採桑老(さいそうろう)は、雅楽の唐楽の曲名の一つ。
概要
盤渉調で、延八拍子の中曲である。管絃と舞楽がある。舞楽は舞人1人で[1]、舞は不老不死の桑葉を求めて歩く老爺の姿を模したもので、年齢を重ねるに従って衰弱していく様子を表現している[要出典]。舞楽では唯一の老人の舞であり[2]、高齢の者以外は演じられない秘曲とされる[2]。
「舞うと年を経ずして(あるいは数年後には)死ぬ」という言い伝えで知られ[1]、宮内庁楽部には管弦譜、面などはあるが[1]、舞い方を示した舞譜はない[1]。曲自体は現行曲として『明治撰定譜』に収録されているが、演奏されることは稀である。
近年の舞楽での演奏例としては、元宮内庁楽部の東儀俊美が国立劇場小劇場で2007年6月9日に舞ったのをはじめとして複数回舞った例がある。この例では、東儀家などが属する天王寺楽派に残されている覚書を舞譜集『掌中要録』や『明治撰定譜』などと付き合わせて、約20分の曲に復元・構成している[1]。
脚注
- ^ a b c d e 舞うと死ぬ?秘曲「採桑老」9日上演 元宮内庁楽部・東儀俊美
- ^ a b “舞楽面/採桑老 文化遺産オンライン”. bunka.nii.ac.jp. 文化庁. 2023年1月15日閲覧。
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分類 | |
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楽器 | |
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唐楽の曲目 | 壱越調 | - 春鶯囀
- 賀殿
- 迦陵頻
- 承和楽
- 北庭楽
- 蘭陵王
- 胡飲酒
- 新羅陵王
- 回盃楽
- 十天楽
- 菩薩
- 酒胡子
- 武徳楽
- 酒清司
- 壱団嬌
- 安摩
- 文長楽
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平調 | |
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双調 | |
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黄鐘調 | |
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盤渉調 | - 蘇合香
- 万秋楽
- 宗明楽
- 輪台
- 青海波
- 白柱
- 竹林楽
- 蘇莫者
- 千秋楽
- 採桑老
- 剣気褌脱
- 越天楽
- 鳥向楽
- 蘇春
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太食調 | |
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廃絶(遠楽・亡失曲) | |
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高麗楽の曲目 | 高麗壱越調 | - 新鳥蘇
- 古鳥蘇
- 退走禿
- 進走禿
- 延喜楽
- 胡蝶
- 八仙
- 仁和楽
- 胡徳楽
- 狛桙
- 敷手
- 貴徳
- 納曽利
- 皇仁庭
- 埴破
- 進蘇利古
- 蘇利古
- 綾切
- 長保楽
- 新靺鞨
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高麗平調 | |
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高麗双調 | |
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廃絶(遠楽・亡失曲) | - 黒甲序
- 都志
- 顔徐
- 酣酔楽
- 狛犬
- 石川
- 狛龍
- 新河浦
- 桔桿
- 常武楽
- 作物 (高麗壱越調)
- 葦波
- 鞘切
- 啄木
- 歌良古蘇呂
- 作物 (高麗平調)
- 作物 (高麗双調)
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雑楽の曲目 | |
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関連項目 | |
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△:復元品のみ現存する楽器、×:現存しない楽器 |