カイル・ヘンドリックス

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  • カイル・ヘンドリクス
カイル・ヘンドリックス
Kyle Hendricks
シカゴ・カブス #28
2016年11月2日
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 カリフォルニア州ニューポートビーチ
生年月日 (1989-12-07) 1989年12月7日(34歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
190 lb =約86.2 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2011年 MLBドラフト8巡目(全体264位)
初出場 2014年7月10日
年俸 $14,000,000(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
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プロジェクト:野球選手  ■テンプレート

カイル・クリスチャン・ヘンドリックスKyle Christian Hendricks, 1989年12月7日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ニューポートビーチ出身のプロ野球選手投手)。右投右打。MLBシカゴ・カブス所属。愛称はヘンド[2]

経歴

プロ入り前

2008年MLBドラフト39巡目(全体1189位)でロサンゼルス・エンゼルスから指名されたが、ダートマス大学へ進学した。

プロ入りとレンジャーズ傘下時代

2011年MLBドラフト8巡目(全体264位)でテキサス・レンジャーズから指名され、プロ入り。傘下のA-級スポケーン・インディアンス(英語版)でプロデビュー。リリーフとして20試合に登板して2勝2敗3セーブ・防御率1.93・36奪三振の成績を残した。9月にAA級フリスコ・ラフライダーズへ昇格し、先発に転向。1試合に登板した。

2012年はA+級マートルビーチ・ペリカンズに所属し、20試合に先発登板して5勝8敗・防御率2.82・112奪三振の成績を残した。6月にはカロライナリーグのオールスターチームに選出された[3]

カブス時代

2012年7月31日にライアン・デンプスターとのトレードで、クリスチャン・ビヤヌエバと共にシカゴ・カブスへ移籍した[4]。移籍後はA+級デイトナ・カブスに所属し、5試合(先発4試合)に登板して1勝0敗・防御率4.24・11奪三振の成績を残した。

2013年はまずAA級テネシー・スモーキーズに所属し、21試合に先発登板して10勝3敗・防御率1.85・101奪三振の成績を残した。8月にAAA級アイオワ・カブスへ昇格。6試合に先発登板して3勝1敗・防御率2.48・27奪三振の成績を残した。

2014年1月22日にはカブスの2013年度マイナーリーグ最優秀選手に選ばれた[5]。AAA級アイオワで開幕を迎え、17試合に先発登板。10勝5敗・防御率3.59・97奪三振の成績で、7月10日にカブスとメジャー契約を結んだ[6]。同日のシンシナティ・レッズ戦で先発起用されメジャーデビュー。6回を投げ、5安打4失点3四球7奪三振という内容だったが、勝ち負けは付かなかった[7]。7月22日のサンディエゴ・パドレス戦で初勝利。8月は4勝を挙げ、ナ・リーグルーキー・オブ・ザ・マンスに選出された。この年は13試合に先発登板し、7勝2敗・防御率2.46・WHIP1.08という好成績だった。シーズンオフのルーキー・オブ・ザ・イヤーの投票では2ポイント獲得し、ナ・リーグ7位タイであった[8]

2015年は完全に先発ローテーションに定着し、32試合に登板。5月21日の対サンディエゴ・パドレス戦では、5安打7奪三振無四球の快投でメジャー初完封を記録[9]したが、シーズン全体では良い時と悪い時の調子の波が大きかった[10]。また、調子が良くて好投した試合で味方打線の援護が得られないケースが頻発した為、防御率3.95・8勝7敗・WHIP1.16という成績で勝ち運に恵まれなかった[10]

2016年は前半戦を防御率2.56の好成績で折り返した。後半戦では投球に一層の安定感が増し、8月1日のマイアミ・マーリンズ戦で完封勝利、9月12日の対セントルイス・カージナルス戦では8回1失点など、14試合で防御率1.68を記録した。シーズン通算では31試合に登板し190イニングを投げ、防御率2.13・16勝8敗・170奪三振・WHIP0.98を記録。同僚のジョン・レスターに0.31の差をつけて最優秀防御率のタイトルを獲得した。サイ・ヤング賞の投票では、マックス・シャーザー、レスターに次ぐ3位だった[11]

2017年は開幕から11試合で4勝3敗・防御率4.09と調子が上がらず、6月8日に右手中指の腱炎によって故障者リスト入りした[12]。7月24日の対シカゴ・ホワイトソックス戦で復帰し、それ以後は13試合で防御率2.19と好投したが、シーズン通算では24試合先発で7勝5敗・防御率3.03で規定投球回にも届かなかった。

2019年3月26日、4年総額5550万ドルで契約を延長した。オプションとして2024年シーズンの契約の選択権を球団が持つ[13]。5月3日のカージナルス戦に81球で勝利しキャリア初のマダックス(成績)(英語版)を手にした。マダックスを意識していたため、「ラッキーだったよ。毎回、早めにコンタクトを取って、早めにアウトを取ろうとしている。こうなったら、『見て、やったぞ!』って言えるんだよ。」とコメントした[14]。この年は30試合に登板し、11勝10敗・防御率3.46などの成績だった。

2020年は新型コロナウイルスの影響で60試合制の短縮シーズンとなり、7月24日に自身初の開幕投手ミルウォーキー・ブルワーズに対して3安打(いずれも単打)・四死球なし・9奪三振・103球の圧巻の投球で完封勝利を記録した[15]。開幕戦での完封勝利はMLBではクレイトン・カーショウ以来7年ぶり、カブスではビル・ボナム(英語版)以来46年ぶりであった[16]。この年は12試合に登板し、6勝5敗・防御率2.88などの成績だった。

2021年4月1日のパイレーツとの開幕戦で2年連続2度目の開幕投手を務めた[17]。この年は32試合に登板し、リーグ5位の14勝・7敗・防御率4.77などの成績だった。

2022年に3年連続3度目の開幕投手を務めた。7月5日のミルウォーキー・ブルワーズ戦で右肩の張りを訴えて降板した後、負傷者リストに登録され[18]、結果的にシーズン中に復帰することはできなかった。この年は16試合に登板し、4勝6敗・防御率4.80などの成績だった。

2023年5月25日のニューヨーク・メッツ戦で10ヶ月以上ぶりの復帰登板を果たした。これと同時にカブスで実働10年となったが、これはカブスの投手としては12人目のことであった[19]

選手としての特徴

オーバースローから、平均88mph(約142km/h)のシンカーを中心に、決め球である平均81mph(約130km/h)のチェンジアップ、その他に平均89mph(約143km/h)のフォーシーム、平均76mph(約122km/h)カーブを使用する[21]速球の最速は2014年に計測した93.1mph(約149.8km/h)。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2014 CHC 13 13 0 0 0 7 2 0 0 .778 321 80.1 72 4 15 2 4 47 0 0 24 22 2.46 1.08
2015 32 32 1 1 1 8 7 0 0 .533 739 180.0 166 17 43 1 8 167 3 1 82 79 3.95 1.16
2016 31 30 2 1 0 16 8 0 0 .667 745 190.0 142 15 44 3 8 170 5 0 53 45 2.13 0.98
2017 24 24 0 0 0 7 5 0 0 .583 570 139.2 126 17 40 1 2 123 0 0 49 47 3.03 1.19
2018 33 33 0 0 0 14 11 0 0 .560 812 199.0 184 22 44 4 9 161 0 0 82 76 3.44 1.15
2019 30 30 1 1 1 11 10 0 0 .524 730 177.0 168 19 32 1 9 150 1 0 78 68 3.46 1.13
2020 12 12 1 1 0 6 5 0 0 .545 315 81.1 73 10 8 1 1 64 1 0 26 26 2.88 1.00
2021 32 32 1 0 0 14 7 0 0 .667 785 181.0 200 31 44 3 13 131 2 0 101 96 4.77 1.35
2022 16 16 0 0 0 4 6 0 0 .400 356 84.1 85 15 24 0 3 66 0 0 45 45 4.80 1.29
2023 24 24 0 0 0 6 8 0 0 .429 578 137.0 138 13 27 0 4 93 0 0 68 57 3.74 1.20
MLB:10年 247 246 6 4 2 93 69 0 0 .574 5951 1449.2 1354 163 321 16 61 1172 12 1 608 561 3.48 1.16
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

MLBポストシーズン投手成績


















































W
H
I
P
2015 CHC NLDS 1 1 0 0 0 0 ---- 18 4.2 4 3 0 0 0 7 0 0 3 3 5.79 0.86
NLCS 1 1 0 0 0 0 ---- 17 4.0 5 1 1 0 0 4 0 0 2 2 4.50 1.50
2016 NLDS 1 1 0 0 0 0 ---- 15 3.2 4 0 0 0 0 0 0 0 2 2 4.91 1.09
NLCS 2 2 1 1 0 0 .500 46 12.2 5 1 4 0 0 11 0 0 1 1 0.71 0.71
WS 2 2 0 0 0 0 ---- 39 9.0 10 0 3 0 1 8 0 0 2 1 1.00 1.44
2017 NLDS 2 2 1 0 0 0 1.000 49 11.0 11 2 4 1 1 13 0 0 4 4 3.27 1.36
NLCS 1 1 0 1 0 0 .000 23 5.0 6 2 1 0 0 5 0 0 4 3 5.40 1.40
2018 NLWC 1 0 0 1 0 0 .000 7 1.1 3 0 0 0 0 0 0 0 1 1 6.75 2.25
2020 NLWC 1 1 0 1 0 0 .000 28 6.1 5 1 3 0 1 3 0 0 3 3 4.26 1.26
出場:5回 12 11 2 4 0 0 .333 242 57.2 53 10 16 1 3 51 0 0 22 20 3.12 1.20
  • 2023年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手(P)












2014 CHC 13 4 16 0 3 1.000
2015 32 17 29 0 2 1.000
2016 31 16 30 0 2 1.000
2017 24 17 29 1 3 .979
2018 33 13 31 1 3 .978
2019 30 10 29 2 0 .951
2020 12 7 13 0 0 1.000
2021 32 17 20 0 0 1.000
2022 16 5 8 1 0 .929
2023 24 9 21 2 0 .938
MLB 247 115 226 7 13 .980
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

タイトル

  • 最優秀防御率:1回(2016年)

表彰

記録

背番号

  • 28(2014年 - )

脚注

  1. ^ “Kyle Hendricks Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年9月22日閲覧。
  2. ^ Explaining Cubs Players Weekend nicknames MLB.com (英語) (2017年8月24日) 2017年9月29日閲覧
  3. ^ “2012 All-Star Rosters Announced”. MiLB.com (2012年6月11日). 2014年7月12日閲覧。
  4. ^ “Cubs acquire righthander Kyle Hendricks and infielder Christian Villanueva from Texas”. MLB.com Cubs Press Release (2012年7月31日). 2014年7月12日閲覧。
  5. ^ Josh Jackson (2014年1月22日). “Hendricks balanced pro ball, Ivy League”. MiLB.com. 2014年7月12日閲覧。
  6. ^ “Cubs select RHP Kyle Hendricks from Triple-A Iowa, option RHP Dallas Beeler to Iowa”. MLB.com Cubs Press Release (2014年7月10日). 2014年7月12日閲覧。
  7. ^ “Scores for Jul 10, 2014”. ESPN MLB (2014年7月10日). 2014年7月12日閲覧。
  8. ^ 2014 Awards Voting - NL Rookie of the Year Voting - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年5月5日閲覧。
  9. ^ Kyle Hendricks 2015 Pitching Gamelogs - Baseball-Reference.com (英語) . 2016年5月5日閲覧。
  10. ^ a b 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2016』廣済堂出版、2016年、366頁。ISBN 978-4-331-52002-4。 
  11. ^ “2016 Awards Voting”. 2020年8月15日閲覧。
  12. ^ “カブス・ヘンドリックスがDL入り”. サンケイスポーツ (2017年6月9日). 2017年11月6日閲覧。
  13. ^ “Kyle Hendricks contract extension with Cubs” (英語). MLB.com. 2019年3月26日閲覧。
  14. ^ Sharma, Sahadev. “‘Look, I did it!’: Kyle Hendricks throws an 81-pitch...”. ジ・アスレチック(英語版). 2019年5月6日閲覧。
  15. ^ “カブス・ヘンドリックス、初の開幕投手で3安打完封”. 日刊スポーツ (2020年7月25日). 2020年8月15日閲覧。
  16. ^ “MLB Opening Day facts to know” (英語). MLB.com (2020年7月25日). 2020年8月15日閲覧。
  17. ^ Jordan Bastian (2021年4月2日). “Hendricks' shaky command 'uncharacteristic'” (英語). MLB.com. 2021年4月12日閲覧。
  18. ^ “Kyle Hendricks injury update: Cubs starter lands on injured list with shoulder strain” (英語). CBSスポーツ (2022年7月6日). 2023年5月26日閲覧。
  19. ^ “Kyle Hendricks returns from injury, makes first 2023 start” (英語). MLB.com(英語版) (2023年5月25日). 2023年5月26日閲覧。
  20. ^ “Kyle Hendricks ≫ PitchFx ≫ Overview”. FanGraphs.com. 2017年8月23日閲覧。
  21. ^ 各球種の平均球速は2016年シーズンに基づく。[20]

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、カイル・ヘンドリックスに関連するカテゴリがあります。
  • 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
  • Kyle Hendricks stats MiLB.com (英語)
  • Kyle Hendricks (@kylehendricks28) - X(旧Twitter)
シカゴ・カブス ロースター
投手
捕手
内野手
外野手
監督・コーチ
  • 30 クレイグ・カウンセル(監督)
  • 84 ライアン・フラハーティ(ベンチコーチ)
  • 76 ダスティン・ケリー(打撃コーチ)
  • 96 ジム・アドゥチ(打撃コーチ補佐兼ゲームプランニングコーチ)
  • 63 フアン・カブレハ(打撃コーチ補佐)
  • 80 ジョン・マリー(英語版)(打撃コーチ補佐)
  • 68 トミー・ホットビー(英語版)(投手コーチ)
  • 53 ダニエル・モスコス(英語版)(投手コーチ補佐)
  • 55 マイク・ナポリ(一塁コーチ)
  • 33 ウィリー・ハリス(三塁コーチ)
  • 81 クレイグ・ドライバー(英語版)(捕手コーチ)
  • 79 ダレン・ホームズ(英語版)(ブルペンコーチ)
  • 97 アレックス・スミス(コーチ兼データ開発担当)
  • 85 ギャレット・ロイド(ブルペン捕手)
  • -- ダニー・ハルツェン(投球ストラテジスト)
公式サイト(英語)より 40人ロースター 監督・コーチ一覧 2024年5月13日更新
 
業績
ナショナルリーグ最優秀防御率
1870年代
1880年代
1890年代
1900年代
1910年代
1920年代
1930年代
1940年代
1950年代
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
シカゴ・カブス開幕投手
1870年代
1880年代
1890年代
1900年代
  • 00 クラーク・グリフィス
  • 01 ジャック・テイラー
  • 02 ジャック・テイラー
  • 03 ジャック・テイラー
  • 04 ジェイク・ウェイマー
  • 05 カール・ラングレン
  • 06 カール・ラングレン
  • 07 オーバル・オーバーロール
  • 08 オーバル・オーバーロール
  • 09 オーバル・オーバーロール
1910年代
1920年代
1930年代
  • 30 シェリフ・ブレイク
  • 31 チャーリー・ルート
  • 32 チャーリー・ルート
  • 33 ロン・ワーネク
  • 34 ロン・ワーネク
  • 35 ロン・ワーネク
  • 36 ロン・ワーネク
  • 37 ラリー・フレンチ
  • 38 クレイ・ブライアント
  • 39 ビル・リー
1940年代
  • 40 ビル・リー
  • 41 クロード・パッソー
  • 42 クロード・パッソー
  • 43 ポール・デリンジャー
  • 44 ハンク・ワイズ
  • 45 ポール・デリンジャー
  • 46 クロード・パッソー
  • 47 ハンク・ボローウィー
  • 48 ラス・メイヤー
  • 49 ダッチ・レナード
1950年代
  • 50 ジョニー・シュミッツ
  • 51 フランク・ヒラー
  • 52 ポール・ミナー
  • 53 ボブ・ラッシュ
  • 54 ポール・ミナー
  • 55 ボブ・ラッシュ
  • 56 ボブ・ラッシュ
  • 57 ボブ・ラッシュ
  • 58 ジム・ブロスナン
  • 59 ボブ・アンダーソン
1960年代
1970年代
1980年代
1990年代
2000年代
2010年代
2020年代
シカゴ・カブス 2016年のワールドシリーズ ロースター
   

監督
70 ジョー・マドン

コーチ
01 ゲイリー・ジョーンズ(三塁)
04 デーブ・マルティネス(ベンチ)
11 ジョン・マリー(打撃)
16 ブランドン・ハイド(一塁)
25 クリス・ボシオ(投手)
35 レスター・ストロード(ブルペン)
58 マイク・ボーゼロ(捕手)
64 ヘンリー・ブランコ(クオリティコントロール)
77 エリック・ヒンスキー(打撃補佐)

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