などを歴任し2004年に退職[3]

2004年7月の第20回参議院議員通常選挙に自由民主党公認で鹿児島県選挙区より出馬し初当選[4]

2008年8月、福田康夫改造内閣において農林水産大臣政務官に就任。

2010年7月の第22回参議院議員通常選挙で再選[4]

2016年7月の第24回参議院議員通常選挙鹿児島県知事選と同日選)で3選[5]

2017年8月、自民党農林部会長に就任[6]

2022年7月の第26回参議院議員通常選挙にて4選を果たす[7]

2022年8月10日、第2次岸田第1次改造内閣において農林水産大臣として初入閣。

政策・主張

憲法

  • 憲法改正について、2016年の朝日新聞社のアンケート、2022年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[8][9]
  • 9条改憲について、2016年の毎日新聞社のアンケートで「改正して、自衛隊の役割や限界を明記すべきだ」と回答[10]。2022年の毎日新聞社のアンケートで「改正して、自衛隊の存在を明記すべきだ」と回答[11]。9条への自衛隊の明記について、2022年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[9]
  • 憲法を改正し緊急事態条項を設けることについて、2022年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[9]

外交・安全保障

  • 「他国からの攻撃が予想される場合には先制攻撃もためらうべきではない」との問題提起に対し、2016年のアンケートで「どちらかと言えば賛成」と回答[8]
  • 敵基地攻撃能力を持つことについて、2022年のNHKのアンケートで「賛成」と回答[9]
  • 「北朝鮮に対しては対話よりも圧力を優先すべきだ」との問題提起に対し、2016年のアンケートで「どちらかと言えば賛成」と回答[8]
  • 安全保障関連法の成立について、2016年の毎日新聞社のアンケートで「今の法制でよい」と回答[10]
  • 普天間基地の移設問題について、2016年の毎日新聞社のアンケートで「沖縄県名護市辺野古に移設すべき」と回答[10]
  • 日本の核武装について、2016年の毎日新聞社のアンケートで「将来にわたって検討すべきでない」と回答[10]
  • ロシアは2022年2月24日、ウクライナへの全面的な軍事侵攻を開始した[12]。日本政府が行ったロシアに対する制裁措置についてどう考えるかとの問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「さらに強めるべきだ」と回答[9]。同年の毎日新聞社のアンケートで「制裁をより強めるべきだ」と回答[11]
  • 2022年6月7日、政府は経済財政運営の指針「骨太方針」を閣議決定した。NATO加盟国が国防費の目標としている「GDP比2%以上」が例示され、防衛力を5年以内に抜本的に強化する方針が明記された[13]。「防衛費を今後どうしていくべきだと考えるか」との問いに対し、2022年のNHKのアンケートで「ある程度増やすべき」と回答[9]

ジェンダー

  • 選択的夫婦別姓制度の導入について、2010年、2016年のアンケートで「反対」と回答[14][8]。2022年のNHKのアンケートで「どちらかといえば反対」と回答[9]
  • 同性婚を可能とする法改正について、2016年、2022年のアンケートで「反対」と回答[8][9]
  • クオータ制の導入について、2016年のアンケートで「どちらかと言えば反対」と回答[8]。2022年のNHKのアンケートで「反対」と回答[9]

その他

  • 永住外国人への地方参政権付与について、2016年のアンケートで「反対」と回答[8]
  • 首相の靖国神社参拝について、2016年のアンケートで「賛成」と回答[8]
  • 「治安を守るためにプライバシーや個人の権利が制約されるのは当然だ」との問題提起に対し、2016年のアンケートで「どちらかと言えば賛成」と回答[8]
  • 原子力発電所は日本に必要だと思うか」との問いに対し、2016年の毎日新聞社のアンケートで「当面は必要だが、将来的には廃止すべきだ」と回答[10]
  • 2016年の米国大統領選挙について「ドナルド・トランプヒラリー・クリントンのどちらを支持するか」との問いに対し、2016年の毎日新聞社のアンケートで「どちらとも言えない」と回答[10]
  • 2016年2月8日、高市早苗総務大臣は、放送局が政治的公平性を欠く放送を繰り返した場合、電波法に基づき電波停止を命じる可能性に言及した[15]安倍晋三首相は2月15日の衆議院予算委員会で野党の批判に反論し、高市の発言を擁護した[16]。政府の姿勢をどう思うかとの問いに対し、2016年の毎日新聞社のアンケートで「問題とは思わない」と回答[10]
  • 国会議員の被選挙権年齢の引き下げについて、2022年の毎日新聞社のアンケートで「反対」と回答[11]

政治献金

不祥事・疑惑

  • 野村の後援会が、2010年2~4月にかけて、キャバクラやスナックで会合した際の飲食代計約37万円を政治活動費として計上していたことが判明した。なお、野村自身はそれらの会食には出席していないと主張している。事務所長の男性は「大量の領収書の中に紛れ込んでしまった。」と述べている[18]
  • 野村が代表を務める野村哲郎後援会彩耀会が、JA鹿児島県中央会から鹿児島県農政連を迂回して、業務委託名目の委託料として、2008年から14年の間に合計2,520万円を受領していたが、これが違法寄付だとして市民団体刑事告発した[19]
  • 鶏卵生産大手「アキタフーズ」のグループ元代表秋田善祺(よしき)が野村を通じ、自民党の竹下派「平成研究会」のパーティー券を30万円分購入したのに、平成研が平成30年分の政治資金収支報告書に氏名などを記載していなかったことが10日、分かった。平成研は2020年12月9日付で収支報告書を訂正した。野村の事務所によると、野村は2018年2月14日に元代表と面会、パーティー券の購入資金を受け取ったという。パーティーは2018年3月に開催された。野村は2018年8月~2020年9月、自民党の農林部会長を務めていたが、「元代表個人からの要望などは受けていない」としている[20]

「汚染水」発言

  • 農林水産大臣在任中の2023年8月31日、首相官邸で行われた会議に出席後、取材を受けた際に、「それぞれの役所の取り組み状況あるいは、汚染水のその後の評価などで情報交換をした」と述べ、東京電力福島第一原発にたまるALPS処理水について、中国政府などが使う「汚染水」と発言した。その後、内閣総理大臣岸田文雄が発言の撤回と謝罪を指示し、その日の夜、ぶら下がり取材で「処理水を汚染水と言い間違えたことについて、全面的に謝罪して撤回を致したい。福島県の皆様をはじめ、一生懸命になっている関係者の皆様に不快な思いをさせ、申し訳なかった」と謝罪撤回した上で、「なぜそのときに汚染水と言ったのか、私も自分で言ったということを、もう全然記憶になかったものですから」と釈明し、「反省をふまえて、あらためて緊張感を持って、水産業者に寄り添った対策の実施に万全を尽くしたい」と述べ、辞任を否定した[21][22][23]
  • 翌日1日の記者会見で「汚染…、処理水という言葉を言い間違えたことについて、福島の皆さまをはじめ、関係者の皆さまに不快な思いをさせて申し訳なかったと、こういう気持ちでいっぱいでございます」と改めて謝罪した上で、「今申し上げましたように、改めて緊張感を持って水産事業者に寄り添って職務に当たりたいと、かように思っております」と改めて辞任を否定した。また、謝罪時に原稿を読んでいたことには、「昨日から申し上げているように、こういった間違いを起こしたことに対して、大変申し訳ないと、顔を上げて言えばよろしかったんでしょうけども、私は時々やっぱり口が滑ってしまう」と述べた[24]
  • この発言に対し、与野党から批判を受けた[21][24]他、中国外務省報道官の汪文斌は、1日の記者会見で「日本の政府関係者が汚染水に言及したことは事実を語ったにすぎない」と述べた[25]

人物・エピソード

  • 2020年5月9日、7月の鹿児島県知事選挙を前に、三反園訓が行った後援会の事務所開きに、自由民主党県連会長の森山裕と選挙対策委員長の野村哲郎が東京から参加した。終了後、報道陣の問いかけに森山は「党として推薦している立場もある。(自民県選出の国会議員のうち)2人だけ帰ってこさせてもらった」と説明していた。新型コロナウイルスに対応する緊急事態宣言下で、が「不要不急の来県自粛」を呼びかけていたさなかで批判を浴びることとなり、三反園は14日の記者会見で「配慮が足りなかった。反省している」と陳謝した[26][27]

所属団体・議員連盟

支援団体

脚注

  1. ^ “国会議員情報 野村 哲郎(のむら てつろう)”. 時事ドットコム (時事通信社). https://www.jiji.com/sp/giin?d=d5a5c399be8665f5f1125737d9972d31&c=san 2022年8月14日閲覧。 
  2. ^ “岸田首相がベテラン秘書を辞任させて起用した長男・翔太郎氏 仕事はツイッター更新か”. NEWSポストセブン. 2022年10月18日閲覧。
  3. ^ JA鹿児島中央会>「生産基盤さらに強化 鹿児島県JA畜産振興大会」
  4. ^ a b 公式ホームページ プロフィール
  5. ^ “自民・野村さん3選 参院選”. 読売新聞. (2016年7月11日). https://web.archive.org/web/20160711143052/http://www.yomiuri.co.jp/local/kagoshima/news/20160711-OYTNT50017.html 2016年7月13日閲覧。 
  6. ^ “農林部会長に野村氏 自民”. 日本農業新聞. (2017年8月19日). https://www.agrinews.co.jp/p41657.html 2017年8月22日閲覧。 
  7. ^ "参院選鹿児島選挙区 野村さん、保守王国守る 4期目「食の安保で集大成」". 373 News. 南日本新聞社. 10 July 2022. 2022年8月9日閲覧
  8. ^ a b c d e f g h i “野村哲郎”. 2016参院選 候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査). 朝日新聞社. 2022年5月18日閲覧。
  9. ^ a b c d e f g h i “選挙区 鹿児島”. 候補者アンケート - 参院選2022. NHK. 2022年6月27日閲覧。
  10. ^ a b c d e f g “2016参院選 自民 鹿児島 野村哲郎”. 毎日新聞. オリジナルの2016年6月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160627034013/http://mainichi.jp/senkyo/24san/meikan/?mid=B46000001001 2022年5月18日閲覧。 
  11. ^ a b c “野村哲郎 自民 鹿児島”. 第26回参院選. 毎日新聞社. 2022年6月28日閲覧。
  12. ^ “ロシアが全面侵攻開始、ウクライナは自国を防衛=クレバ外相”. ロイター (2022年2月24日). 2022年2月28日閲覧。
  13. ^ 川田篤志、柚木まり (2022年6月8日). “防衛費や子ども関連費倍増も 財源検討は参院選後に先送り 政府が「骨太方針」閣議決定”. 東京新聞. https://www.tokyo-np.co.jp/article/182147 2022年6月27日閲覧。 
  14. ^ 「2010参院選 候補者アンケート」毎日jp(毎日新聞社)、2010年6月26日。
  15. ^ “高市総務相発言 「電波停止」 波紋広げる理由とは”. 毎日新聞. (2016年2月11日). https://mainichi.jp/articles/20160212/k00/00m/040/071000c 2022年7月5日閲覧。 
  16. ^ “【衆院予算委】安倍首相、電波停止「民主党政権で同じ答弁」”. 産経新聞. (2016年2月15日). https://www.sankei.com/article/20160215-4QJFNEWS65PKDM4SFNGCRMFAJA/ 2022年7月5日閲覧。 
  17. ^ “2017/11/1内閣の政務三役、自民党役員のタバコ業界からの献金額、たばこ議連・特別委員会所属一覧”. 「子どもに無煙環境を」推進協議会 (2018年1月30日). 2022年6月25日閲覧。
  18. ^ 「政治資金でキャバクラ 自民参院議員後援会『領収書に紛れ込んでしまった』」、スポーツニッポン新聞、2011年12月1日
  19. ^ 「野村哲郎議員がJA鹿児島から迂回献金、市民団体が刑事告発」 Net IB News、2016年2月27日。
  20. ^ 平成研、アキタ元代表のパーティー券購入記載せず 野村参院議員通じて 産経新聞、2020年12月10日
  21. ^ a b 日本放送協会 (2023年8月31日). ““汚染水”発言 野村農林水産相が撤回「全面的に謝罪する」 | NHK”. NHKニュース. NHK. 2023年9月2日閲覧。
  22. ^ “野村農水相「汚染水」発言 岸田首相 謝罪・撤回指示|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2023年8月31日). 2023年9月2日閲覧。
  23. ^ “「全然記憶になかった」野村農水大臣が“汚染水”発言を謝罪・撤回 辞任は否定”. TBS NEWS DIG (2023年9月1日). 2023年9月2日閲覧。
  24. ^ a b “【中国も言及】「処理水」→「汚染水」発言の野村哲郎農水相(79) 辞任否定も連日の“読み上げ”謝罪に批判も|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2023年9月1日). 2023年9月2日閲覧。
  25. ^ 日本放送協会 (2023年9月1日). “中国「事実を語ったにすぎない」 野村農相“汚染水”発言で | NHK”. NHKニュース. 2023年9月2日閲覧。
  26. ^ “来県自粛中、事務所開きに国会議員 鹿児島知事「反省」:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル. 2021年5月27日閲覧。
  27. ^ “鹿児島知事選の事務所開きに国会議員出席 三反園氏「反省。要請していない」”. 毎日新聞. 2021年5月27日閲覧。
  28. ^ “自民党たばこ議員連盟臨時総会(出席者)”. 2018年4月11日閲覧。
  29. ^ “政務調査会(部会・調査会・特別委員会等) - 自由民主党 役員”. 自由民主党. 2020年4月11日閲覧。
  30. ^ a b c 俵義文、日本会議の全貌、花伝社、2016年
  31. ^ “2022年6月号”. 全国たばこ新聞 (全国たばこ販売協同組合連合会). (2022年5月25日). https://zenkyou.xsrv.jp/wp-content/uploads/2022/05/%E5%85%A8%E5%9B%BD%E3%81%9F%E3%81%B0%E3%81%93%E6%96%B0%E8%81%9E2022%E5%B9%B46%E6%9C%88%E5%8F%B7.pdf#page=6 2022年5月26日閲覧。 

外部リンク

  • 野村哲郎 公式ウェブサイト
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