濃厚接触

濃厚接触(のうこうせっしょく)は、感染者との接触状況を判断するための目安である。この目安に該当した場合、濃厚接触者としてみなされる。

2020年の日本の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染対策の積極的疫学調査では、感染者と接触した日のはじまりが「発病した日の2日前」であり、濃厚接触 (Close contact) と判断する目安を「1メートル以内かつ15分以上の接触」として国立感染症研究所が濃厚接触者を定義した[1]

1973年の東京逓信病院の天然痘事件では、患者と接触した医師や患者の血液を検査した技師等を濃厚接触者として、本人の同意の元、一次隔離する措置が取られた[2]

2019年新型コロナウイルス感染症

2019年新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査における濃厚接触者とは、患者(確定例)(無症状病原体保有者を含む。以下同じ。)の感染可能期間[注 1]において当該患者が入院、宿泊療養又は自宅療養を開始するまでに接触した者のうち、次の範囲に該当する者である[3]

  • 患者(確定例)と同居あるいは長時間の接触(車内、航空機内等を含む)があった者・適切な感染防護なしに患者(確定例)を診察、看護若しくは介護していた者
  • 患者(確定例)の気道分泌液もしくは体液等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
  • その他: 手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、患者(確定例)と15分以上の接触があった者(周辺の環境や接触の状況等個々の状況から患者の感染性を総合的に判断する)

受容

「濃厚接触」は身体的接触を想起させる表現のため、直接触れてさえいなければ近距離での会話はして構わないという誤解が生じがちだという指摘があった[4]

「濃厚接触者」は2020年のユーキャン新語・流行語大賞30語にノミネート[5]

脚注

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注釈

  1. ^ 新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領では、発熱及び咳・呼吸困難などの急性の呼吸器症状を含めた新型コロナウイルス感染症を疑う症状(発熱、咳、呼吸困難、全身倦怠感、咽頭痛、鼻汁・鼻閉、頭痛、関節・筋肉痛、下痢、嘔気・嘔吐など)を呈した 2 日前から退院又は宿泊療養・自宅療養の解除の基準を満たすまでの期間とされている。

出典

  1. ^ “積極的疫学調査実施要領における濃厚接触者の定義変更等に関するQ&A(2020年4月22日)”. NIID (2020年4月27日). 2020年8月30日閲覧。
  2. ^ 第71回国会 参議院 逓信委員会 第7号 昭和48年4月17日 103 北雄一郎
  3. ^ “新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領” (PDF). 国立感染症研究所. 2021年8月30日閲覧。
  4. ^ “第18回 ことばの時事問題(5):コロナ関連の新語・流行語 | 日本語・教育・語彙(松下 達彦) | 三省堂 ことばのコラム”. 三省堂WORD-WISE WEB -Dictionaries & Beyond- (2020年6月5日). 2023年9月8日閲覧。
  5. ^ “2020新語・流行語大賞候補30語:「3密」「ソーシャルディスタンス」など新型コロナ関連が多数”. nippon.com (2020年11月5日). 2023年9月8日閲覧。

関連項目

新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)
SARSコロナウイルス2
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