ジョン・ポール・スティーブンス

ジョン・ポール・スティーブンス
アメリカ合衆国連邦最高裁判所陪席判事
任期
1975年12月17日 – 2010年6月29日
ノミネート者ジェラルド・R・フォード
後任者エレナ・ケイガン
アメリカ合衆国第7巡回区控訴裁判所判事
任期
1970年11月2日 – 1975年12月19日
任命者リチャード・ニクソン
個人情報
生誕 (1920-04-20) 1920年4月20日
イリノイ州シカゴ
死没 (2019-07-16) 2019年7月16日(99歳没)
政党共和党
子供4人
教育シカゴ大学 (教養学士)
ノースウェスタン大学 (法務博士)
署名
兵役経験
所属国アメリカ合衆国の旗 アメリカ
軍歴1942年–1945年
戦闘第二次世界大戦
受賞ブロンズスターメダル
大統領自由勲章

ジョン・ポール・スティーブンス(John Paul Stevens、1920年4月20日 - 2019年7月16日[1][2])は、アメリカ合衆国の法律家、法学者。1975年から2010年にかけて、アメリカ合衆国連邦最高裁判所陪席判事の職にあった。共和党のジェラルド・フォード大統領により最高裁判事に任命され、自身も共和党員で保守派を自認していたが、判事としての判断は在任中にリベラルに傾き、引退した時点においてはリベラル派の判事の一人だったとみなされている[3][4]

人物

シカゴ生まれ[2]

当初は母親と同じ文学者を目指して学業に励むが、第二次世界大戦が始まると、情報士官として海軍に従軍。大日本帝国海軍山本五十六連合艦隊司令長官の撃墜作戦(ヴェンジェンス作戦、日本側呼称海軍甲事件)に貢献した功績で、ブロンズスターメダルを授与された。一方でスティーブンス本人は特定の個人の殺害の標的にしたこの作戦に疑問を感じており、後の死刑に対する疑念につながっていく[2]

戦後は司法の道に進み、1975年に当時のフォード大統領によって最高裁判事へ指名され、2010年に退官するまでその任にあった[2]

著書

映像外部リンク
Q&A interview with Stevens about Five Chiefs, October 9, 2011, C-SPAN

スティーブンスの著書には2011年発行の回顧録 Five Chiefs: A Supreme Court Memoir があり、アメリカ合衆国連邦最高裁判所長が5代入れ替わる中法曹界での仕事を続けた。フレッド・ヴィンソンの部下の一人として、ウォーレン・コート時代 (en) は在野の弁護士として、あるいは陪席裁判官を務めたウォーレン・バーガー時代 (en) とレンキスト時代、 ロバーツ時代 (en)を振り返っている[5]

2014年の著書 Six Amendments: How and Why We Should Change the Constitutionアメリカ合衆国憲法の条文に第6条を追加、政治的手段としてゲリマンダー (en) の回避、政党中央部による地方選挙介入の阻止 (en) や選挙資金改革 (en) 、また死刑制度、銃規制 (en)、主権免除 (アメリカにおける主権免除) について論じた[6]

最晩年の99歳、死去の前に出版した最後の著書が The Making of a Justice: Reflections on My First 94 Years である[7]

参考文献

  1. ^ “米最高裁の元判事死去 ジョン・スティーブンズ氏”. 共同通信社. (2019年7月17日). https://this.kiji.is/524044430448002145?c=39546741839462401 2019年7月18日閲覧。 
  2. ^ a b c d “スティーブンス元米最高裁判事死去、山本五十六撃墜で死刑に疑念”. www.afpbb.com (2019年7月18日). 2019年7月20日閲覧。
  3. ^ Jeffrey Rosen, "The Dissenter", The New York Times Magazine. (2007年9月23日)
  4. ^ Charles Lane, "With Longevity on Court, Stevens' Center-Left Influence Has Grown", Washington Post.(2006年2月21日)
  5. ^ Totenberg, Nina (2011年10月4日). “Stevens Chronicles 'Five Chiefs' Of The Supreme Court” (英語). NPR. 2019年7月18日閲覧。
  6. ^ Sunstein, Cass R. (2014年6月5日). “John Paul Stevens, "Six Amendments: How and Why We Should Change the Constitution" (2014)” (英語). N.Y. Review of Books. ISSN 0028-7504. https://www.nybooks.com/articles/2014/06/05/justice-stevens-refounding-father/ 2019年7月18日閲覧。 
  7. ^ Bazelon, Emily (2019年5月14日). “Justice John Paul Stevens Had Some Things to Say Before He Died (陪席判事ジョン・P・スティーヴンスが言い遺したこと)” (英語). ニューヨークタイムズ. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2019/05/14/books/review/john-paul-stevens-making-of-a-justice.html 2019年7月18日閲覧。 

関連項目

  • G・フォード大統領による合衆国最高裁判所判事指名 (en) ウィリアム・O・ダグラス (en)副判事 を罷免しスティーブンスを任命しながら弾劾手続きの開始に失敗した件。
アメリカ合衆国の最高裁判所のしくみ
  • 合衆国最高裁判所の歴代判事一覧 (en)
  • 合衆国最高裁判所の歴代法務事務員 (en)
  • バーガー時代の裁判一覧 (en)
  • レンキスト時代の裁判一覧 (en)
  • ロバーツ時代の裁判一覧 (en)
 
  1. ジョン・ジェイ (1789–1795(英語版)判例(英語版))
  2. ジョン・ラトリッジ (1795(英語版)判例(英語版))
  3. オリバー・エルスワース (1796–1800(英語版)判例(英語版))
  4. ジョン・マーシャル (1801–1835(英語版)判例(英語版))
  5. ロジャー・B・トーニー (1836–1864(英語版)判例(英語版))
  6. サーモン・P・チェイス (1864–1873(英語版)判例(英語版))
  7. モリソン・ワイト(英語版) (1874–1888(英語版)判例(英語版))
  8. メルヴィル・フラー(英語版) (1888–1910(英語版)判例(英語版))
  9. エドワード・ダグラス・ホワイト (1910–1921(英語版)判例(英語版))
  10. ウィリアム・ハワード・タフト (1921–1930(英語版)判例(英語版))
  11. チャールズ・エヴァンズ・ヒューズ (1930–1941(英語版)判例(英語版))
  12. ハーラン・F・ストーン (1941–1946(英語版)判例(英語版))
  13. フレッド・M・ヴィンソン (1946–1953(英語版)判例(英語版))
  14. アール・ウォーレン (1953–1969(英語版)判例(英語版))
  15. ウォーレン・E・バーガー(英語版) (1969–1986(英語版)判例(英語版))
  16. ウィリアム・レンキスト (1986–2005(英語版)判例(英語版))
  17. ジョン・ロバーツ (2005–現職判例(英語版))
 
  1. J・ラトリッジ* (1790–1791)
  2. クッシング (1790–1810)
  3. ウィルソン (1789–1798)
  4. ブレア (1790–1795)
  5. アイアデル (1790–1799)
  6. T・ジョンソン (1792–1793)
  7. パターソン (1793–1806)
  8. S・チェイス (1796–1811)
  9. ワシントン(英語版) (1798–1829)
  10. ムーア(英語版) (1800–1804)
  11. W・ジョンソン(英語版) (1804–1834)
  12. リビングストン (1807–1823)
  13. トッド(英語版) (1807–1826)
  14. デュバル(英語版) (1811–1835)
  15. ストーリー(英語版) (1812–1845)
  16. トンプソン (1823–1843)
  17. トリンブル(英語版) (1826–1828)
  18. マクレーン (1829–1861)
  19. ボールドウィン(英語版) (1830–1844)
  20. ウェイン(英語版) (1835–1867)
  21. バーバー(英語版) (1836–1841)
  22. カトロン(英語版) (1837–1865)
  23. マッキンレー(英語版) (1838–1852)
  24. ダニエル(英語版) (1842–1860)
  25. ネルソン(英語版) (1845–1872)
  26. ウッドベリー (1845–1851)
  27. グリア(英語版) (1846–1870)
  28. カーティス(英語版) (1851–1857)
  29. キャンベル(英語版) (1853–1861)
  30. クリフォード (1858–1881)
  31. スウェイン(英語版) (1862–1881)
  32. ミラー(英語版) (1862–1890)
  33. デイヴィス(英語版) (1862–1877)
  34. フィールド(英語版) (1863–1897)
  35. ストロング(英語版) (1870–1880)
  36. ブラッドリー(英語版) (1870–1892)
  37. ハント(英語版) (1873–1882)
  38. J・M・ハーラン(英語版) (1877–1911)
  39. ウッズ(英語版) (1881–1887)
  40. マシューズ(英語版) (1881–1889)
  41. グレイ(英語版) (1882–1902)
  42. ブラッチフォード(英語版) (1882–1893)
  43. L・ラマー(英語版) (1888–1893)
  44. ブルーワー(英語版) (1890–1910)
  45. ブラウン(英語版) (1891–1906)
  46. シラス(英語版) (1892–1903)
  47. H・ジャクソン(英語版) (1893–1895)
  48. E・ホワイト* (1894–1910)
  49. ペッカム(英語版) (1896–1909)
  50. マッケナ(英語版) (1898–1925)
  51. ホームズ (1902–1932)
  52. デイ (1903–1922)
  53. ムーディ (1906–1910)
  54. ラートン(英語版) (1910–1914)
  55. ヒューズ* (1910–1916)
  56. ヴァン・ドヴァンター(英語版) (1911–1937)
  57. J・ラマー(英語版) (1911–1916)
  58. ピツニー(英語版) (1912–1922)
  59. マクレイノルズ(英語版) (1914–1941)
  60. ブランダイス (1916–1939)
  61. クラーク(英語版) (1916–1922)
  62. サザーランド(英語版) (1922–1938)
  63. バトラー(英語版) (1923–1939)
  64. サンフォード(英語版) (1923–1930)
  65. ストーン* (1925–1941)
  66. O・ロバーツ(英語版) (1930–1945)
  67. カードーゾ (1932–1938)
  68. ブラック (1937–1971)
  69. リード(英語版) (1938–1957)
  70. フランクファーター (1939–1962)
  71. ダグラス(英語版) (1939–1975)
  72. マーフィー(英語版) (1940–1949)
  73. バーンズ (1941–1942)
  74. R・ジャクソン (1941–1954)
  75. W・ラトリッジ(英語版) (1943–1949)
  76. バートン(英語版) (1945–1958)
  77. クラーク(英語版) (1949–1967)
  78. ミントン(英語版) (1949–1956)
  79. J・M・ハーラン2世(英語版) (1955–1971)
  80. ブレナン (1956–1990)
  81. ウィテカー(英語版) (1957–1962)
  82. スチュワート(英語版) (1958–1981)
  83. B・ホワイト (1962–1993)
  84. ゴールドバーグ(英語版) (1962–1965)
  85. フォータス(英語版) (1965–1969)
  86. T・マーシャル (1967–1991)
  87. ブラックマン (1970–1994)
  88. パウエル(英語版) (1972–1987)
  89. レンキスト* (1972–1986)
  90. スティーブンス (1975–2010)
  91. オコナー (1981–2006)
  92. スカリア (1986–2016)
  93. ケネディ (1988–2018)
  94. スーター (1990–2009)
  95. トーマス (1991–現職)
  96. ギンズバーグ (1993–2020)
  97. ブライヤー (1994–2022)
  98. アリート (2006–現職)
  99. ソトマイヨール (2009–現職)
  100. ケイガン (2010–現職)
  101. ゴーサッチ (2017–現職)
  102. カバノー (2018–現職)
  103. バレット (2020–現職)
  104. K・ジャクソン (2022–現職)
*首席判事も務めた人物
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