サーモン・チェイス

サーモン・チェイス
Salmon Chase
生年月日 (1808-01-13) 1808年1月13日
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューハンプシャー州コーニッシュ
没年月日 1873年5月7日(1873-05-07)(65歳)
死没地 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
出身校 シンシナティ大学
ダートマス大学
現職 政治家弁護士判事
所属政党 フリーソイル党、自由党、共和党、民主党
配偶者 i) キャサリン・ジェーン・ガーミス
ii) エリザ・アン・スミス
iii) サラ・ベラ・ダンロップ・ラドロウ[1]
宗教 米国聖公会
サイン

在任期間 1864年12月6日[2] - 1873年5月7日
指名者 エイブラハム・リンカーン

在任期間 1861年3月7日 - 1864年6月30日
元首 エイブラハム・リンカーン

在任期間 1856年1月14日 - 1860年1月9日
副知事 トーマス・H・フォード (1856-1858)
マーティン・ウェルカー (1858-1860)

選挙区 オハイオ州
在任期間 1849年3月4日 - 1855年3月3日
在任期間 1861年3月4日 - 1861年3月7日
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サーモン・ポートランド・チェイス英語: Salmon Portland Chase, 1808年1月13日 - 1873年5月7日)は、南北戦争時代のアメリカ合衆国の政治家および法律家。第23代オハイオ州知事を1856年から1860年まで務め、エイブラハム・リンカーン大統領の下で財務長官および最高裁長官を務めた。

生い立ち

ニューハンプシャー州コーニッシュで、イスマール・チェイスと妻のジャネット・ラルストンの間に生まれた。9歳の時に父のイスマールが死去し、母のジャネットは「わずかな財産と10人の子供」をかかえた未亡人となった。チェイスはおじのフィランダー・チェイスによって育てられた。フィランダーは米国聖公会の指導者でありオハイオ州イリノイ州プロテスタントの監督であった[3]

チェイスはバーモント州ウィンザーとオハイオ州ワージントンの公立小学校で学び、シンシナティ大学に進学した後ダートマス大学を1826年に卒業した。彼はアルファ・デルタ・ファイおよびファイ・ベータ・カッパのメンバーであった。 ダートマス在学中に彼はロイヤルトンのロイヤルトン・アカデミーで教鞭を執っている。

チェイスはコロンビア特別区に移り、司法長官ウィリアム・ワートの元で法律を学びながら、教師の職も続けた。彼は1829年に法曹界入りした。

政治経歴 

1830年にチェイスはシンシナティに移り住み、地域の法曹界で名声を得るようになる。彼はオハイオ州法の注釈本を出版した。1835年に最初の妻が死去し、そのことがきっかけとなって彼は奴隷制度廃止運動に傾倒することとなる。

当初はアメリカ日曜学校ユニオンと共に活動し、逃亡奴隷の弁護を行った。シンシナティの世論は南部の商業に大きく影響を受けていた。チェイスは1836年のシンシナティ暴動の間にジェームズ・G・バーニーがマスコミの攻撃を受けると、反奴隷制度の運動に加わることとなった。チェイスはまたセミ=コロン・クラブ(ストウ夫人やその夫のカルヴァン・ストウも加わっていた[4])のメンバーであった。チェイスはガリソニアン奴隷解放運動と対照的に政治改革の指導者となった。

死 

チェイスは1873年にニューヨークで死去した。遺体はワシントンD.C.のオークヒル墓地に埋葬されたが、後にシンシナティのスプリング・グローブ墓地に再埋葬された[5][6][7]。チェイスはシンシナティにある聖パウロ大聖堂の活動的なメンバーであった。

チェイス・ナショナル銀行の前身であるチェイス・マンハッタン銀行は、チェイスとは財政的なつながりは全くなかったものの、彼の業績にちなんで命名された。

アメリカ合衆国沿岸警備隊学校の本棟および寮は、チェイスの財務長官としての業績を記念してチェイス・ホールと名付けられた。また、カッターのチェイス (USCGC Chase, WHEC-718) も彼にちなんで名付けられた。

かつて流通していたアメリカ10,000ドル紙幣にその肖像が使用されていたが、現在は流通していない。

カンザス州チェイス郡は彼の業績を称えて命名された。同様にフロリダ州、マサチューセッツ州、ノースカロライナ州(1861年から71年まで存在)、ニューヨーク州、オハイオ州、テネシー州に所在するチェイスビルも彼にちなんで命名された。

10,000ドル紙幣の表面

脚注 

  1. ^ Niven, John (1995). Salmon P. Chase. Oxford University Press. pp. 96. ISBN 9780195046533 
  2. ^ “Federal Judicial Center: Salmon Chase”. (2009年12月12日). http://www.fjc.gov/servlet/tGetInfo?jid=414 2009年12月12日閲覧。 
  3. ^ Lydia Rapoza, "The Life of Salmon P. Chase, Attorney General of Fugitive Slaves 1808-1873"
  4. ^ Gates, Henry Louis, Jr; and Hollis Robbins. "The Annotated Uncle Tom's Cabin" WW. Norton, p. xxxii
  5. ^ Salmon P. Chase memorial at Find a Grave.
  6. ^ Christensen, George A. (1983) Here Lies the Supreme Court: Gravesites of the Justices, Yearbook Supreme Court Historical Society at Internet Archive.
  7. ^ See also, Christensen, George A., Here Lies the Supreme Court: Revisited, Journal of Supreme Court History, Volume 33 Issue 1, Pages 17 - 41 (19 Feb 2008), University of Alabama.

外部リンク

ウィキソースサーモン・チェイスに関するブリタニカ百科事典第11版のテキストがあります。
  • United States Congress. "サーモン・チェイス (id: C000332)". Biographical Directory of the United States Congress (英語).
  • The Life of Salmon P. Chase - ウェイバックマシン(1999年2月10日アーカイブ分)
  • Salmon P. Chase at Tulane University Law School.
  • Biography at "Mr. Lincoln's White House"
  • Mr. Lincoln and Freedom: Salmon P. Chase
  • The Life of Salmon P. Chase, Attorney General of Fugitive Slaves.
  • The Salmon P. Chase papers, include correspondence and a myriad of biographical materials spanning the years 1820-1884, are available for research use at the Historical Society of Pennsylvania.
  • Eulogy on Chief-Justice Chase, delivered by William M. Evarts, 1874
  • Bibliography, Sixth Circuit U.S. Court of Appeals.
  • Biography, Sixth Circuit U.S. Court of Appeals.
  • Location of Papers, Sixth Circuit U.S. Court of Appeals
アメリカ合衆国上院
先代
ウィリアム・アレン
オハイオ州選出上院議員(第3部)
1849年3月4日 - 1855年3月4日
同職:トマス・コーウィン, トマス・ユーイング, ベンジャミン・ウェイド
次代
ジョージ・E・ピュー
先代
ジョージ・E・ピュー
オハイオ州選出上院議員(第3部)
1861年3月4日 - 1861年3月6日
同職:ベンジャミン・ウェイド
次代
ジョン・シャーマン
公職
先代
ウィリアム・メディル
オハイオ州知事
1856年1月14日 - 1860年1月9日
次代
ウィリアム・デニソン
先代
ジョン・ディクス
アメリカ合衆国財務長官
Served under: エイブラハム・リンカーン

1861年3月7日 - 1864年6月30日
次代
ウィリアム・フェッセンデン
司法職
先代
ロジャー・トーニー
アメリカ合衆国最高裁判所首席裁判官
1864年12月15日 - 1873年5月7日
次代
モリソン・ウェイト
Seal of the United States Department of the Treasury
 
  1. ジョン・ジェイ (1789–1795(英語版)判例(英語版))
  2. ジョン・ラトリッジ (1795(英語版)判例(英語版))
  3. オリバー・エルスワース (1796–1800(英語版)判例(英語版))
  4. ジョン・マーシャル (1801–1835(英語版)判例(英語版))
  5. ロジャー・B・トーニー (1836–1864(英語版)判例(英語版))
  6. サーモン・P・チェイス (1864–1873(英語版)判例(英語版))
  7. モリソン・ワイト(英語版) (1874–1888(英語版)判例(英語版))
  8. メルヴィル・フラー(英語版) (1888–1910(英語版)判例(英語版))
  9. エドワード・ダグラス・ホワイト (1910–1921(英語版)判例(英語版))
  10. ウィリアム・ハワード・タフト (1921–1930(英語版)判例(英語版))
  11. チャールズ・エヴァンズ・ヒューズ (1930–1941(英語版)判例(英語版))
  12. ハーラン・F・ストーン (1941–1946(英語版)判例(英語版))
  13. フレッド・M・ヴィンソン (1946–1953(英語版)判例(英語版))
  14. アール・ウォーレン (1953–1969(英語版)判例(英語版))
  15. ウォーレン・E・バーガー(英語版) (1969–1986(英語版)判例(英語版))
  16. ウィリアム・レンキスト (1986–2005(英語版)判例(英語版))
  17. ジョン・ロバーツ (2005–現職判例(英語版))
 
  1. J・ラトリッジ* (1790–1791)
  2. クッシング (1790–1810)
  3. ウィルソン (1789–1798)
  4. ブレア (1790–1795)
  5. アイアデル (1790–1799)
  6. T・ジョンソン (1792–1793)
  7. パターソン (1793–1806)
  8. S・チェイス (1796–1811)
  9. ワシントン(英語版) (1798–1829)
  10. ムーア(英語版) (1800–1804)
  11. W・ジョンソン(英語版) (1804–1834)
  12. リビングストン (1807–1823)
  13. トッド(英語版) (1807–1826)
  14. デュバル(英語版) (1811–1835)
  15. ストーリー(英語版) (1812–1845)
  16. トンプソン (1823–1843)
  17. トリンブル(英語版) (1826–1828)
  18. マクレーン (1829–1861)
  19. ボールドウィン(英語版) (1830–1844)
  20. ウェイン(英語版) (1835–1867)
  21. バーバー(英語版) (1836–1841)
  22. カトロン(英語版) (1837–1865)
  23. マッキンレー(英語版) (1838–1852)
  24. ダニエル(英語版) (1842–1860)
  25. ネルソン(英語版) (1845–1872)
  26. ウッドベリー (1845–1851)
  27. グリア(英語版) (1846–1870)
  28. カーティス(英語版) (1851–1857)
  29. キャンベル(英語版) (1853–1861)
  30. クリフォード (1858–1881)
  31. スウェイン(英語版) (1862–1881)
  32. ミラー(英語版) (1862–1890)
  33. デイヴィス(英語版) (1862–1877)
  34. フィールド(英語版) (1863–1897)
  35. ストロング(英語版) (1870–1880)
  36. ブラッドリー(英語版) (1870–1892)
  37. ハント(英語版) (1873–1882)
  38. J・M・ハーラン(英語版) (1877–1911)
  39. ウッズ(英語版) (1881–1887)
  40. マシューズ(英語版) (1881–1889)
  41. グレイ(英語版) (1882–1902)
  42. ブラッチフォード(英語版) (1882–1893)
  43. L・ラマー(英語版) (1888–1893)
  44. ブルーワー(英語版) (1890–1910)
  45. ブラウン(英語版) (1891–1906)
  46. シラス(英語版) (1892–1903)
  47. H・ジャクソン(英語版) (1893–1895)
  48. E・ホワイト* (1894–1910)
  49. ペッカム(英語版) (1896–1909)
  50. マッケナ(英語版) (1898–1925)
  51. ホームズ (1902–1932)
  52. デイ (1903–1922)
  53. ムーディ (1906–1910)
  54. ラートン(英語版) (1910–1914)
  55. ヒューズ* (1910–1916)
  56. ヴァン・ドヴァンター(英語版) (1911–1937)
  57. J・ラマー(英語版) (1911–1916)
  58. ピツニー(英語版) (1912–1922)
  59. マクレイノルズ(英語版) (1914–1941)
  60. ブランダイス (1916–1939)
  61. クラーク(英語版) (1916–1922)
  62. サザーランド(英語版) (1922–1938)
  63. バトラー(英語版) (1923–1939)
  64. サンフォード(英語版) (1923–1930)
  65. ストーン* (1925–1941)
  66. O・ロバーツ(英語版) (1930–1945)
  67. カードーゾ (1932–1938)
  68. ブラック (1937–1971)
  69. リード(英語版) (1938–1957)
  70. フランクファーター (1939–1962)
  71. ダグラス(英語版) (1939–1975)
  72. マーフィー(英語版) (1940–1949)
  73. バーンズ (1941–1942)
  74. R・ジャクソン (1941–1954)
  75. W・ラトリッジ(英語版) (1943–1949)
  76. バートン(英語版) (1945–1958)
  77. クラーク(英語版) (1949–1967)
  78. ミントン(英語版) (1949–1956)
  79. J・M・ハーラン2世(英語版) (1955–1971)
  80. ブレナン (1956–1990)
  81. ウィテカー(英語版) (1957–1962)
  82. スチュワート(英語版) (1958–1981)
  83. B・ホワイト (1962–1993)
  84. ゴールドバーグ(英語版) (1962–1965)
  85. フォータス(英語版) (1965–1969)
  86. T・マーシャル (1967–1991)
  87. ブラックマン (1970–1994)
  88. パウエル(英語版) (1972–1987)
  89. レンキスト* (1972–1986)
  90. スティーブンス (1975–2010)
  91. オコナー (1981–2006)
  92. スカリア (1986–2016)
  93. ケネディ (1988–2018)
  94. スーター (1990–2009)
  95. トーマス (1991–現職)
  96. ギンズバーグ (1993–2020)
  97. ブライヤー (1994–2022)
  98. アリート (2006–現職)
  99. ソトマイヨール (2009–現職)
  100. ケイガン (2010–現職)
  101. ゴーサッチ (2017–現職)
  102. カバノー (2018–現職)
  103. バレット (2020–現職)
  104. K・ジャクソン (2022–現職)
*首席判事も務めた人物
知事


副知事
  • メディル
  • マイヤーズ(英語版)
  • フォード(英語版)
  • ウェルカー(英語版)
  • カーク(英語版)
  • スタントン
  • アンダーソン
  • マクバーニー(英語版)
  • リー(英語版)
  • ミューラー(英語版)
  • ハート(英語版)
  • ヤング
  • カーティス(英語版)
  • フィッチ(英語版)
  • ヒッケンルーパー(英語版)
  • リチャーズ(英語版)
  • ワーウィック(英語版)
  • ケネディ(英語版)
  • コンラッド(英語版)
  • ライオン(英語版)
  • ランプソン(英語版)
  • マークィス(英語版)
  • ハリス(英語版)
  • ジョーンズ(英語版)
  • コールドウェル(英語版)
  • ニッパート(英語版)
  • ゴードン(英語版)
  • ハーディング
  • ハリス(英語版)
  • トレッドウェイ(英語版)
  • ポムリーン(英語版)
  • ニコルズ(英語版)
  • グリーンランド(英語版)
  • アーノルド(英語版)
  • ブルーム(英語版)
  • C・ブラウン(英語版)
  • ブルーム(英語版)
  • ルイス(英語版)
  • ブルーム(英語版)
  • ピックレル(英語版)
  • ブレーデン(英語版)
  • J・T・ブラウン(英語版)
  • ピックレル(英語版)
  • ソーヤー(英語版)
  • モージアー(英語版)
  • ヨーダー(英語版)
  • ハーバート(英語版)
  • ナイ(英語版)
  • ハーバート(英語版)
  • ナイ(英語版)
  • J・W・ブラウン(英語版)
  • ハーバート(英語版)
  • ドナヒー(英語版)
  • J・W・ブラウン(英語版)
  • セレステ(英語版)
  • ヴォイノヴィッチ
  • シューメイカー(英語版)
  • レナード(英語版)
  • デウィン(英語版)
  • ホリスター
  • オコナー(英語版)
  • ブラッドリー(英語版)
  • ジョンソン(英語版)
  • フィッシャー
  • テイラー(英語版)
  • ハステッド(英語版)
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