立方数

立方数りっぽうすう: cubic number)とは、図形数の一種であり、[注釈 1]整数3乗となる数である[1](例:8 = 23 = 2 × 2 × 2)。図形的には1辺の長さが n正六面体(立方体)の体積が立方数 n3 = n × n × n に対応する。

最小の立方数は 1 であり、小さい順に列記すると 1, 8, 27, 64, 125, 216, 343, 512, 729, 1000, … である(オンライン整数列大辞典の数列 A578)。

立方数の性質

1を除く全ての立方数は、連続する2つの平方数の差として表される。

n 3 = k = 1 n k 3 k = 1 n 1 k 3 = { n ( n + 1 ) 2 } 2 { ( n 1 ) n 2 } 2 n 2 {\displaystyle n^{3}=\textstyle \sum \limits _{k=1}^{n}k^{3}-\sum \limits _{k=1}^{n-1}k^{3}=\left\{{\dfrac {n(n+1)}{2}}\right\}^{2}-\left\{{\dfrac {(n-1)n}{2}}\right\}^{2}\quad n\geqq 2}

立方数の列の第2階差数列は公差 6等差数列であり、第3階差数列は定数列 6である。したがって立方数の列は3階等差数列である。

フィボナッチ数列に現れる立方数は、1 と 8 のみといわれている。

立方数を2つの立方数の和として表すことはできない。

詳細は「フェルマーの最終定理」を参照

立方数のうち平方数でもある数は n6 と表せる。また、約数を7個持つ数は全て素数を6乗した数である。

立方数の和

  • 1 から n 番目の立方数 n3 までのn 番目の三角数の2乗に等しい[注釈 2] k = 1 n k 3 = n 2 ( n + 1 ) 2 4 = { n ( n + 1 ) 2 } 2 = ( k = 1 n k ) 2 {\displaystyle \textstyle \sum \limits _{k=1}^{n}k^{3}={\dfrac {n^{2}(n+1)^{2}}{4}}=\left\{{\dfrac {n(n+1)}{2}}\right\}^{2}=\left(\sum \limits _{k=1}^{n}k\right)^{2}}
  • 立方数の逆数和は次の値に収束する: n = 1 1 n 3 = 2 π 2 7 log 2 + 16 7 0 π 2 x log sin x d x {\displaystyle \textstyle \sum \limits _{n=1}^{\infty }{\dfrac {1}{n^{3}}}={\dfrac {2\pi ^{2}}{7}}\log 2+{\dfrac {16}{7}}\displaystyle \int _{0}^{\frac {\pi }{2}}x\log \sin x\,dx}
  • すべての自然数は9個以下の立方数の和として表される(ウェアリングの問題
    • このうち丁度9個の立方数の和で表される数は 23, 239 だけである
  • 2通りの方法で、2つの立方数の和として表される最小の自然数は 1729 = 123 + 13 = 103 + 93 である
    • 負の整数を含めると絶対値最小は 91 = 33 + 43 = 63 + (−5)3(ただし 0, 1 は除く)

関連項目

脚注

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注釈

  1. ^ 0 を含めるかは文献によって異なる。例えば MathWorld“Cubic Number” の項では正の整数に限っている。一方で OEIS A578 では 0 を含む定義になっている。
  2. ^ この性質は視覚的に証明が可能である。“PROBLEM COLLECTION”. 2015年3月12日閲覧。

出典

参考文献

  • Weisstein, Eric W. "Cubic Number". mathworld.wolfram.com (英語).
等差数列
発散級数
Fibonacci spiral with square sizes up to 34.
等比数列
収束級数
  • 1/21/4 + 1/81/16 + ⋯
  • 1/2 + 1/4 + 1/8 + 1/16 + ⋯
  • 1/4 + 1/16 + 1/64 + 1/256 + ⋯
発散級数
整数列
その他の数列
発散級数
収束級数
数列の加速法
カテゴリ カテゴリ:級数・カテゴリ:数列
自然数の類
冪数(累乗数)および関連概念
a × 2b ± 1 の形
多項式数
漸化式から定められる数
その他の特定の性質を持つ数の集合
特定の和を通じて表される数
を通じて生成される数
符号関連
  • メルテンス数(英語版)
図形数
二次元
中心つき多角数
非中心多角数
三次元
中心つき多面体数(英語版)
非中心多面体数(英語版)
  • 四面体数
  • 八面体数
  • 十二面体数(英語版)
  • 二十面体数(英語版)
  • 星型八面体数(英語版)
角錐数(英語版)
四次元
中心
  • 中心つき五胞体数(英語版)
  • 平方された三角数(英語版)
非中心
擬素数
組合せの数
数論的関数
σ(n) の性質による
Ω(n) の性質による
φ(n) の性質による
s(n) の性質による
商を割る
その他、素因子約数関連の数
  • ブラム数
  • エルデシュ–ニコラス数(英語版)
  • デルデシュ–ウッズ数(英語版)
  • 友好数(英語版)
  • ジュガ数(英語版)
  • 調和数
  • リュカ–カーマイケル数(英語版)
  • 矩形数
  • 正則数(英語版)
  • ラフ数(英語版)
  • スムーズ数(英語版)
  • 社交数
  • アリコット数列
  • 楔数
  • ストルネル数(英語版)
  • 超プーレ数(英語版)
  • ツァイゼル数
娯楽数学(英語版)
記数法の底に依存する数
  • アロンソン数(英語版)
  • バン数(英語版)
  • パンケーキ数(英語版)
  • ポータル Portal:数・プロジェクト:数