南アフリカでの3人のロシア人と3人のイギリス人の冒険

南アフリカでの3人のロシア人と3人のイギリス人の冒険
Aventures de trois Russes et de trois Anglais dans l'Afrique australe
原書の扉絵[1]
原書の扉絵[1]
著者 ジュール・ヴェルヌ
イラスト ジュール・フェラ
発行日 1872年
発行元 P-J・エッツェル
ジャンル 通俗科学
冒険小説
フランスの旗 フランス
言語 フランス語
形態 雑誌掲載
前作 洋上都市
次作 毛皮の国
ウィキポータル 文学
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南アフリカでの3人のロシア人と3人のイギリス人の冒険』(みなみアフリカでのさんにんのロシアじんとさんにんのイギリスじんのぼうけん、Aventures de trois Russes et de trois Anglais dans l'Afrique australe) はジュール・ヴェルヌの冒険小説。雑誌掲載後、1872年に驚異の旅シリーズとして刊行された。

ストーリー

1854年、イギリスとロシアの共同委員会は、18か月間の作業で南アフリカのケープ植民地子午線弧を測定することにした。

実行グループは、イギリス人の天文学者エベレスト大佐、ウィリアム・エメリー、ジョン・マレー卿の3名と、ロシア人の天文学者マティアス・ストラクス、ニコラス・パランダー、マイケル・ゾーンの3名、そして中道的なフランス人の科学者で構成されており[2]、モクウムという勇敢なサン人も同行している。

物語が進むにつれ、グループの2人のリーダー、エベレストとストラクスは国家の違いと学者のプライドをめぐり、常に衝突する。やがて、1854年にクリミア戦争が勃発したことを知るに及び、国家の違いを理由として調査隊は別々に調査活動を進めるために別れた。しかし、当地の部族マコロロスの脅威に直面し、ロシアとイギリスの科学者たちは国籍の違いを乗り越えて、協同で研究を終えるために合流する。

解説

メートル法の導入は、準備段階ではなかなか進まなかった。イギリスは技術的に有利な立場だったが、ロシアも追いつきたいと考えていた。小説の中で、ヴェルヌはそれに必要な地理的・測地学的な情報を提供している。科学的な根拠は地表と目盛りの正確な測定にあるが、測定の手順も詳細に説明されている。

登場人物

  • エベレスト大佐 - イギリス人の科学者
  • ジョン・マレー卿 - イギリス人の科学者
  • ウィリアム・エメリー - イギリス人の科学者
  • マティアス・ストラクス - ロシア人の科学者
  • ニコラス・パランダー - ロシア人の科学者
  • マイケル・ゾーン - ロシア人の科学者
  • モクウム - 現地ガイド
  • モクウムの犬
  • ムリバハン - 現地ガイド
  • トーマス・デール牧師

出版

本作品は、1871年11月20日から1872年9月5日まで教育娯楽雑誌に連載され、同年に刊行された驚異の旅シリーズ「洋上都市」に収録された。

日本語訳

原抱一庵訳『三英三露 大観測』1890年

文献

底本

  • Jules Verne: Abenteuer von drei Russen und drei Engländern in Afrika. Nach einer alten Übersetzung bearbeitet von Manfred Hoffmann. Verlag Neues Leben, Berlin 1989, ISBN 3-355-00864-8.

二次的文献

  • Jacques Crovisier, Géodésiens et astronomes réels ou fictifs dans les ‚Aventures de trois Russes et de trois Anglais dans l’Afrique Australe, Verniana 1992.
  • Heinrich PletichaJules Verne Handbuch, Deutscher Bücherbund / Bertelsmann, 2005.
  • Volker Dehs, Ralf Junkerjürgen Jules Verne. Stimmen und Deutungen zu seinem Werk, Phantastische Bibliothek Wetzlar, 2005.
  • Volker Dehs, Jules Verne. Eine kritische Biographie, Artemis & Winkler, 2005 ISBN 3-538-07208-6
  • Brian Taves u. a., The Jules Verne Encyclopedia, Scarecrow Press, 1996.

脚注

  1. ^ ジュール・フェラによる挿絵
  2. ^ Vgl. hierzu die Neuauflage: Jules Verne, Abenteuer von drei Russen und drei Engländern in Afrika. Berlin 1989

外部リンク

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南アフリカでの3人のロシア人と3人のイギリス人の冒険
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  • ジュール・ヴェルヌの天文学(フランス語)
1850年代
1860年代
1870年代
1880年代
1890年代
  • セザール・カスカベル(フランス語版)(1890年)
  • ブラニカン夫人(フランス語版)(1891年)
  • ラトン一家の冒険(1891年)
  • カルパチアの城(1892年)
  • クロディウス・ボンバルナック(フランス語版)(1892年)
  • 坊や(フランス語版)(1893年)
  • アンティフェール親方の驚くべき冒険(フランス語版)(1894年)
  • 動く人工島(1895年)
  • 悪魔の発明(1896年)
  • クローヴィス・ダルデントル(フランス語版)(1896年)
  • 美しき黄なるドナウ(フランス語版)(1896年)
  • 氷のスフィンクス(1897年)
  • マゼラン地方にて(フランス語版)(1897年)
  • 素晴らしきオリノコ河(フランス語版)(1898年)
  • ある変人の遺言(フランス語版)(1899年)
1900年代
  • 第二の祖国(フランス語版)(1900年)
  • 黄金火山(フランス語版)(1900年)
  • 空中の村(フランス語版、英語版)(1901年)
  • ジャン=マリ・カビドゥランの物語(フランス語版)(1901年)
  • ヴィルヘルム・シュトリッツの秘密(フランス語版)(1901年)
  • 黄金の流星(フランス語版)(1901年)
  • キップ兄弟(フランス語版)(1902年)
  • 探検奨学金(1903年)
  • 地の果ての燈台(1903年)
  • リヴォニアでの惨劇(フランス語版)(1904年)
  • 世界の支配者(1904年)
  • 海の侵入(フランス語版)(1905年)
  • トンプソン旅行代理店(フランス語版)(1907年)
1910年代
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