ハティ

曖昧さ回避 この項目では、北欧神話に登場する狼について説明しています。土星の衛星の「ハティ」については「ハティ (衛星)」をご覧ください。
ウィリー・ポガニー(英語版)が描いたハティとスコル。(1920年)

ハティ(Hati) は古ノルド語で「憎しみ」「敵」を意味する[1]北欧神話に登場する。

マーニ)を絶えず追いかけており、月食はこの狼が月を捕らえたために起こると考えられた。一説にはフェンリルの息子とされることもあり、『ギュルヴィたぶらかし』第12章[2]では「ハティ・フローズヴィトニルソン」(フローズヴィトニルはフェンリルの別名)と呼ばれている。さらに『たぶらかし』第51章によれば、ラグナロクの際には、とうとう月に追いついて、これに大損害を与えるとされている[3]

同じく月を追うとされる「マーナガルム」と同一視されることもある。(マーナガルム#ハティとの関係を参照。)

日食や月食が生じるのは天空の怪物の仕業だとする説話は世界各地にあり、北欧からゲルマン地域全体に渡って、そういった『天災』の象徴に『狼』が使われる事がしばしばある。

土星の第43衛星ハティのエポニムである。

脚注

ウィキメディア・コモンズには、ハティに関連するメディアがあります。
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  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』61頁。
  2. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』233頁。
  3. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』275頁。

関連項目

  • スコル
  • マーナガルム
  • ハティ (衛星) - 土星の衛星のうち「北欧群」と呼ばれる天体群の1つ。名前はハティに由来。
  • 送り狼 - 太陽や月の後を追い、最後に追いついてこれを食らうとするのは、オオカミの習性によるとされる。

参考文献

  • V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
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