第19回宝塚記念

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1978年6月4日阪神競馬場で行われた第19回宝塚記念について詳細を記述する。

  • なお、馬齢については当時の表記方法(数え年)とする。

レース施行時の状況

この年の宝塚記念も前年の6頭に続き、出走頭数わずか7頭と少ない顔ぶれであったが、エリモジョージグリーングラスホクトボーイと3頭の天皇賞馬が出走する豪華版となった。

1番人気の関東馬・グリーングラスは、4歳時に12番人気で第37回菊花賞を優勝。5歳時はトウショウボーイテンポイントと共に「TTG」と呼ばれる三強を形成し、幾度となく死闘を繰り広げた。TTの2頭が去ったこの年は天皇賞(春)を制し、2年連続3度目の挑戦で見事に盾を掴んだ。ファン投票でも堂々の1位に選出され、単勝2.3倍と抜けた1番人気であった。

2番人気の関西馬・エリモジョージは、5歳時に不良馬場の天皇賞(春)を12番人気で逃げ切ったが、6歳時は低迷に陥る。7歳になったこの年は福永洋一が再び騎手に起用され、京都記念(春)を60kgを背負いながら逃げ切ると、鳴尾記念も62kgを背負いながら逃げ切ってしまう。重賞2連勝と快進撃を始めたこの馬が2番人気であった。

3番人気は5歳時の天皇賞(秋)でトウショウボーイとグリーングラスを破ったホクトボーイ。この年は京都記念(春)と鳴尾記念で共に62kgを背負ったが、エリモジョージに大差で逃げ切られていた。

以下の人気は、この年の天皇賞(春)で2着に突っ込んだトウフクセダン、前年の春秋天皇賞2着馬で、エイトクラウンとの母仔制覇にナオキとの兄弟制覇の両方が懸かるクラウンピラードGI級レースはおろか、重賞も未勝利のシンザン産駒・ハシコトブキサンケイ大阪杯でホクトボーイを破ったキングラナークと続いていた。

出走馬

芝2200メートル 天候・曇 馬場状態・重
枠番 馬番 競走馬名 騎手 オッズ 調教師
1 1 ハシコトブキ 牡5 安田伊佐夫 6人(59.3) 内藤繁春
2 2 クラウンピラード 牡6 佐々木昭次 5人(27.0) 田中康三
3 3 グリーングラス 牡5 岡部幸雄 1人(2.3) 中野隆良
4 4 トウフクセダン 牡6 宮田仁 4人(19.1) 大久保末吉
5 5 キングラナーク 牡6 岩元市三 7人(79.8) 布施正
6 6 ホクトボーイ 牡6 久保敏文 3人(5.8) 久保道雄
7 7 エリモジョージ 牡7 福永洋一 2人(3.6) 大久保正陽

レース展開

最終コーナー奥のポケットからスタートした6頭は、外枠から好スタートを切ったエリモジョージがハナを奪い、グリーングラスがやや外目を通ってそれに続き、ホクトボーイは控える格好になった。最初のゴール板通過は、エリモジョージ・グリーングラス・トウフクセダン・キングラナーク・ハシコトブキ・ホクトボーイ・クラウンピラードの順。エリモジョージがマイペースで逃げ、グリーングラスがマークする形となり、3コーナーでホクトボーイがスパートを開始。天皇賞馬3頭が先団を固めて4コーナーに入るが、エリモジョージの鞍上の福永には左右を確かめる余裕があった。グリーングラスが内に進路を変えると、ホクトボーイもよれながら内に入る。結局エリモジョージの脚は衰えることなく、重馬場を味方に付けて押し切り1着。なお、1番人気のグリーングラスは4馬身差の2着に終わり、3番人気のホクトボーイは2馬身差の3着であった。

レース結果

着順 枠番 馬番 競走馬名 着差
1 7 7 エリモジョージ 2分14秒2
2 3 3 グリーングラス 4馬身
3 6 6 ホクトボーイ 2馬身
4 4 4 トウフクセダン 2馬身
5 5 5 キングラナーク 1.1/4
6 1 1 ハシコトブキ アタマ
7 2 2 クラウンピラード アタマ

払戻

単勝式 7 270円
複勝式 7 170円
3 100円
連勝複式 7-3 280円

脚注

日本の旗 宝塚記念勝ち馬
   

国際競走指定前:
01回(1960年) ホマレーヒロ
02回(1961年) シーザー
03回(1962年) コダマ
04回(1963年) リユウフオーレル
05回(1964年) ヒカルポーラ
06回(1965年) シンザン
07回(1966年) エイトクラウン
08回(1967年) タイヨウ
09回(1968年) ヒカルタカイ
第10回(1969年) ダテホーライ
第11回(1970年) スピードシンボリ
第12回(1971年) メジロムサシ
第13回(1972年) ショウフウミドリ
第14回(1973年) ハマノパレード
第15回(1974年) ハイセイコー
第16回(1975年) ナオキ
第17回(1976年) フジノパーシア
第18回(1977年) トウショウボーイ
第19回(1978年) エリモジョージ
第20回(1979年) サクラショウリ
第21回(1980年) テルテンリュウ
第22回(1981年) カツアール
第23回(1982年) モンテプリンス

第24回(1983年) ハギノカムイオー
第25回(1984年) カツラギエース
第26回(1985年) スズカコバン
第27回(1986年) パーシャンボーイ
第28回(1987年) スズパレード
第29回(1988年) タマモクロス
第30回(1989年) イナリワン
第31回(1990年) オサイチジョージ
第32回(1991年) メジロライアン
第33回(1992年) メジロパーマー
第34回(1993年) メジロマックイーン
第35回(1994年) ビワハヤヒデ
第36回(1995年) ダンツシアトル
第37回(1996年) マヤノトップガン

国際競走指定後:
第38回(1997年) 日本の旗 マーベラスサンデー
第39回(1998年) 日本の旗 サイレンススズカ
第40回(1999年) 日本の旗 グラスワンダー
第41回(2000年) 日本の旗 テイエムオペラオー

国際G1昇格後:
第42回(2001年) 日本の旗 メイショウドトウ
第43回(2002年) 日本の旗 ダンツフレーム

第44回(2003年) 日本の旗 ヒシミラクル
第45回(2004年) 日本の旗 タップダンスシチー
第46回(2005年) 日本の旗 スイープトウショウ
第47回(2006年) 日本の旗 ディープインパクト
第48回(2007年) 日本の旗 アドマイヤムーン
第49回(2008年) 日本の旗 エイシンデピュティ
第50回(2009年) 日本の旗 ドリームジャーニー
第51回(2010年) 日本の旗 ナカヤマフェスタ
第52回(2011年) 日本の旗 アーネストリー
第53回(2012年) 日本の旗 オルフェーヴル
第54回(2013年) 日本の旗 ゴールドシップ
第55回(2014年) 日本の旗 ゴールドシップ
第56回(2015年) 日本の旗 ラブリーデイ
第57回(2016年) 日本の旗 マリアライト
第58回(2017年) 日本の旗 サトノクラウン
第59回(2018年) 日本の旗 ミッキーロケット
第60回(2019年) 日本の旗 リスグラシュー
第61回(2020年) 日本の旗 クロノジェネシス
第62回(2021年) 日本の旗 クロノジェネシス
第63回(2022年) 日本の旗 タイトルホルダー
第64回(2023年) 日本の旗 イクイノックス