日本とイエメンの関係

日本とイエメンの関係
JapanとYemenの位置を示した地図

日本

イエメン

日本とイエメンの関係(にほんとイエメンのかんけい、アラビア語: العلاقات اليابانية اليمنية‎、英語: Japan–Yemen relations)では、日本イエメンの関係について概説する。

両国の比較

イエメンの旗 イエメン 日本の旗 日本 両国の差
人口 2916万1922人(2019年)[1] 1億2626万人(2019年)[2] 日本はイエメンの約4.3倍
国土面積 55万5000km²[3] 37万7972 km²[4] イエメンは日本の約1.5倍
首都 サナア(暫定首都:アデン 東京都
最大都市 サナア 東京都区部
政体 共和制 大統領制 民主制議院内閣制[5]
公用語 アラビア語 日本語事実上
国教 イスラム教 なし
GDP(名目) 225億8108万米ドル(2019年)[6] 5兆819億6954万米ドル(2019年)[7] 日本はイエメンの約225.1倍
地図

歴史

日本は従来から北イエメン南イエメン両国ともに国家承認し外交関係をそれぞれ有していたが、1990年5月22日にはイエメン共和国成立(統一)が起こり、翌日の5月23日に日本はこれを国家承認、5月25日に改めて外交関係が樹立された。その後、1990年7月にはアデン出張駐在官事務所を開設するも、イエメン内戦などの情勢不安があり1997年12月には閉鎖された[3]。一方の日本では、1990年11月にイエメン・日本友好協会が設立されている[8]2011年イエメン騒乱では在イエメン日本国大使館が3月に一時閉鎖され、12月には業務が再開されるも2015年イエメン内戦の勃発により再び閉鎖し、現在に至るまで在サウジアラビア日本国大使館がイエメンの大使館業務を兼轄している[3]。なお、2015年の時点で隣国やで中国海軍などの協力もあり、在留邦人はイエメンを脱出している[9]

現況

日・イエメン外相会談(2017年)
日本の資金協力により整備されているアデン港

イエメンはアラブ最貧国であり、紛争地の一つでもある。そのためイエメン全土に「レベル4:退避勧告」の危険情報が継続的に出されており[10]、観光客や在留邦人はおらず交流は限定的であるのが実情である。2007年から2011年までは首都サナアで、2009年にはアデンで日本文化週間が開催された事はあるものの、これは情勢が悪化する以前であった[3]

紛争が続き、貧困コレラが蔓延するイエメン情勢は21世紀最悪の人道危機として知られており[11]、日本はイエメン支援会合と呼ばれる国際会合を通じて、たびたびイエメンに人道支援を繰り返している。2017年4月には約6200万ドル、2018年に4月には約3900万ドル、2019年2月には約5280万ドル、2020年6月には約4120万ドルの人道支援が表明されており、医療教育への貢献度は高い[3][12]。また、経済援助やその一環として債務の繰り越し・返済の免除なども行っており、2017年にはエジプトカイロで日イエメン外相会談を開催[13]。停戦や和平、復興、人道支援のためのさらなる日本の援助についてが話し合われている。ニューヨークで行われるイエメン人道状況会合にも日本はたびたび出席し、イエメンにさらなる支援を行っていく事が表明されている[14]

貿易関係は、イエメンの2019年対日輸出額は314.17億円に上ったのに対し、対日輸入額は4.61億円とイエメン側の黒字となっている。理由としては、イエメンは産油国であり僅かながら日本に石油を供給している事が挙げられ、またコーヒー魚介類といった欠かせない食品も輸出している。一方、日本から輸入しているのは機械類や自動車である[3]

外交使節

駐イエメン日本大使

日本の旗 在イエメン日本大使 イエメンの旗
在北イエメン特命全権大使(ジッダ駐在)
  • 在サウジアラビア大使が兼轄
  • 田村秀治1970-1971
  • 高杉幹二1971-1974
  • 鈴木干夫1974-1977
  • 大口信夫1977-1979
  • 中村輝彦1979-1982
  • 武藤利昭1982-1984
在北イエメン特命全権大使(リヤド駐在)
  • 在サウジアラビア大使が兼轄
  • 岡崎久彦1984-1988
  • 渡辺幸治1988-1989
在北イエメン臨時代理大使(サナア駐在)
  • 大使館兼勤駐在官事務所開設1976
  • 臨時代理大使が常駐1976-1989
  • N/A
在北イエメン特命全権大使(サナア駐在)
  • 大使館実館開設1989
  • 野口雅昭1989-1990
  • 南北イエメン統一1990
在南イエメン特命全権大使(カイロ駐在)
  • 在エジプト大使が兼轄
  • 和田力1974-1976
  • 魚本藤吉郎1976-1978
  • 黒田瑞夫1978-1980
  • 山崎敏夫1980-1982
  • 中江要介1982-1984
在南イエメン特命全権大使(リヤド駐在)
  • 在サウジアラビア大使が兼轄
  • 岡崎久彦1984-1988
  • 渡辺幸治1988-1989
在南イエメン臨時代理大使(アデン駐在)
  • 大使館兼勤駐在官事務所開設1989
  • 臨時代理大使が常駐1989-1990
  • N/A
  • 南北イエメン統一に伴い大使館閉鎖1990(在アデン出張駐在官事務所としては引き続き1997年まで存続)
在イエメン特命全権大使(サナア駐在)
在イエメン特命全権大使(ドーハ駐在)
  • 大使館臨時事務所開設2015
  • 林克好2015
  • 大使館臨時事務所移転2015
在イエメン特命全権大使(リヤド駐在)
在イエメン臨時代理大使(リヤド駐在)
  • 服部陽二2017-2020
  • 東和広2020-
カテゴリ カテゴリ

駐日イエメン大使

駐日イエメン大使館
  • マルワン・アブドッラー・アブドゥルワッハーブ・ノーマン(英語版)(2007~2011年、信任状捧呈は11月7日[15]
  • 臨時代理大使)タレック・アブドゥラティフ・アブドゥラ・モタハール(2011~2013年)
  • (臨時代理大使)ハーテム・モハメド・フセイン・ハーテム(2013~2014年)
  • (臨時代理大使)サミル・モハメッド・ハムッド・カミース(2014~2016年)
  • サミル・モハメッド・ハムッド・カミース(臨時代理大使と同一人物、2016~2019年、信任状捧呈は9月21日[16]
  • (臨時代理大使)バシール・モハメッド・アリ・カシム(2019~2022年)
  • アーデル・アリ・アハマド・アル・スナイニー(2022年~、信任状捧呈は12月26日[17]

脚注

  1. ^ 世界銀行 Population, total - Yemen, Rep.
  2. ^ 世界銀行 Population, total - Japan
  3. ^ a b c d e f イエメン共和国(Republic of Yemen)基礎データ外務省
  4. ^ 日本の統計2016 第1章~第29章 | 総務省統計局
  5. ^ 日本国憲法で明確に定められている。
  6. ^ 世界銀行 GDP (current US$) - Yemen, Rep.
  7. ^ The World Bank GDP (current US$) - Japan
  8. ^ 二国間関係在イエメン日本国大使館
  9. ^ 中国海軍、日本人1人らのイエメン脱出支援日本経済新聞
  10. ^ 重要情報在イエメン日本国大使館
  11. ^ 「世界最悪の人道危機」1250万人の食料支援が隔月に朝日新聞
  12. ^ イエメン日本政府による支援事業
  13. ^ 日・イエメン外相会談外務省
  14. ^ イエメン人道状況会合外務省
  15. ^ 外務省: 新任駐日イエメン大使の信任状捧呈について
  16. ^ 駐日イエメン大使の信任状捧呈 | 外務省
  17. ^ 駐日イエメン大使の信任状捧呈 | 外務省

参考文献

  • イエメン共和国(Republic of Yemen)基礎データ外務省

関連項目

外部リンク

ウィキメディア・コモンズには、日本とイエメンの関係に関連するカテゴリがあります。
アジア
東アジア
東南アジア
南アジア
中央アジア
コーカサス
中東
アフリカ
アメリカ
オセアニア
ヨーロッパ
EU加盟国
EU非加盟
領土なし
  • マルタ騎士団
多国間
歴史上
領土紛争
係争中
決着済
関連項目

二国間関係の各項目内は五十音順。

カテゴリ カテゴリ
イエメンの旗 イエメンの国際関係
 
アフリカ
  • アルジェリア
  • アンゴラ
  • ウガンダ
  • エジプト
  • エスワティニ
  • エチオピア
  • エリトリア
  • カーボベルデ
  • ガーナ
  • ガボン
  • カメルーン
  • ガンビア
  • ギニア
  • ギニアビサウ
  • ケニア
  • コートジボワール
  • コモロ
  • コンゴ共和国
  • コンゴ民主共和国
  • サントメ・プリンシペ
  • ザンビア
  • シエラレオネ
  • ジブチ
  • ジンバブエ
  • スーダン
  • セネガル
  • セーシェル
  • ソマリア
  • ソマリランド
  • タンザニア
  • チャド
  • チュニジア
  • トーゴ
  • ナイジェリア
  • ナミビア
  • ニジェール
  • ブルキナファソ
  • ブルンジ
  • ベナン
  • ボツワナ
  • マダガスカル
  • マリ
  • モーリシャス
  • モーリタニア
  • モザンビーク
  • モロッコ
  • リビア
  • リベリア
  • ルワンダ
  • レソト
  • 赤道ギニア
  • 中央アフリカ
  • 南アフリカ
  • 南スーダン
  • 西サハラ
 
アジア
  • アゼルバイジャン
  • アフガニスタン
  • アブハジア
  • アラブ首長国連邦
  • アルメニア
  • イスラエル
  • イラク
  • イラン
  • インド
  • インドネシア
  • ウズベキスタン
  • オマーン
  • カザフスタン
  • カタール
  • カンボジア
  • クウェート
  • キルギス
  • サウジアラビア
  • ジョージア
  • シリア
  • シンガポール
  • スリランカ
  • タイ
  • タジキスタン
  • トルクメニスタン
  • トルコ
  • ネパール
  • バーレーン
  • パキスタン
  • パレスチナ
  • バングラデシュ
  • ブータン
  • フィリピン
  • ブルネイ
  • ベトナム
  • マレーシア
  • ミャンマー
  • モルディブ
  • モンゴル
  • ヨルダン
  • ラオス
  • レバノン
  • 日本
  • 中国
  • 台湾
  • 韓国
  • 北朝鮮
  • 南オセチア
  • 東ティモール
 
ヨーロッパ
  • アイスランド
  • アイルランド
  • アルバニア
  • イギリス
  • イタリア
  • ウクライナ
  • エストニア
  • オーストリア
  • オランダ
  • キプロス
  • ギリシャ
  • クロアチア
  • コソボ
  • サンマリノ
  • スイス
  • スウェーデン
  • スペイン
  • スロバキア
  • スロベニア
  • セルビア
  • チェコ
  • デンマーク
  • ドイツ
  • トルコ
  • ノルウェー
  • バチカン市国
  • ハンガリー
  • フィンランド
  • フランス
  • ブルガリア
  • ベラルーシ
  • ベルギー
  • ポーランド
  • ボスニア・ヘルツェゴヴィナ
  • ポルトガル
  • マケドニア
  • マルタ
  • モナコ
  • モルドバ
  • モンテネグロ
  • ラトビア
  • リトアニア
  • ルーマニア
  • ルクセンブルク
  • ロシア
 
北アメリカ
  • アメリカ合衆国
  • エルサルバドル
  • カナダ
  • キューバ
  • グアテマラ
  • コスタリカ
  • ジャマイカ
  • トリニダード・トバゴ
  • ニカラグア
  • パナマ
  • バハマ
  • ベリーズ
  • ホンジュラス
  • メキシコ
 
オセアニア
  • オーストラリア
  • キリバス
  • クック諸島
  • サモア
  • ソロモン諸島
  • ツバル
  • トンガ
  • ナウル
  • ニウエ
  • ニュージーランド
  • バヌアツ
  • パプアニューギニア
  • パラオ
  • フィジー
  • マーシャル諸島
  • ミクロネシア連邦
 
南アメリカ
  • アルゼンチン
  • ウルグアイ
  • エクアドル
  • ガイアナ
  • コロンビア
  • スリナム
  • チリ
  • パラグアイ
  • ブラジル
  • ベネズエラ
  • ペルー
  • ボリビア
 
多国間
  • アラブ連盟
  • 欧州連合
  • NATO
 
外交
  • 外務省
  • 外務大臣
  • 在外公館 / 在イエメン外国公館
  • 国際連合
カテゴリ カテゴリ