サミュエル・アリート

サミュエル・アリート
Samuel Alito
生年月日 (1950-04-01) 1950年4月1日(74歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国ニュージャージー州トレントン
出身校 プリンストン大学A.B.
イェール大学
法務博士
宗教 ローマ・カトリック教会

任期 2006年1月31日 -
任命者 ジョージ・W・ブッシュ
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サミュエル・アンソニー・アリート・ジュニア: Samuel Anthony Alito, Jr.1950年4月1日 - )は、アメリカ合衆国裁判官検察官法律家最高裁判所陪席判事イタリア系ローマ・カトリック教徒

経歴

ニュージャージー州トレントンのイタリア系アメリカ人の家庭に生まれる。プリンストン大学卒業(A.B.)。イェール大学ロー・スクール法務博士

ロナルド・レーガン政権下で司法次官補代理、ニュージャージー州の連邦検事、フィラデルフィアの連邦高裁判事を経て、2005年10月31日ウィリアム・レンキスト最高裁長官の死去に伴い、ジョージ・ブッシュ大統領から、アメリカ合衆国連邦最高裁判所判事に指名される。レンキストの後任には、当初、ブッシュと同じテキサス州の出身で自身の法律顧問をつとめていたハリエット・マイアーズを指名していたが、民主党からは「縁故主義に基づく人事」、一方、マイアーズが中絶問題でのスタンスが曖昧なことから、ジャーナリストのジョージ・ウィルやサム・ブラウンバック上院議員からは「公約違反」と激しく批判された。そうした経緯から、明確な保守派であるアリートが判事に指名された。上院での指名承認は当初難航が予想されたが、エドワード・ケネディ上院議員が呼びかけた審議妨害は同調者が広がらず、上院・司法委員会での公聴会では民主党議員らの陰湿な追及にマーサ夫人が号泣する一幕が見られた。2006年1月24日の司法委員会で採決が行われ、共和党議員全員が賛成、民主党議員全員が反対し、10対8で承認。舞台はその後、本会議に移り、1月31日の採決でベン・ネルソン上院議員ら一部・民主党議員が同調し58対42でアリートは最高裁判事に正式に承認された。

2022年、アメリカで中絶の権利を約半世紀にわたり保障していた「ロー対ウェイド」判例を覆した最高裁判決をめぐり、その判決を批判したイギリスのボリス・ジョンソン首相、フランスのエマニュエル・マクロン大統領、カナダのジャスティン・トルドー首相、英王室のハリー王子らの名前を挙げて、彼らの最高裁判決への批判を逆に批判し返す言動を行い、米最高裁判事が公の場でこのような発言をするのは極めて異例であったため、大きく報道された[1]

人物

尊敬する判事は、最高裁で共に判事を務めたアントニン・スカリアである。

脚注

  1. ^ “中絶反対の米最高裁判事、英首相ら各国首脳を批判しからかう”. BBC (2022年7月30日). 2022年7月30日閲覧。
 
  1. ジョン・ジェイ (1789–1795(英語版)判例(英語版))
  2. ジョン・ラトリッジ (1795(英語版)判例(英語版))
  3. オリバー・エルスワース (1796–1800(英語版)判例(英語版))
  4. ジョン・マーシャル (1801–1835(英語版)判例(英語版))
  5. ロジャー・B・トーニー (1836–1864(英語版)判例(英語版))
  6. サーモン・P・チェイス (1864–1873(英語版)判例(英語版))
  7. モリソン・ワイト(英語版) (1874–1888(英語版)判例(英語版))
  8. メルヴィル・フラー(英語版) (1888–1910(英語版)判例(英語版))
  9. エドワード・ダグラス・ホワイト (1910–1921(英語版)判例(英語版))
  10. ウィリアム・ハワード・タフト (1921–1930(英語版)判例(英語版))
  11. チャールズ・エヴァンズ・ヒューズ (1930–1941(英語版)判例(英語版))
  12. ハーラン・F・ストーン (1941–1946(英語版)判例(英語版))
  13. フレッド・M・ヴィンソン (1946–1953(英語版)判例(英語版))
  14. アール・ウォーレン (1953–1969(英語版)判例(英語版))
  15. ウォーレン・E・バーガー(英語版) (1969–1986(英語版)判例(英語版))
  16. ウィリアム・レンキスト (1986–2005(英語版)判例(英語版))
  17. ジョン・ロバーツ (2005–現職判例(英語版))
 
  1. J・ラトリッジ* (1790–1791)
  2. クッシング (1790–1810)
  3. ウィルソン (1789–1798)
  4. ブレア (1790–1795)
  5. アイアデル (1790–1799)
  6. T・ジョンソン (1792–1793)
  7. パターソン (1793–1806)
  8. S・チェイス (1796–1811)
  9. ワシントン(英語版) (1798–1829)
  10. ムーア(英語版) (1800–1804)
  11. W・ジョンソン(英語版) (1804–1834)
  12. リビングストン (1807–1823)
  13. トッド(英語版) (1807–1826)
  14. デュバル(英語版) (1811–1835)
  15. ストーリー(英語版) (1812–1845)
  16. トンプソン (1823–1843)
  17. トリンブル(英語版) (1826–1828)
  18. マクレーン (1829–1861)
  19. ボールドウィン(英語版) (1830–1844)
  20. ウェイン(英語版) (1835–1867)
  21. バーバー(英語版) (1836–1841)
  22. カトロン(英語版) (1837–1865)
  23. マッキンレー(英語版) (1838–1852)
  24. ダニエル(英語版) (1842–1860)
  25. ネルソン(英語版) (1845–1872)
  26. ウッドベリー (1845–1851)
  27. グリア(英語版) (1846–1870)
  28. カーティス(英語版) (1851–1857)
  29. キャンベル(英語版) (1853–1861)
  30. クリフォード (1858–1881)
  31. スウェイン(英語版) (1862–1881)
  32. ミラー(英語版) (1862–1890)
  33. デイヴィス(英語版) (1862–1877)
  34. フィールド(英語版) (1863–1897)
  35. ストロング(英語版) (1870–1880)
  36. ブラッドリー(英語版) (1870–1892)
  37. ハント(英語版) (1873–1882)
  38. J・M・ハーラン(英語版) (1877–1911)
  39. ウッズ(英語版) (1881–1887)
  40. マシューズ(英語版) (1881–1889)
  41. グレイ(英語版) (1882–1902)
  42. ブラッチフォード(英語版) (1882–1893)
  43. L・ラマー(英語版) (1888–1893)
  44. ブルーワー(英語版) (1890–1910)
  45. ブラウン(英語版) (1891–1906)
  46. シラス(英語版) (1892–1903)
  47. H・ジャクソン(英語版) (1893–1895)
  48. E・ホワイト* (1894–1910)
  49. ペッカム(英語版) (1896–1909)
  50. マッケナ(英語版) (1898–1925)
  51. ホームズ (1902–1932)
  52. デイ (1903–1922)
  53. ムーディ (1906–1910)
  54. ラートン(英語版) (1910–1914)
  55. ヒューズ* (1910–1916)
  56. ヴァン・ドヴァンター(英語版) (1911–1937)
  57. J・ラマー(英語版) (1911–1916)
  58. ピツニー(英語版) (1912–1922)
  59. マクレイノルズ(英語版) (1914–1941)
  60. ブランダイス (1916–1939)
  61. クラーク(英語版) (1916–1922)
  62. サザーランド(英語版) (1922–1938)
  63. バトラー(英語版) (1923–1939)
  64. サンフォード(英語版) (1923–1930)
  65. ストーン* (1925–1941)
  66. O・ロバーツ(英語版) (1930–1945)
  67. カードーゾ (1932–1938)
  68. ブラック (1937–1971)
  69. リード(英語版) (1938–1957)
  70. フランクファーター (1939–1962)
  71. ダグラス(英語版) (1939–1975)
  72. マーフィー(英語版) (1940–1949)
  73. バーンズ (1941–1942)
  74. R・ジャクソン (1941–1954)
  75. W・ラトリッジ(英語版) (1943–1949)
  76. バートン(英語版) (1945–1958)
  77. クラーク(英語版) (1949–1967)
  78. ミントン(英語版) (1949–1956)
  79. J・M・ハーラン2世(英語版) (1955–1971)
  80. ブレナン (1956–1990)
  81. ウィテカー(英語版) (1957–1962)
  82. スチュワート(英語版) (1958–1981)
  83. B・ホワイト (1962–1993)
  84. ゴールドバーグ(英語版) (1962–1965)
  85. フォータス(英語版) (1965–1969)
  86. T・マーシャル (1967–1991)
  87. ブラックマン (1970–1994)
  88. パウエル(英語版) (1972–1987)
  89. レンキスト* (1972–1986)
  90. スティーブンス (1975–2010)
  91. オコナー (1981–2006)
  92. スカリア (1986–2016)
  93. ケネディ (1988–2018)
  94. スーター (1990–2009)
  95. トーマス (1991–現職)
  96. ギンズバーグ (1993–2020)
  97. ブライヤー (1994–2022)
  98. アリート (2006–現職)
  99. ソトマイヨール (2009–現職)
  100. ケイガン (2010–現職)
  101. ゴーサッチ (2017–現職)
  102. カバノー (2018–現職)
  103. バレット (2020–現職)
  104. K・ジャクソン (2022–現職)
*首席判事も務めた人物
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