ジェームス三木

ジェームス三木
誕生 山下 清泉
(1935-06-10) 1935年6月10日(88歳)
満洲国の旗 満洲国 奉天省奉天市
職業 作家・脚本家・演出家・元歌手
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
最終学歴 市岡高校 中退
(大学入学資格検定合格)
ジャンル ドラマ脚本
小説
エッセイ
デビュー作 『装飾音符』(ジャック天野名義)
配偶者 山下典子(元妻)
子供 山下規介(長男)
テンプレートを表示

ジェームス三木(ジェームス みき、本名:山下 清泉(やました きよもと)、1935年昭和10年〉6月10日 - )は、日本脚本家作家演出家、元歌手。身長170cm。血液型はB型。

来歴・人物

満洲国奉天省奉天市(現・中国遼寧省瀋陽市)から小学生の時に大阪府茨木市に引き揚げる。中学2年の時、父が心臓病で急死。父の死後、医師である叔父の勧めで医学部を受験する予定だったが、大阪府立市岡高校に入学後は演劇恋愛に熱中。高校2年の時、演劇部で自ら主演・演出した芝居が大阪府高校演劇コンクールで1位入賞。これを期に俳優志望となり、俳優座養成所の入所試験を受けたところ、12倍の競争率を突破して合格。1953年、3年生の5月に高校を中退して上京し、第5期生として俳優座養成所に入所。

しかし学費や生活費を稼ぐためのアルバイトに追われ、大阪弁が抜けなかったことによるコンプレックスも災いし第6期に落ち、市原悦子らと同期になる。さらに仲代達矢の後塵を拝していたこともあって養成所を2年で中退。その後テイチクレコードの新人歌手コンクールに応募したところ、200倍の競争率を突破して合格。月給6,800円でテイチクの専属歌手となり、ディック・ミネ三波春夫の前座を務め、また石原裕次郎『錆びたナイフ』のテスト録音を行っている。

テイチクからはフランク永井ビクター)の対抗馬として売り出すために、ジェームス三木と名乗ったが人気が出ず、地方巡業など歌手として13年間の下積み生活を送る。その間、大学入学資格検定に合格する。

1960年3月1日、山下典子と結婚。生活のため横浜のナイトクラブ「ナイトアンドデイ」の専属歌手となる(この時の後輩に無名時代の青江三奈がいた)。30歳を過ぎて人気が落ち始めた頃、新聞広告を見て文芸同人誌に小説『装飾音符』を発表。この作品が『新潮』に転載される(ジャック天野名義)。これを機に文芸志望へ転じ、シナリオ作家協会主催のシナリオ研究所(現在のシナリオ・センター)に研究生として入所。半年後の1968年、処女作『アダムの星』で第18回新人映画シナリオコンクールに準入選を果たす。この作品が映画監督・野村芳太郎の目にとまり、ナイトクラブ歌手と二足の草鞋を履きながら野村に師事。1969年、34歳のときに映画『夕月』で脚本家としてデビュー[1]

1983年には脳腫瘍で入院したが生還し、仕事復帰。

1985年連続テレビ小説澪つくし』が視聴率55%を記録し、純愛ブームが巻き起こる。1986年、本作で日本文芸大賞脚本賞受賞。

1987年大河ドラマ『独眼竜政宗』を大ヒットさせ、大河史上1位の視聴率を獲得。執筆前に大量の史料を読み込んだという[2]

1989年、『善人の条件』で映画監督に初挑戦した。

1997年、『存在の深き眠り』『憲法はまだか』で放送文化基金賞脚本賞受賞。

1997年、山下直子と再婚

1999年、第50回NHK放送文化賞受賞。

舞台演出、小説、随筆なども手がけている。

エピソード

  • ペンネームの由来は「税務署行き」をもじったもので、歌手時代にディック・ミネに芸名をつけてもらおうとしたところ「これから税務署に行かなくちゃならない」と言われたことから来ているとされていたが、これは事務所がつくったネタだとも言われている。小津安二郎の脚本家としての別名「ゼームス槇」にあやかったとの説もある。
  • 歌手として13年ほど活動するが、一向に芽が出ず、脚本家へ転身した後もこの名前を使い続けている。脚本家としてのデビューは『七人の刑事』だったが、名前を覚えてもらえず「ジュース三本」と誤植されたこともあった。
  • 脳腫瘍の経験談や日本国憲法について説く講演活動を、頻繁に行っている[3]
  • 九条の会」傘下の「マスコミ九条の会」呼びかけ人を務めている[4]
  • クイズダービー』(TBS)に複数回、ゲスト解答者として出演。しかし第700回[注釈 1]、第750回[注釈 2]では2回連続0勝8敗で、第845回[注釈 3]の2問目まで不正解で、実質18連敗以上している。
  • 長男は俳優の山下規介。実弟の山下六合雄(やました くにお、1945年5月29日-2010年5月1日)にも、脚本や作曲を手がけた作品がある。
  • 愛煙家としても知られ、昨今の公共の場所の禁煙に対し、「せめて70歳以上は、いつどこで喫煙してもよいと、大目にみてくれるとありがたい」と朝日新聞の投書欄[5]に投稿している。
  • プロ野球は、30年以上に亘り東京ヤクルトスワローズのファン[6]である。

主な作品

脚本

映画

テレビドラマ

舞台

ゲームソフト

著書

戯曲

  • 『青春泥棒徹と由紀子』(1984年大和書房 ヤングアダルトブックス)
  • 『花丸銀平』(1986年実業之日本社
  • 『澪つくし 戯曲』(1986年、未来社)
  • 『旅よ恋よ女たちよ』(1986年、実業之日本社)
  • 『結婚という冒険 ジェームス三木戯曲集』(1986年、未来社)
  • 『独眼竜政宗 NHKテレビ・シナリオ』(1987年、曜曜社出版)
  • 『ときめき宣言 オリジナルシナリオ』(1989年徳間書店
  • 『安楽兵舎V.S.O.P. ジェームス三木戯曲集』(1991年、未来社)
  • 『巨人の帽子 ジェームス三木戯曲集』(1993年、未来社)

小説

エッセイ

  • 『テレビドラマ紳士録 ジェームス三木対談集』(1982年、映人社)
  • 『ヤバイ伝』(2000年新潮社
  • 『ドラマと人生』(2008年、社会評論社
  • 『平成オトナの勝手塾 中高年一貫指導』(2008年、社会評論社)
  • 『人間の正体 人を動かしているものは何か』(2008年、中経出版

共著

  • 『夏服のイヴ』(1984年、集英社文庫コバルトシリーズ)共著:はりう・しずえ
  • 『夏服のイヴ 松田聖子主演映画』(1984年、実業之日本社)共著:佐藤映湖
  • 『潔い女は美しい 歴史に学ぶ女の生き方』(2002年、致知出版社)共著:杉本苑子
    • 『日本の歴史を動かした女たち』(中経の文庫)
  • 『これまでの道、これからの夢』(2008年、きょうされん)共著:藤井克徳

音楽作品

歌唱

  • 靴みがきとアコーディオン(1957年、テイチク C-4139)
  • 酒場の隅で(1958年、テイチク C-4168)
  • さまよえる靴音(1958年、テイチク C-4245)

作詞

講演活動

  • 2017年4月26日に岐阜都ホテルにおいて、立川談四楼と共に日本たばこ産業株式会社のJTフォーラムの講演を行っている。[7]

その他・番組出演

外部リンク

  • ジェームス三木オフィシャルホームページ
  • 坊っちゃん劇場(ジェームス三木氏が名誉館長)
  • ベストライフ・オンライン インタビュー
  • ジェームス三木 - NHK人物録

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 1989年7月29日放送。
  2. ^ 1990年7月28日放送。
  3. ^ 1992年8月1日放送。
  4. ^ a b c 自作テレビドラマの舞台化。

出典

  1. ^ a b ジェームス三木(インタビュー)「大脚本家・ジェームズ三木「保護本能をくすぐられる」松本清張で魅せる“女性の描き方”」『テレビドガッチ』、2016年4月14日。https://plus.tver.jp/news/38671/detail/2016年5月2日閲覧 
  2. ^ 「独眼竜正宗」 眼帯をつけていたのは本当か
  3. ^ [1]
  4. ^ マスコミ九条の会(よびかけ人はだれですか)
  5. ^ 『朝日新聞』2008年8月4日朝刊
  6. ^ “ヤクルトスワローズにはなぜアンチがいないのか? ~みんなに愛される不思議なチームの謎に迫る(週刊現代) @gendai_biz”. 現代ビジネス. 2020年11月10日閲覧。
  7. ^ [2]

関連項目

第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
第16回
第17回
第18回
第19回
第20回
第21回
第22回
第23回
第24回
第25回
第26回
第27回
第28回
第29回
第30回
第31回
第32回
第33回
第34回
第35回
第36回
第37回
第38回
第39回
第40回
第41回
第42回
第43回
第44回
第45回
第46回
第47回
第48回
第49回
第50回
第51回
第52回
第53回
第54回
第55回
第56回
第57回
第58回
第59回
第60回
第61回
第62回
第63回
第64回
第65回
第66回
第67回
第68回
第69回
第70回
第71回
第72回
第73回
第74回
典拠管理データベース ウィキデータを編集
全般
  • FAST
  • VIAF
国立図書館
  • ドイツ
  • アメリカ
  • 日本
  • 韓国
学術データベース
  • CiNii Books
  • CiNii Research
芸術家
  • MusicBrainz